「丈人」と「老人」
率直な実感として、「老人」と呼ばれて収まりがいい人ならそのままでいいが、みずからを高年者と認めながらも、いま通用している意味合いで「老人」と呼ばれたくない、あるいは呼ばれるにはまだ間があると感じる場面では、「偉丈夫」や「大丈夫」がもつ高年健丈者として「丈人」と呼んでみる。それで納得できた人が「丈人」である。日ごろ実感している「老人」とは方向の異なるありようが「丈人」であり、「高年意識の多重標準」であることの理解に意味がある。「丈人」を意識することで、「余生一途」の人生とは異なった「強い高年期人生」がはじまる。