特集 「日本長寿社会」のパラダイムシフト

特集パラダイムシフトa
堀内正範 朝日新聞社社友・「月刊丈風」編集人  史上初・国際的に先行する「日本長寿社会=超高齢社会=三(四)世代多重型社会」の新たな内容を盛るために、本誌では新しいことば(器)を用いています。世紀をまたいで21世紀の初頭にわが国の65歳以上の「支える側の高齢者」(現役シニア=昭和丈人)層が中心になって、わが国独自の文化、伝統、暮らし方を活かして「成熟」した姿の「モノ・居場所・しくみ」をつくること。「自立・参加・ケア・自己実現・尊厳」(国連「高齢者五原則」)を体現しながら独自のプロセスを案出し、平和裏に国際的成功モデルを達成すること。そして青少年・中年・高年者それぞれが「人生の豊かな成果」を享受できる新たな社会が「日本長寿社会」です。「20世紀後半期の人生65年社会」から「21世紀初頭の人生90年社会」へ。わたしたちの活動は新たなパラダイムシフトによって展開いたします。
 

現代シニア用語TODAY--「成長戦略」と「成熟戦略」

TODAY「成長戦略」と「成熟戦略」
堀内正範 朝日新聞社社友・「月刊丈風」編集人 「国民の活力」には、これまでのように青少年・中年者の「成長活力」とともに、高齢化が進み3000万人に達した高年者が保持する「成熟・継承活力」があることを、ほかならぬ高齢者自身が体験的に率直に認識することが何より必要です。わが国に活力を与える将来構想には「成長戦略」と「成熟戦略」とがあって、後者は高齢者によって新たに展開されることになります。

「月刊丈風」2013年2月号

「月刊丈風」2013年2月号
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編集月旦2013年2月号
安倍所信表明演説を「高齢者参加」で読む
民主党再建への提言
藤井党最高顧問に聞く-1
藤井党最高顧問に聞く-2
賀寿期五歳層十五人会議a
緊急提案2013参院選
高齢社会対策大綱を読む3
長寿社会のまちづくり
起業情報ナノコーポ
ほん「頑張って!ご同輩」2012
ほん樋口恵子著「大介護・・」a
『現代シニア用語事典』分載4
賀寿期5歳層「米寿期」
賀寿期5歳層「傘寿期」
賀寿期5歳層「喜寿期」
賀寿期5歳層「古希期」
賀寿期5歳層「還暦期」
三世代年表・人口流行語流行歌
セミナー八重洲20120725
人口爆発から高齢化へ尾崎論文
人生2回時代の岡本モデルa
小論「長寿国の総理大臣」
藤井党最高顧問に聞くⅠ

