*
**
「百齢」は
百歳のこと。
大正元年(一九
一二)生まれの人が
ちょうど百歳である。
わが国では百歳以上の人が
五万人を超えてなお増えつづけており、
いかに史上稀な長寿国であるかが知られる。
「人生七十古来希なり」といわれ、七〇歳が
長寿の証とされてきた。とすれば百歳ははるか遠い願望だったろう。
「眉寿」は長寿のこと。老齢になると白い長毛の眉(眉雪)が生えて特徴となる。
同じ唐の書家虞世南は「願うこと百齢眉寿」(琵琶賦)と記して百歳を願ったが、
八〇歳を天寿として去った。「七十古希」の杜甫は五九歳だったから、
長寿への願望は遠くに置いたほうがいい。
*****
*****
*****
++++++++++++++++++++
「百齢眉寿」
20120209
情報-若年有意
昨夜(6日)、橋下大阪市長(維新の会)が古舘氏に若年世代(わたし)に支持を集中するよう訴えていたが、高齢者が大事ではないというわけではないがといいながら、高齢者無視ともとれる発言にア然とする。敬意がなさすぎる。TV・20120106
と同じように、「高齢者のための高齢者の活動」というだけでは若年者を無視したことになり、反発がでるかもしれない。
「三世代同等(平等)」として、①高齢者のために務めながらも、②「自分がその蔭で憩うことがない樹を植える」という次世代への配慮、③さらには物心での直接の支援を子・孫におこなうこと。
次世代の人口の回復につとめ、家計資産(1400兆円という)は個人が抱えこまずに1/3を留保して、1/3(400兆円)をみずからと高齢社会のために、1/3(400兆円)を子・孫のために出費(出資)すること。その経済効果は増税(欧米に学ぶな)をはるかに超えた効果をもたらすだろう。①のための就労は若年者から奪うのではなく、新たに作り出す。高齢者それぞれが保持する知識・技術・健康・資産を活用して、みんなが安心して暮らせる社会づくりに参加しよう。20120117
ひとりのジャーナリストからお一人おひとりの政治リーダーへ
世界で最初・最速で迎えているわが国の「本格的な高齢社会」。これからの姿を構想し、提案として国民に訴えて合意を形成しながら達成することができるのは、政治リーダー(+官僚)、学者、ジャーナリスト、それに一部の経済人を置いてありません。それぞれの立場で構想を提案し、国民の理解をうることをめざして綿密な議論を重ねることになります。
わたしは一介のジャーナリストですが、10年をかけてこの国の高齢化の推移を仔細に観察して、一歩先に得た構想を「新著」に掲げました。ここでは国の将来を政策によって創出できるお立場にある政治リーダーのお一人おひとりに訴えています。
わたしの「警世の叫び」がお耳に届くかどうか。
堀内正範(朝日新聞社社友・元『知恵蔵』編集長)
新著『丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」が国難を救う』
「地域力」の違いが際立つとき
いまわが国の課題は外交とは逆に内政(地域)なのに、国会は「尖閣」問題で紛糾していて、その間も国民の暮らしへの不安は増すばかり。地域での「少子化・高齢化」は、日また一日、目に見えて進んでいるのに「子育て手当」と「社会保障」では、総体的かつ根元からの解決にはなりません。したがって住民の将来への安心へとつながりません。
来たるべき「統一地方選」。
そこに向かって、それぞれの地域が競い合うことで、「地域力」の違いが際立つことは必至の情勢です。
その際立ちの中心になるのは、これまで沈黙してきた3900万人(票)の60歳以上の高齢者。長年かけて蓄積してきた知識と技術とほどほどの資産をもつ60歳代・70歳代のみなさんが、みずからのためにその存在感を明らかにすること(意思表示)によって、わが国のこれまでの時流であった「途上国型若年社会」から国際的潮流である「先進国型高齢社会」への転機を迎えることになります。
その潮流を呼び起こすのは、地域の代表であるお一人おひとりの政治リーダーの活動であり、それを伝えるのがジャーナリズムの役割と信じます。
社会的に軽視されてきた60歳以上の高齢者層
声高に世代交代がいわれる一方で、60歳以上の高齢者層の存在が社会的に軽視されてきました。30歳代・40歳代を主としたコミュニティによってこの国が支えられるのでしょうか(コミュニティ=パイが小さくなるばかり)。とくに「地域再生」となれば、長年かけて培ってきたさまざまな能力をもつ60歳代・70歳代のみなさんの参画なくしてありえないことはだれもが感づいているところです。問題はだれがどうするかです。
