丈人論 ―大震災を越えて「強い高齢社会」をつくろう<3> ―

 
2011・4・25 
◎「災後復興」の課題を担う 
 東北地方被災地の高齢者の心には、なんとか元にもどしたいという願いとそんなに頑張ってどうするという思いが交錯するといいます。陸地に打ち上げられて大破した船の傍らで、「漁をするより能のない人間だから海にもどりたい」とつぶやく高齢漁師。農地でも商業地でも、黙々と後片づけにむかう人の中に「天災人禍」という二度の災禍の復興に出会った高齢者の姿があります。
 ここで繰り返して確認しますが、「本格的な高齢社会」というのは「病者や要介護者といった高齢者が多くなる社会」ではなく、「元気な高齢者が体現して参画する新しい社会」のことです。もちろん前者をふくめてですが。ですからいまこそ、政治リーダーにはそういう将来の国(地域)の姿を構想し、国民(地域住民)にむかって達成を求める責務があります。ところがなんとしたことか、政権党になった民主党の「マニフェスト」にはそういう視座がまったくありません。ですから参画しようにも高齢者のわれわれには何のメッセージ性もないのです。
 鳩山首相は「いのちを、守りたい」と訴えた「施政方針演説」で、「ひとり暮らしのお年寄りが誰にもみとられずに死を迎える」いたましい事例を取り上げましたが、ご自分が属する「高齢社会」への参画を呼びかける発言はしませんでした。すぐれた厚生大臣であった菅首相は「高齢者は社会の被扶養者」とする政策を引き継ぎ、「強い経済、強い財政、強い社会保障」といいきっています。「福祉・介護・医療」を軸にした高負担の政策がつづかないことに気づきながら、「健丈な高齢者が参画する地域の形成」を軸とする「強い高齢社会」政策の不在が、国民の信頼を失ってきたことに気づいていないのです。
 いま65歳を中心とする50歳から80歳までの中高年者(4800万人)が形成する地域・職域コミュニティーをみんなで構想し、それぞれが保持している知識や技術や資産を有効に活用して、高齢者自身が用いやすい新たな「モノや用具や設備」を工夫し、「居場所や施設」をつくること。力を合わせて三世代がそれぞれに地域の四季を安心して暮らせる「三世代同等型の社会」を築くことが急務とされているのです。
 大震災の復興に努めている高齢者のみなさんとともに全国の地域・職域のあらたな変革に参画すること、それが大増税を避けるため国民全員で負担する「災後復興」の課題です。その活動の中心になるのが「65歳+」の高齢者であるわれわれです。(次回5月5日)
 

丈人論 ―大震災を越えて「強い高齢社会」をつくろう<2>―                       

2011・4・15 
◎わが国の高齢者の役割 
 
年齢にかかわらず「自分は高齢者」と思っている人のうち80%までは元気に暮らしており、「リタイア」後も何らかの社会参加を望んでいます。それは仲間とともに65年をかけて創りあげてきた社会に親しみを持っており、さらに住み良くなることを希っているからです。これまでに培ってきた知識や経験や技術や資産を用いて、地域や職域での新たな「しくみづくり」「居場所づくり」「モノづくり」といった活動に参画する意欲を保っている証しです。
 大震災によってみずから築いてきたものすべてを失ってしまった東北地方の被災者の姿をみて、「がんばろう日本」とか「日本の力を信じてる」という声より先に、仲間のために具体的な支援に動いた人びとも多くいます。新たな出発に当たって、「65歳+」の人びとの参画は、この国の復興と創造を通じて、手つかずだった「高齢社会」の形成を進めることになります。わが国は世界一の長寿国です。65歳以上の人口比である「高齢化率」が21%を越えると国際基準では「超高齢社会」(本格的な高齢社会)と呼びますが、世界最速で高齢化が進んだわが国は、すでに23%(世界一)に達しています。
 「超高齢社会」を体現するのは、高齢者であることを自覚した65歳以上の高齢者の生き方です。2割ほどの医療・介護を要する仲間をかかえながらも、多くは健丈のうちに、青少年期・中年期にいる次世代の人びととともに、「人生の第3ステージ」である高年期を過ごしています。元気で暮らすわが国の高齢者が、世界の友人たちの支援と期待に応えて、独自の手法でどのような「日本型高齢社会」を創出するかが国際的に注視されているのです。
 ここで何よりたいせつなことは、後進の人びとの支援を受けて「強い社会保障」といった負担を期待して余生を送るこれまでの「2世代+α(アルファ)型」の受け身の暮らし方を改める時期にあることです。逆に後進の人びとの支援をしながら、史上に新たな「強い高齢社会」をめざすことにあります。
「高齢社会」というのは「病者や要介護者といった高負担の高齢者が多くなる社会」ではなく、「元気な高齢者が体現者として参画する新しい社会」であって、政治リーダーにはそういう将来の国(地域)の姿を提案する責務があります。ところが残念なことに、政権党になった民主党のマニフェストにはそういう視点がまったくないのです。だから首相になった鳩山由紀夫さん(1947年生まれ)も菅直人さん(1946年生まれ)も、60歳代になった自分と仲間たちが形成する「本格的な高齢社会」への構想を持たず、「高齢者が構成する強い高齢社会」への参画を呼びかけることもないのです。(次回4月25日)