新情報-安倍総理の所信表明演説を「高齢者参加」で読む

!!!安倍所信演説を「高齢者参加」で読むpdf
安倍総理の所信表明演説を「高齢者参加」で読む
演説は2013年1月28日。代表質問は 1月30日~2月1日
堀内正範 朝日新聞社社友 web「月刊丈風」編集人
世界一の長寿国であるわが国の内閣総理大臣は、なぜこうも短命なのでしょうか。7年に7人。新内閣成立の時からそう決めているわけはないのに、決まってそういう経緯をたどっています。これは異常事態ですし、これではまともな国政も外交も不可能です。まともな外国は、優れた日本民族のことだから「天災人禍」を乗り越えて復活するだろうと、時待ちをしてくれているかもしれませんが。
総理大臣が民主党野田佳彦代表(55歳)から自民党安倍晋三総裁(58歳)に変わって所信表明演説がありましたが、残念ながら「高齢者参加による社会改革」についての発言はありませんでした。
金融と財政によるアベノミクスの効果は一過性であり、その反動を食い止めて経済成長を持続させるには、国民の持続的な活力が必要です。その潜在力は、若者による「成長」活力ばかりでなく、年々増えつづけて3000万人に達した高齢者(65歳以上・23・3%)のみなさんによる「成長・成熟・継承」の活力があります。
史上に新たなそして国際的に成功モデルとなるような「日本長寿社会」(超高齢社会・三世代多重型社会)をつくるには、地域・職域での高齢者活力の参画が不可避な時期を迎えています。先人が残してくれた余沢によって、旧来の「人生65年時代」の「支えられる高齢者」として年金と貯蓄で余生が送れる時期は終わって、わが国は社会的にも財政的にも新たな形態を模索する段階に入っているのです。
昨年9月に野田内閣が閣議決定した新「高齢社会対策大綱」は、その課題解決の要件として、「人生90年時代」の「支える側の高齢者」(現役シニア)層の登場を指摘しました。青少年・中年とともに高年の現役シニアが、「三世代多重型」の新たな社会構造を創出するために、保持している「知識・技術・資産」を活かして参画することが求められているのです。ところが国政の側からはその呼びかけが聞こえません。
アベノミクスが行き詰まる前に、できれば参議院選前までに、高齢者層がもつ現役シニアとしての潜在力を、日本再生のためにどう活用できるかに自力浮揚の正否がかかっているのです。
以下は、「高齢者参加」の視点による安倍所信演説の読み込みです。()のような意識があってはじめて高齢者参加への呼びかけとなり、「支える側の高齢者」に出動の意欲が生まれるのです。(2013・2・2~2・10記)
・(増えつづける高齢者が参画した)持続的な経済成長を通じて(新たな)富を生み出すことができなければ「経済全体のパイ」は縮んでいってしまいます。
・(高齢者層のみなさんの参画をえて)これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージ(成長・成熟・継承)を提示します。
・大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして(とくに高齢者層による新たな)民間投資を喚起する成長戦略という「3本の矢」
・「(すべての世代の)暮らしの安心・(高齢者のもつ知識・技術・資産の参画による)地域活性化」
・(とくに高齢者層による新たな)民間の投資と(増えつづける高齢者層の優れた国産品・地産品とサービスによる)消費が持続的に拡大する成長戦略
・「(生まれたばかりの子ども・育つ世代、生み育てる世代、生をいとおしむ世代のすべての国民が)健康で長生きできる社会」
・(これまでの歴史になかった)新たな富と雇用も生み出します。
・「(ライフ・)イノベーション」(<生から死までの人間存在にかかわる>技術革新)と(「三世代多重型社会」への)制度改革
・(「人生90年時代」の)未知の領域に果敢に挑戦をしていく精神
・今こそ、(国際的に先行する「高齢社会」形成で)世界一を目指していこう
◎若者もお年寄り(注:ここだけ。弱者の視点で)も、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスを与えられる社会。
・「(一人ひとりが生涯にわたって)自らの力で成長(・成熟・継承)していこう」という気慨を失ってしまっては、個人も、国家も、明るい将来を切り開くことはできません。
・(高齢者が)自らの中に眠っている新しい力を見いだして、これからも成長(・成熟・継承)していくこと。
・「強い日本」を創るのは、他の誰でもありません。私たち自身(青少年・中年と3000万高年者の参加)です。