すでに1971年にわが国は「高齢化社会」(65歳以上の人口比率が7%以上という国際基準)に達していました。その後も比率を増やしつづけて40年、いまや23%を超える「超高齢社会」(本格的な高齢社会)になっています。そのうちの2割ほどが医療・介護など「社会保障」の対象になる高齢弱者ですが、7割以上のみなさんは何らかの形で社会参加をしたいと望んでいる健丈な高齢者です。知識も技術も高く、ほどほどの資産をもつ60歳代・70歳代のみなさんの参画を得ないままで、どうやって地域の活力を発揮できるのでしょうか。特性を活かして地域を活性化させずに「国難」を乗り切ることもまた困難です。
「地域再生」のために「強い高齢社会」を形成
「地域主権」を強める方向での速やかな財政投入(移譲)は、財政の即効性を期待するキーワードとなっていますが、地域住民の強い関心と参画意欲なしには実効を持たないことは明らかです。菅内閣は「強い社会保障」での「雇用創出」と安心感の醸成を掲げていますが、地域再生をめざした多くの健丈な高齢者の参画による「強い地域高齢社会」の形成までは視野になく、当事者である地元に任されています。
それを知る政治リーダーであるお一人おひとりが、来たる「統一地方選」に向けて先頭に立って活動し、この国の「地域力」をよみがえらせる(国難を救う)ための強力な布石となり種火となることを願ってやみません。
各地域代表の政治リーダ-が、「地方再生」のために健丈な高齢者層の社会参画を呼び掛けることによって、財政規模をはるかに超えた効果を生ずるものと想定されます。政治リーダーがみずから旗手となって「地域高齢社会」の創出を呼び掛け、全国3900万人(票)の高齢者層が呼応して内在する「地域力」を燃え立たせることによって、特性のある地域を現出することになります。具体的に何をどう訴えるかについては拙著のなかに仔細に提案していますが、地域特性に応じた「地域構想」を作成して訴えることで、具体的に地域特性を活かした「地域力」を醸成することができます。時代を動かす起爆力をもつ「強い地域高齢社会」への方向が示されるとき、住民ははじめて将来への安心を得るものと確信いたします。
お一人おひとりの政治リーダーの方に、ひとりのジャーナリストとして衷心よりふたたび訴えます。みんなが安心して高年期を迎え、敬愛されて暮らせるようなこの国にふさわしい地域の姿、ほんとうの「日本型高齢社会」を、ともに力を尽くしてつくりましょう。
堀内正範(朝日新聞社社友。元「知恵蔵」編集長)
新著『丈人のススメ 日本型高齢社会「平和団塊」が国難を救う』
堀内正範 ほりうち・まさのり略歴:1938年11月1日、東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、朝日新聞社に入社。『知恵蔵』編集長などを努める。1994年に早期退社して中国洛陽市へ。洛陽外国語学院外籍教授を経て同学院日本学研究中心研究員。国際龍門石窟研究保護学会本部顧問。
〒299-4301 千葉県長生郡一宮町一宮9340-8
TEL & FAX 0475-42-5673
E-MAIL mhori888@ybb.ne.jp
公式ホームページ https://jojin.jp
著書:『洛陽発「中原歴史文物」案内』(新評論)、『中国名言紀行・中原の大地と人語』(文春新書)、『人生を豊かにする四字熟語』(武田ランダムハウスジャパン)
新著『丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」が国難を救う』(武田ランダムハウスジャパン 2010・7・1刊 1500円・税別)
<注>
「丈人」とは・・
古典には「四体勤め、五穀分かつ」(身体を使って労働をし、五穀を収穫する)ことをよしとする健丈な老者として現れる(『論語「微子」』)。ここでは古語の意味合いを援用して、いまそれぞれの活動によって、わが国の「高齢社会」を引き受けつつあるみなさんを励ますことばとして、「老人」に対比して「丈人」と呼ぶことに納得がえられるように思える。これまで積み上げてきた知識や技術やさまざまな能力をどこまでも発展・熟達・深化させようとして働く力、ふつふつと涌いて出る強い生活力あるいは生命力を、本稿では「丈人力」(joujin-ryoku)と呼んでいる。(本書オビより)
「平和団塊」とは・・
先の大戦後に生まれた昭和22年~24年の約700万人の人びとを、「団塊世代」(堺屋太一さんの同名書から)と呼び、教育や就職や商品開発・販売などの場での社会的影響が語られてきました。
ここではあの戦争の惨禍のあと、ご両親によって平和裏に生きることを託されて育てられた戦後生まれのみなさんを「平和団塊」(昭和21年~25年生まれ。約1000万人)の人びとと呼ぶことで、平和期がつづいたわが国の「高齢社会」の体現者として歴史的位置づけをしています。それは先人が願いとした「憲法」の平和主義とともにふたつながら平和の証であり、百年の計として今世紀の日本を輝かせる歴史的モニュメントであるからです。前人未到の「日本型高齢社会」の形成は、そのプロセスを含めて国際的にも注目され達成が期待されており、その中核を担う人びとです。