「日本丈人の会」活動趣旨 2011・5・20改定

戦禍のあと築いたすべてを奪い去った
「東日本大震災」からの復興と
みんなが等しく長寿を喜びあえる
「日本
高齢社会」の創出をめざして
同じ願いのみなさんとともに
「日本丈人の会」は新たな活動を推進いたします。
<小注:「丈人」というのは「老人」(余生型)におさまらない高齢健丈者> 

 表向きのエンタテイメント(楽しませること)によって薄皮一枚の華やかさに覆われていますが、わが国がいま「第三の国難」にあることはたしかです。先の大戦の戦禍のあと、辛苦して「第二の国難」を乗り越えてきたプロセスを知っている高齢者が、この難局を座視・黙止したままでいたのでは乗り切れません。

 大震災後の日常性の回復のしかた(とくにTV)は納得しかねます。このままいくと、この国(われわれが築いてきた社会)自体が崩壊しかねません。わたくしは一介のジャーナリストでしかありませんが、この10年間を見定めてきて将来を展望する立場から 『日本型高齢社会』(昨年7月)を刊行して、高齢健丈者が保っている知識や技術や資産が穏やかに参加する「本格的な高齢社会」(三世代同等多重型社会)を提案しました。
 
 史上にまれな長寿社会に生きてきて、いま高齢者(60歳以上で約4000万人)になっているわれわれは、このたびの「3・11東日本大震災」に遭遇して、「天災と人禍」というふたつの災禍の復興に務めるという史上にまれな役割を担おうとしています。さまざまな理由で全員参画はムリとしても、三人にふたりの健丈な仲間(丈人層)が、「東日本大震災」からの再生と復興に当たる被災地の高齢者を支援するとともに、みんなが等しく長寿を喜びあい、安心して暮らせる「日本高齢社会」を達成すること。それは先人が残してくれた「平和憲法」のもとでの世界にまれな「平和時代の証」です。 
 思いのほか早く、さまざまな社会的負担が高齢者の暮らしに迫ってくることが想定されます。現状のままでいれば「強い社会保障」政策の後退や大増税を覚悟せねばなりません。高齢者が力をあわせて、まず高齢者自身が暮らしやすく、そして青少年・中年・高年者がそれぞれの場で心おきなく過ごせる「本格的な高齢社会」(三世代多重型社会)の形成にむかって活動を進めることが必要であり、それは国際的な責務でもあります。 
 ここで課題はいっそう重くなったのですが、「高齢社会」の形成と「大震災」からの再生・復興とを結んだ場所から、小さくとも具体的な活動を進めることといたしました。わたしはジャーナリストとしての立場から「警世(警醒)の言」を発する役割をつづけなければと考えています。そのために活動する「丈人の会」の趣旨をご理解のうえ、参画・支援・応援をお願いいたします。
2011・5・20 
南九十九里」にて 堀内正範 記 
[活動趣旨]
◎「老人」よりも「丈人」(後注1)を意識して暮らすこと。(生活意識の改革)
◎協力して高齢者が暮らしやすい「地域生活圏」や「地域文化圏」を形成すること。そこで必要とする「モノ」の製造を企業に要請し、「場」を自治体に要請する。(地域社会活動への参画)
  自治体に官民協働による「地域生涯(シニア)大学校」を設置する。(広域生活圏の形成)
◎内閣府に「高齢政策担当特命大臣」(専任)の設置を要請する。(国への要請) 

**********                   **********
[参考図書]
この10年の高齢化対策の不在を観察してまとめた「警世の書」
丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」(後注2)が国難を救う
(堀内正範著 2010・7・1 1500円・税別 武田ランダムハウスジャパン)
をぜひご覧ください。
**********                   ********** 