民主党再建への提案

民主党再建への提案 pdf
民主党再建への提案              2013・2・5
尾崎美千生 元毎日新聞政治部副部長 高齢社会NGO連携協議会参与
堀内正範  朝日新聞社社友 元『知恵蔵』編集長 web「月刊丈風」編集人
新世紀10年余にわたる「高齢社会対策」の不在
世界一の長寿国であるわが国の内閣総理大臣は、なぜこうも短命なのでしょうか。7年に7人。新内閣成立の時からそう決めているわけはないのに、決まってそういう経緯をたどっています。
これは異常事態ですし、これではまともな国政も外交も不可能です。まともな外国は、優れた日本民族のことだから「天災人禍」を乗り越えて復活するだろうと、時待ちをしてくれているのにちがいありません。
2012年の年末に政権交代があって、総理大臣が民主党の野田佳彦さん(55歳・1957年~)から自民党の安倍晋三さん(58歳・1954年~)に変わりましたが、残念ながらどちらの為政者にも、優れた先達に援軍を求めて難局を乗り切るという「高齢者参加による社会改革」構想はないようです。
人口比率で23・3%、3000万人に達したわが国の高齢者層(65歳以上)は、長年かけて培った技術・知識・経験・健康、そしてほどほどの資産を保持しています。もちろん医療・介護・福祉・年金といった基本的な「高齢者対策」は継続したうえでのことですが、これらの潜在力を社会的に有効に活かす暮らし方を提案するのは「高齢社会対策」であり、政治の側の役割です。
新世紀10年余にわたる「高齢社会対策」の不在が国力萎縮(デフレーション)の主要因だと説いても、国会議員のみなさんには理解がいかないようです。安倍総理の所信表明演説(2013・1・28)にも「高齢社会対策」はありませんでしたし、自民党政権の「負の遺産」としてなお解消されないまま。史上初・国際的に先行する「日本長寿社会(高齢社会)」の行き先を見定めえず、10年余の間みんなで霞が関の信号を渡ってきたものですから、「10年の失政」とは気づかず、その間に大きくなった潜在力を持つ高齢者の参加をだれも呼びかけないできたのです。
 「人生90年時代」の「支える側の高齢者」(現役シニア)の登場
昨年6月に衆議院で、8月に参議院で「消費税増税」法案が採択されましたが、国会の際立った増税論議の一方で、目立たずに有識者と内閣官僚によって11年ぶりに新たな「高齢社会対策大綱」が閣議決定(9月7日)されました。
この改定大綱には、すべての高齢者が知るべき重要な指摘がなされています。それは、これまでの「人生65年時代」の「支えられる高齢者」像を改めて、「人生90年時代」の「支える側の高齢者」(現役シニア)を登場させて、高齢社会に関するさまざまな課題を解決する要件としていることです。
長寿として享受している65歳からの高齢期(65+25年)を、旧来のままの「余生」として送るのではなく、保持している知識・技術・経験・健康・資産を活用して、地域・職域に新たな「モノ・居場所・しくみ」をこしらえることを提言しています。一つひとつは小さくとも、これが総体としての「地域社会」の活性化、「日本長寿社会」の達成に寄与するという将来像を示して、一人ひとりの高齢者に「支える側の高齢者」(現役シニア)としての社会参加を求めているのです。
「ライフ・イノベーション」としての高齢社会
2009年の民主党大勝利は、高齢者層の期待の表現でもありました。
「官僚主導から国民主導へ」、「コンクリートから人へ」を訴えて政権党になった民主党は、「マニフェスト」では「ライフ・イノベーション」といいながら、残念なことに高齢者層の潜在力を重視した参画の呼びかけをせず、期待していた「支える側の高齢者」(現役シニア)層にとっては何のメッセージもありませんでした。
2009年10月の所信表明演説で、鳩山由紀夫首相は、「無血の平成維新」といって党の勝利を誇ったものの、ご自分もその一人である還暦・定年期の “若き高齢者”に参画を呼びかける発言はしませんでした。翌年1月の施政方針演説でも、「誰にもみとられずに死を迎える」いたましい事例を取り上げましたが、「支える側の高齢者」が参加する「日本長寿社会(高齢社会)」構想には触れずじまいでした。その後の党の「ライフ・イノベーション」の展開にも実質的進展はありませんでした。
菅直人首相もまた「強い社会保障」をいいながら、若い世代に後を託して去ることになりましたし、野田首相は「社会保障」の安定財源のための「消費税増税」には奮戦しましたが、実質的な「医療」「介護」「年金」「少子化対策」などの議論は有識者の「社会保障国民会議」にまかせざるをえませんでした。
「高齢者参加」による持続的な経済成長
安倍政権が掲げる金融と財政によるアベノミクス効果は一過性のものであり、その反動を食い止めて成長を持続するには、国民の持続的な活力のフォローが必要です。これは衆目の見るところです。
その潜在力はこの国のどこにあるのでしょうか。
成長力というと、若者による「成長」活力ばかりが強調されますが、年々増えつづけて3000万人に達した高齢者のみなさんによる「成長・成熟・継承」への活力を軽視・黙止していないでしょうか。
政治の側からの後押しのない中で、熟年技術者は個別には国の内外で力を発揮しています。それぞれの分野で保持している“ものづくり”技術は、海外進出企業の現地社員への技術伝授に活かされていますし、さまざまな個別の“匠”の技術はアジア途上国の人びとの生活を豊かにしています。国内では、「百均商品」にあきたりない生活感性の高い需要者のために、優れた国産品(地産品)の開発が進み、ケアやサービスや新しい居場所づくりも展開しています。それらは次の世代の資産となるものです。
史上に新たな「高齢社会」の形成には政治の側のフォローが欠かせません。
「高齢者参加」を得て初めて「日本経済全体のパイ」は安定した姿をとりもどし、持続的な経済成長が可能になります。その時、内閣総理大臣は青少年・中年そして高年世代から敬愛されて、7年に7人という異常事態を脱して、「4年なお短し」として施政に取り組むことができるようになるでしょう。
その時にようやく、世界最速で高齢化が進んだわが国が、21世紀の潮流である「高齢社会」形成への成功モデルとして国際評価を得ることになります。

安倍総理の所信表明演説を「高齢者不在」で読む 2

安倍総理の所信表明演説を「高齢者不在」で読む 2
(演説は2013年1月28日。代表質問は 1月30日~2月1日)
堀内正範 「月刊丈風」編集人
総理が民主党野田佳彦さん(55歳)から自民党安倍晋三さん(58歳)に変わりましたが、残念ながら58歳の為政者の意識に、「高齢者参加による社会改革」構想は不在です。衆参の代表質問を終えましたが、「日本長寿社会」(超高齢社会・三世代多重型社会)構想を本格的に取り上げた議員はいませんでした。
金融と財政によるアベノミクスの効果は一過性であり、その反動を食い止めて経済成長を持続させるには、国民の持続的活力が必要です。その潜在力は、若者による「成長」活力(これまでの社会)ばかりでなく、年々増えつづけて3000万人に達した高齢者(65歳以上・23・3%)のみなさんによる「成熟・継承」の活力(史上に新たな「高齢社会」の形成)があります。
史上に新たな「日本長寿社会」(超高齢社会・三世代多重型社会)をつくる地域・職域での参画が不可避な時期を迎えています。旧来の「人生65年時代」の「支えられる高齢者」として年金と貯蓄で余生を送るのでは、もはやわが国は社会的にも財政的にも安定した姿を保てない段階になっているのです。
昨年9月に野田内閣が閣議決定した新「高齢社会対策大綱」はその課題解決の要件として、「人生90年時代」の「支える側の高齢者」(現役シニア)層の登場を指摘しましたが、国会からはその呼びかけが聞こえません。安倍人気と施政は先細りとなり、自力での浮揚はいよいよむずかしくなります。参議院選までに、国際的に注目されている日本の自力再生のために、戦後をつくった高齢者層がもつ現役シニアとしての潜在力をどう呼び起こすかに成否がかかっています。
以下は高齢者参加の視点による安倍演説の読み込みです。こういう意識が表明されてはじめて高齢者への呼びかけとなり、支える側の意欲が生まれるのです。(2013・2・2記)
・(増えつづける高齢者が参画した)持続的な経済成長を通じて(新たな)富を生み出すことができなければ「経済全体のパイ」は縮んでいってしまいます。
・(高齢者層のみなさんの参画をえて)これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージ(成長・成熟・継承)を提示します。
・大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして(とくに高齢者層による新たな)民間投資を喚起する成長戦略という「3本の矢」
・「(すべての世代の)暮らしの安心・(高齢者のもつ技術・知識・資産の参画による)地域活性化」
・(とくに高齢者層による新たな)民間の投資と(優れた国産製品とサービスによる)消費が(増えつづける高齢者層によって)持続的に拡大する成長戦略
・「(生まれたばかりの子ども・育つ世代、生み育てる世代、生をいとおしむ世代のすべての国民が)健康で長生きできる社会」
・(これまでの歴史になかった)新たな富と雇用も生み出します。
・「(ライフ・)イノベーション」(<生から死までの人間存在にかかわる>技術革新)と(三世代多重型社会への)制度改革
・(「人生90年時代」の)未知の領域に果敢に挑戦をしていく精神
・今こそ、(国際的に先行する「高齢社会」形成で)世界一を目指していこう
◎若者もお年寄り(注:ここだけ。弱者の視点で)も、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスを与えられる社会。
・「(一人ひとりが生涯にわたって)自らの力で成長(成熟・継承)していこう」という気慨を失ってしまっては、個人も、国家も、明るい将来を切り開くことはできません。
・(高齢者が)自らの中に眠っている新しい力を見いだして、これからも成長(成熟・継承)していくこと。
・「強い日本」を創るのは、他の誰でもありません。私たち自身(3000万人高齢者の参加)です。