[お願い]
 2011年5月を期して本格的な活動をはじめます。活動趣旨にご賛同のうえ参画・支援・応援していただける個人・団体の会員費は次のとおりです。
 [個人会員] [団体会員]   ○初回のみ  ○毎年  ○なし
○参画会員 上記の趣旨に賛同し、努めて活動に参画。 福沢諭吉幣1
○支援会員 上記の趣旨に賛同し、活動を支援。     樋口一葉幣1
○応援会員 上記の趣旨に賛同し、活動を応援。     野口英世幣2
会員のみなさまには「活動報告」をお届けいたします。
事務局 堀内正範 ほりうちまさのり
299-4301 千葉県長生郡一宮町一宮9340-8
Tel&Fax 0475-42-5673
keitai  090-4136-7811
e-mail mhori888@ybb.ne.jp
hp「日本丈人の会 日本丈風の会」http:// jojin.jp/ 
blog「茶王樹・南九十九里から」 https://jojin.jp
 <後注>
1 「丈人」「丈人力」とは・・ 
わが国の「高齢社会」を体現している高齢健丈者のみなさんを励ますことばとして、「老人」に対比して「丈人」と呼ぶことに納得がえられるように思えます。古典(『論語「微子」』)には「四体勤め、五穀分かつ」(身体を使って労働をし、五穀を収穫する)ことをよしとする老者として現れます。ここでは古語の意味合いを援用して、それぞれの活動によって、これまで積み上げてきた知識や技術やさまざまな能力をどこまでも発展・熟達・深化させようとして働く力、ふつふつと涌いて出る強い生活力あるいは生命力を、「丈人力」(jojin-ryoku)と呼んでいます。 
「日本丈人の会」「日本丈風の会」とは・・
「日本丈人の会」 高齢者が暮らしやすい社会をつくるための日常的なふたつの目標は、ひとつは個人としてもつ「高年者意識」(丈人意識)の成熟、もうひとつは暮らしの場での「社会の高年化」の達成です。つまり高年期にある人びとが「高年者意識」を共有しながら、「社会の高年化」をめざして「モノと場としくみ」を創出することにあります。ふたつの目標にむかってどこまで参画するかは個々人の随意ですが、その活動に身を投じることは、かけがえのない高年期の人生に果断な選択をすることになり、日また一日の成果の差は歴然としたものになるでしょう。
「日本丈風の会」わが国が幸運といえるのは、大戦後の民主主義の根つきを証明してみせた「六○年安保闘争」(いま70歳代に)や「七○年大学紛争」(いま60歳代に)といった噴出期をふくむ草の根の市民・大衆運動を体験し、その後の人生経験をふまえて柔軟な思考と行動を自得した多くのアクティブ・シニアを有していることです。「日本丈風の会」は、「社会の高年化」を意識して活動している人が中心の団体や高齢者向け用品をつくっている企業など、うるおいのある生活圏や文化圏を形成し、将来の国際基準のひとつになる「日本型高齢社会」を達成する活動に参画している団体が参加する会として想定しています。  
「地域生涯(シニア)大学校推進会議」とは・・
 市町村合併の大義のひとつは「地域を愛する人材」の養成にありました。「明治の大合併」のときにはわが村の「村立尋常小学校」が設立され、「昭和の大合併」のときにはわが町の「町立新制中学校」が合併のシンボルとして設立されました。しかし今回の「平成の大合併」にあたって、国も新市も何の構想も示しませんでした。
 地域の風土や産業、伝統・歴史、高齢期にかんする知識を学ぶとともに、長い高年期をともに過ごす仲間を得る機会を提供する公立の「地域生涯大学校」が要請されています。人材や活動の情報をプールするとともに、なにより地域で暮らす高年者が「まちづくり」の新たな目標を得る機会となるからです。地域特性を加味した独自の内容で構成したカリキュラムをもつ「地域生涯大学校」で、60歳をすぎた高年者が2~3年ほど修学することで、「まちづくり」でも多くの人材を生むことになります。設立の遅延は将来の自治体の発展に差を生むでしょう。「地域生涯大学校推進会議」では全国の実例を集めて整理し発信いたします。優れた実例やご意見をお寄せください。
2 「平和団塊」とは・・
先の大戦後に生まれた昭和22年~24年の約700万人の人びとを、「団塊世代」(堺屋太一さんの同名書から)と呼び、教育や就職や商品開発・販売などの場での社会的影響が語られてきました。ここでは先の戦争の惨禍のあと、ご両親によって平和裏に生きることを託されて育てられた戦後生まれのみなさんを「平和団塊」(昭和21年~25年生まれ。約1000万人)の人びとと呼ぶことで、平和期がつづいたわが国の「高齢社会」の体現者としての位置づけをしています。それは先人が願いとした「日本国憲法」の平和主義とともにふたつながら平和の証であり、百年の計として21世紀の日本を輝かせる歴史的モニュメントであるからです。前人未到の「日本型高齢社会」の形成は、そのプロセスを含めて国際的にも注目され達成が期待されています。 
堀内正範 ほりうちまさのり
昭和13(1938)年11月1日、東京都渋谷区生まれ。終戦の年に小学1年生。都立両国高校、早稲田大学文学部卒業。朝日新聞社社友。元『知恵蔵』編集長。55歳で早期退社して中国中原の古都洛陽へ。洛陽外国語学院外籍教授を経て同学院日本学研究中心研究員。国際龍門石窟研究保護学会本部顧問。日本山東省文化交流委員会委員。「S65+」カンファレンス・スーパーバイザー。著書:『洛陽発「中原歴史文物」案内』(新評論)、『中国名言紀行・中原の大地と人語』(文春新書)、『人生を豊かにする四字熟語』(ランダムハウス講談社)、『丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」が国難を救う』(武田ランダムハウスジャパン)など。日中友好協会紙『日本と中国』に「平和の絆・友好都市ものがたり」「四字成語ものがたり」を連載。千葉県一宮町在住。地元南十九里浜の自然を守る住民活動にも参加。
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丈人論 -大災害を超えて「強い高齢社会」をつくろう-1」

 ―大震災を越えて「強い高齢社会」をつくろう-1 

   ◎「第三の国難」に立ち向かう

 突如、大津波に襲われた村や町。一瞬のうちに濁流にのみ込まれた家々、家族。2011年3月11日、M9という史上まれな規模の地震と津波による「東日本大震災」に遭遇して、モノ・家・暮らしの場、そして親しい多くの人命を失った東北地方太平洋岸の人びと。全国民はわがこととして、復興と新たな創造への支援に力を尽くすことになりました。

 日本は明治維新、大戦後に匹敵する第三の難局(国難)に直面しているのだと実感した多くの人びと。再建は国際的注視の下で始まっています。リアルな映像とともに日本支援の輪は世界に広がっています。tsunami はご存じにように国際用語になっていますが、自然の威力と悲惨な情景はその知名度を大いに高めたことでしょう。先の大戦のあと、65年をかけて東アジアに形成された「平和国家と国民」への敬意と熱い支援が、アメリカの「ともだち作戦」をはじめ、100カ国を超える国々の人びとからとどいています。
 「第3の国難」を乗り切るためには、さまざまな力が要ります。全国民がそれぞれに保持している知力、技術力、資力を投じる覚悟が求められています。そんな潜在力はどこにあるのでしょう。それは活動の体現者となる全国民の気力にあるのですが、とくに国際的基準で「高齢者」と呼ばれる65歳以上の約3000万人の人びとの中にあるといえます。わたしは72歳ですから、われわれにあるといってもいい。
 思えば「65歳+」のわれわれ高齢者は、先の大戦の戦禍のあと、半世紀余り、わが国の社会のさまざまな持ち場でそれぞれの成果を刻んできました。貧しかったけれども平和裏に育てられ熱心に学んだ青少年時代、みんなが等しく豊かになることを願って辛苦して働いた中年時代、みんなが安心して暮らせることを希いながら自己実現を求めて過ごす高年時代・・そしてこれまでに培ってきた知識や経験や技術や資産の多くはしっかりと保持されています。それぞれが持っている潜在力をいかんなく発揮して、地域や職域での新たな「しくみづくり」「居場所づくり」「モノづくり」といった復興とあらたな創造の活動に参画することが求められています。
 この難局の中で「S65+」のわれわれがなすべきことは、欧米型の先例に頼ることなく、われわれ独自のプロセスによって史上まれな「日本型高齢社会」を形成することにあります。次回からその構想を提案したいと思います。
hp「S65+」ジャーナル 2011・4・5 掲載
堀内正範(カンファレンス・スーパーバイザー)
 

     