安倍総理の所信表明演説を「高齢者参加」で読む(2013年1月28日)

安倍総理の所信表明演説を「高齢者参加」で読む(2013年1月28日)
残念ながら58歳の為政者の意識に、「高齢者参加による社会改革」は不在(政策に不在)です。安倍総理の演説からは新「高齢社会対策大綱」が指摘した「人生90年時代の支える側の高齢者」への呼びかけが聞こえません。美辞を求めて信言から離れています。人気と施政は夏までもたず、わが国の自力での浮揚はいよいよむずかしくなります。
以下は高齢者の視点による読み込みです。こういうものであれば、支える側の意欲が生まれるのですが。参議院選までに、国際的に期待されている日本の自力再生、戦後をつくった高齢者層の潜在力をどう呼び起こすかにかかっています。(堀内正範)
・(高齢者としての)決意の源は、深き憂国の念にあります。
・(3000万人の高齢者が参画して)持続的な経済成長を通じて(新たな)富を生み出すことができなければ「経済全体のパイ」は縮んでいってしまいます。
・私たち(高齢者)の安心を支える社会保障の基盤も揺らぎかねません。
・(高齢者のみなさんの参画をえて)これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージを提示します。
・大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして(とくに高齢者層による新たな)民間投資を喚起する成長戦略という「3本の矢」
・「(各世代それぞれの)成長による富の創出」
・「(すべての高齢者の)暮らしの安心・(高齢者のもつ技術・知識・資産の参画による)地域活性化」
・(とくに高齢者層による新たな)民間の投資と(新しい国産製品とサービスによる)消費が(増えつづける高齢者層によって)持続的に拡大する成長戦略
・「(生まれたばかりの子ども、育つ世代、生み育てる世代、生をいとおしむ世代のすべての国民が)健康で長生きできる社会」
・(これまでの歴史になかった)新たな富と雇用も生み出します。
・「(ヒューマン・)イノベーション」(<生から死までの人間存在にかかわる>技術革新)と(三世代多重型社会への)制度改革
・(「人生90年時代」の)未知の領域に果敢に挑戦をしていく精神
・今こそ、(国際的に先行する「高齢社会」形成で)世界一を目指していこう
・若者もお年寄り(注:ここだけ。弱者の視点で)も、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスを与えられる社会。
・「(高齢者が生涯にわたって)自らの力で成長(熟達・深化)していこう」という気慨を失ってしまっては、個人も、国家も、明るい将来を切り開くことはできません。
・(高齢者が)自らの中に眠っている新しい力を見いだして、これからも成長(熟達・深化)していくこと
・「強い日本」を創るのは、他の誰でもありません。私たち(3000万人の高齢者)自身です。
 