シニア用語事典「丈人と老人」

「丈人」と「老人」
率直な実感として、「老人」と呼ばれて収まりがいい人ならそのままでいいが、みずからを高年者と認めながらも、いま通用している意味合いで「老人」と呼ばれたくない、あるいは呼ばれるにはまだ間があると感じる場面では、「偉丈夫」や「大丈夫」がもつ高年健丈者として「丈人」と呼んでみる。それで納得できた人が「丈人」である。日ごろ実感している「老人」とは方向の異なるありようが「丈人」であり、「高年意識の多重標準」であることの理解に意味がある。「丈人」を意識することで、「余生一途」の人生とは異なった「強い高年期人生」がはじまる。

日本丈人の会 (当面の活動)

史上まれな長寿社会に生きてきて、高齢者(60歳以上で約3900万人)になっているわたしたちは、このたびの「3・11東日本大震災」に遭遇して、生涯に二度の「天災・人禍」という災禍からの復興に携わるというまれな役割を担おうとしています。
「東日本大震災」からの再生と復興に当たる被災地のみなさんを物心において支援するとともに、みんなが等しく長寿を喜び、安心して暮らせる「日本高齢社会」を達成すること。それは先人が残してくれた「平和憲法」とともに世界に誇れる「平和の証」として後人に伝えるべきものだからです。 
 思いのほか早く、さまざまな社会的負担が高齢者の暮らしに迫ってくることが想定されます。現状のままでいけば「強い社会保障」政策の後退や大増税を覚悟せねばなりません。高齢者が力をあわせて、まず高齢者自身が暮らしやすく、そして青少年・中年・高年者がそれぞれの場で心おきなく過ごせる「本格的な高齢社会」(三世代多重型社会)の形成にむかって「モノ・場・しくみ」の創出活動を進めること。それが大増税を避ける道でもあります。 
2011・5・20~11・01~  南九十九里にて 堀内正範 記 
[活動内容]
◎老人よりも丈人の人生を意識して過ごすこと。
◎長年培ってきた知識、技術、資産を高齢者が利用しやすいモノづくりに活かすこと。
◎力を合わせて高齢者が暮らしやすい「地域生活圏」「地域文化圏」を形づくること。
◎官民協働による「地域(生涯・シニア)大学校」を設けること。
◎内閣府に「高齢政策担当特命大臣」(専任)を要請すること。
**********                 **********
丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」が国難を救う
(堀内正範著 2010・7・1 1500円・税別 武田ランダムハウスジャパン)
[お願い]
・高齢者を励ます「丈人」「丈人力」ということばをおおいに流行らせてください。
・各地で「本格的な高齢社会」(三世代多層型社会)の議論を起こしてください。
・警世の書『丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」が国難を救う』をみなさんにご紹介ください。
「日本丈人の会」「日本丈風の会」事務局
〒299-4301
千葉県長生郡一宮町一宮9340-8
堀内正範
tel&fax 0475-42-5673

ブログ:茶王樹 南九十九里から

 
 

「日本丈風の会」とは

日本丈風の会

「日本丈風の会」とは・・

ふえつづける高齢者の連携で史上初の「日本長寿社会(三世代現役社会)」を達成する
[丈風の会]の活動趣意と指針「老中八策」
活動趣意
☆「人生90(65+25)年」という長寿は、祖父母・父母たちが前世紀に努めて得た成果であり、今世紀を生きる子・孫たちにとっては実現すべき課題です。ふたつの世紀をつなぐわたしたちは、「すべての世代のための社会」(国連の指針)を形成しながら高齢期を過ごすことになります。
☆4人にひとりに達した高齢者(65歳以上)のだれもが保持している成熟+円熟した生活感性を萎縮(デフレーション)させることなく、みんなが安心して過ごせる共生・共助の「地域生活圏」をこしらえること。
☆これまでに培ってきた「健康・知識・技術」(体・志・行)そして資産や人脈を活かして、これまでになかった「モノ・サービス・居場所」やしくみを創り出すこと。わたしの場合は経験を活かしてweb「月刊丈風」という情報拠点を定めて、烽火をあげました。
☆「丈風の会」は大丈夫(丈人)の風格・気慨をもって生きる人びとみんなの居場所です。
 
これまでは「人生65年」=2世代 (青少年+中年)α (高年余生)
「引退余生」社会で過ごす

これからは「人生90年」=3世代 (青少年+中年+高年現役) 多重型
「現役長生」社会で過ごす

 
老中八策」 「尊厳」ある高齢期を送る指針はここから 一つずつ一つでも
◎六五歳から九〇歳までのニ五年を他力依存でなく過ごすため「自立意識」を確立

◎「引退余生」でなく「現役長生」で社会参加を続けながら「高齢期人生」を実現
◎培ってきた知能技能を活かして高齢期の暮らしを豊かにする「優れモノ」を制作
◎体(≧病気) 志(≧認知症) 行(≧介護)の 三つのバランスで「包括ケア」を体現
◎「三世代 (青少年~三〇歳 中年~六〇歳 高年~九〇歳+)」現役型社会を創出
◎日また一日欠かさずに出て「地域生活圏」(「助け合い」の拠点)の形成に参加
◎高齢者がつどう「居場所」でそれぞれの自己目標をみんなで論じて達成策を協議
◎水玉模様のような小さな会に加わり各地各界の仲間同士と成果を分け合って連携
注:
「自立・参加・ケア・自己実現・尊厳」(高齢者五原則)は国連が提唱する国際的指針です。
日本丈風の会 2010・9~2015・9~

課題と活動

会員・会友が参加する課題と活動
a「三世代平等長寿社会を達成するみんなの会」(総会)

以下はそれぞれ課題としての具体的な活動です。 いくつでも参加してください。
b「三世代同等同居住宅をふやす会」(三代で暮らせる三同同住宅)
c1「高齢者向けモノとサービスをつくる会」 (専用品による経済伸長)
c2「高齢者の居場所・通い場所をつなぐ会」 (生活圏の高齢者拠点)
d「体験した戦禍を家族史として残す女性の会」(戦禍体験の世代継承)
e「内閣府に高齢政策担当特命大臣を求める会」(専任大臣を常置)
f「全国の高齢議員をはげます会」(70歳以上。会友の代表として)
g「平和憲法100年記念国際祝典2047推進会議」(国際平和)
h「第三回高齢化世界会議(2022)招致の準備会議」(アジア初)
i「NHK第三放送 高年文化局を開局する会」(円熟した内容の放送)
j「中学校区に 公立生涯大学校 の設置をすすめる会」(高齢期学習)
k「長寿時代にかんする講演セミナー講師の会」(名誉教授等の活用)
l「エイジングを語る市民と報道人の会」(各分野の市民連帯の会)
m  そのほか本会が参加可能な活動・事業

[日本丈風の会] https://jojin.jp
堀内正範
「高齢化」問題ジャーナリスト 朝日新聞社社友(元『知恵蔵』編集長)
高連協オピニオン会員
web「月刊丈風」編集人 
web「月刊丈風」https://jojin.jp/
e-mail  mhori888@ybb.ne.jp joufuu21@gmail.com
Tel & Fax 0475-42-5673
keitai   090-4136-7811
〒299-4301 千葉県長生郡一宮町一宮9340-8

*******お仲間に転送をお願いします

「さまざまな高齢活動の事例」

それぞれは泉の眼(泉眼)のように小さくとも、高齢期を「人生の第3ステージ」の現役として暮らすみなさんの活動によって、全国の大地が揺れ動いています。それはまた水玉模様のように重なりあいながら、「地域シニア生活圏」や「地域シニア文化圏」を形成しながら地域社会の姿を変えつつあります。「日本型高齢社会」の達成にむかうプロセスをお互いに確かめるために、ご活躍のようすをお知らせください。(実例紹介)

「三世代会議」と「三世代会館」

地域の高年者が「高年期のステージ」を形成する活動をすすめるために必要なのが独自の「シニア会館」であるが、青少年、中年、高年の三世代の活動拠点となるのが「三世代会館」である。これまで公共施設として機能してきた「公民館」は、だれもが利用可能な共用施設であるが、それと重ねて「三世代」それぞれの独自の活動の場となり、さらに「三世代会議」をおこなえるのが、「三世代会館」である。地域の三世代代表による「三世代会議」を構成して、それぞれの要望を具体化していく拠点となる。(実例紹介)

「地域シニア会議」

高年世代を代表して構成する「地域シニア会議」のメンバーの顔ぶれを見てみよう。まずは物産・特産にかかわる人。物流や人の交流にかかわる商業や観光業の人。宗派や専門科は別にして生死にかかわる宗教者や医者。専門は問わないが地域を越えた見方や考え方ができる学識者。孫育て期にある女性代表。発想が柔軟な議員や行政経験者が加わる。域外で活躍している「ふるさと人」。在住外国人もひとり。伝統技能保持者や由緒ある寺院のご僧侶などが適宜に参加する。一般的には9~11人といったところ、「わがまちのベスト・ナイン」か「シニア・イレブン」である。(実例紹介)