「長寿社会」を推進する3つの課題

「長寿社会」を推進する3つの課題
◎Ⅰ 「高齢社会担当大臣(専任)」の設置
◎Ⅱ 参議院制度の改革
◎Ⅲ 高齢者参画による持続的な経済成長
○2013年1月9日午後、「高連協年頭学習集会」のあと、記者クラブ喫茶室での尾崎美千生さん、岡本憲之さんとの談論は、次の3つの課題をめぐるものになりました。2013年7月21日(予定)の参議院選までに、あるべき姿としての「高齢者・高齢社会の存在感」を高めるための活動への契機として、ここに整理してみます。
◎Ⅰ 「高齢社会担当大臣(専任)」の設置
○内閣府に重量感のある「高齢社会担当大臣(専任)」を設けること。副大臣・審議官・参事官・担当職員(70歳までの高齢実務者)を配属して、各省にわたる「高齢社会」政策を集約する骨太の部署を新設する。現在はというと「高齢社会対策担当大臣」(民主党政権下で10人)を置いてはいるが多くは少子化担当と兼任で、「高齢社会対策」は「共生社会政策担当統括官」が統括する1セクションとして扱われている。これこそが「10年無策」の証であり、このままでは世界に冠たる「日本高齢社会」の達成はむずかしい。
○ここは尾崎さんの領域ですが、人選としては国際的に先行する「日本長寿(高齢)社会」のシンボル的インパクトを考慮すれば、初代大臣は政界最長老的存在の人が適任。20年にわたる「国力萎縮」(デフレーション)の重要な要因に「高齢社会の不在」(年々増えつづけてきた健丈な高齢者の社会参加意識の欠如)があったことを、政治家が「10年の失政」として省みる必要があるからである。とすれば1986年に「長寿社会対策大綱」を閣議決定した総理・中曽根康弘氏(94)までさかのぼる。1994年に高齢化率14%に達して「高齢社会」入りをし、10年目の1996年に名を「高齢社会対策大綱」(橋本内閣)として閣議決定した経緯がある。1999年の「国際高齢者年」の政府主催者(小渕内閣総務庁)として携わった人でもいい。
また「社会保障」財源を安定化させる「消費税増税」法案の採決のあと、実施に必要な「経済成長」を確保し「高齢者参画」を呼びかけるには藤井裕久氏(80)が適任である。上の両氏に匹敵する表舞台に出なかった政治家(山中宰相)がいれば再登場をお願することになる。
◎Ⅱ 参議院制度の改革
○衆議院とは異る立場の国民代表が構成する参議院に。2世踏襲と世代交代がつづけば2院制の存在意義を失う。世代間や分野間や地域間の議論を活発にするために、年齢制限をやめて各地各界の経験豊かな高齢議員を多く選出する。同趣旨の主張と活動をしている学者・政治家のみなさんに「高齢者・高齢社会の存在」を意識するよう訴える。
・年代枠(三世代枠)・高年・中年・若年  ・女性枠
・分野枠 ・政治家・官僚・学者・経済人・報道関係者・芸能保持者(著名人)
◎Ⅲ 高齢者参画による持続的な経済成長
○途上諸国主導の経済のグローバリゼーションに対応して、わが国の“途上国化と若年化”が長らくつづいてきた。その間、技術・人材・資産の海外流出がつづき、そのために地域や職域の熟年・熟練高齢者は“足踏み状態”を余儀なくされ、地域・国内中小企業の衰退・疲弊(デフレーション)は限界に達している。いまこそ政治の側から、高齢者層の地域・職域参画を呼びかけて、各人が保持する知識・技術・資産を活用して、高齢者自身が必要とする新たな「モノ・サービス・居場所・しくみ(コミュニティ)」をこしらえるよう訴える必要がある。一つひとつは小さいが地域特性・業種特性をもつ成果の重なり合いが、総体としての「長寿社会(高齢社会)」の豊かさを形成する基盤となる。家計資産は高齢者が「三世代多重型」社会の形成のために活用して、持続的な経済成長をもたらすことで、後人(次世代・途上国)への新たな資産となる。
○「孫の教育費」(1500万円まで)を無税贈与にするといった次世代支援は、高齢者資産の「ヒッペガシ」政策であり“恩恵の上乗せ”であって、あっても仕方がないが、持続的な経済成長をうながす要因にはならない。
○「日本社会の再生」には、具体的には地域・職域の1980年ころ(「一億総中流」時代)の地域・職域の再生に有効性がある。「均衡ある国土の発展」のあと、高齢世代の参加(再生のための再出動)による「特性ある地域の発展」を重ね合わせることで、「みんなが安心して暮らせる地域社会」が達成される。(堀内正範 2013・1・15)