止
報道・放送機関へのお願い
報道・放送機関へのお願い
来たる10月1日に「国際高齢者の日」(1999年から11回目)を迎えます。高齢化が世界最速ですすむわが国の「日本高齢社会」の形成は国際的に注目されています。
その活動はいま全国各地に水玉模様のように広がっています。地域特有の「モノづくり」「居場所」「しくみ」についての高齢者主導の活動が各地にあるはずです(気づかないとすれば現役現場報道記者として目配り不足)。そういった国際的にも誇れる事業としての「日本高齢社会」形成への住民参画のようすを、「敬老の日」(ことしは9月20日)とはひと味違った報道番組にしたてて放送してください。毎年この期の年中事業として育ててください。
2010・9・23 記
依頼人代表 堀内正範
日本丈人の会・全国水玉模様の会事務局
Tel & Fax 0475-42-5673
https://jojin.jp
[満百歳の高齢者]の所在確認
「百寿期」(満百歳以上。1910=明治43年)の高齢者の方がそばにおいでですか。わたしの両親はすでになく、家内の母が95歳で元気でいます。満百歳以上は全国で2万3269人(厚労省・9月1日現在)といいます。厚労省はどうやって確認するのかというと、自治体を通じて本人面会(35%)や入院・入所先施設(29%)が主で、あとは近隣住民や医療・介護保険の利用状況などからのようです。一年で亡くなる方も多いのでしょうが、前年より1666人増加して過去最高となっています。
「最高齢者」は女性が佐賀県基山町の長谷川チヨさん(113歳)、男性が京都府京丹後市の木村次郎右衛門さん(113歳)です。
80歳以上では826万人、65歳からでは2944万人(総務省推計人口)ですから、百歳にいたることは、なかなか険しい道程のようです。それだけ80歳からの人生は貴重なものということになるのでしょう。80歳からは自己目標をゆったりと生きる先達として、後人みんなで敬意をもって支援する世の中でありたいものです。「高齢社会」ではそこに至る60~80歳(60歳代、70歳代)のコミュニティーが想定されます。地域環境や職域環境のなかで、お互いに身体に配慮し、心を豊かにし、自在にふるまえる高年期の人生を過ごせる場所やしくみを、いまその年代にあるみなさんが作っていくことになります。全国のそういう試みを「全国水玉模様の会情報」欄におよせください。先駆的な活動が「燎原の火」のように全国に広がることを願っています。
(茶王樹主人・堀内)
各党の政策担当リーダー各位へ
新装なった国会議員会館をたずねて、各党の政策担当リーダー各位へ、以下の申し入れをいたしました。
各党の政策担当リーダー各位へ
ご活躍を拝見しております。
現政府がめざす“強い社会保障”は大切な課題ですが、直接的には2割ほどの高齢(弱)者が対象です。7~8割の健丈な高齢者層(50歳~5500万人、60歳~3800万人のうち)が参画して達成する「日本型高齢社会」構想を提案して衆議して国民に示してください。
いまや「平和団塊」(昭和21~25年生まれ、1000万人)のみなさんが60歳代になりました。いま”立ち上がる”のを期待するのは、若年者ではなく社会参画に意欲をもつ健丈な高年者層です。消費税5%増よりもはるかに大きな経済・財政上のプラスを、しかも継続的に創出できるはずです。全国の高齢者のみなさんが注目し安心できるような提案を早急にしてください。
各党の政策担当のリーダーの方々に呼びかけます。
2010・8・-
ジャーナリスト 堀内正範
[健丈な高齢者]は視野になし
鳩山新首相の10月26日の「所信表明演説」は、「友愛政治」による「無血平成維新」によって官僚主導から政治主導に転換し、いのちを守り、国民生活を第一として、「弱い立場の人びと、少数の人びとの視点が尊重されなければならないというのが原点である」 というものでした。
「子どもやお年寄りなどの弱い立場の方々を社会全体で支えあう・・」
障がいを持った方たちも、あるいは高齢者も、難病の患者さんも、人間は、人に評価され、感謝され、必要にされてこそ幸せ・・という「弱者としての個人」の存在が強調されています。
善意といえば善意ですが、「健丈な高齢者」は視野になく、健丈な高齢者の参画による 「高齢社会」 への言及はありませんでした。
菅直人副首相の「戦略室」も、財政は子育て、環境、雇用を中心に執行するというものですから、高齢者はこれまでどおり医療や介護といった「社会の被扶養者」にならないかぎり存在を認められないことになってしまいます。
5000万人の健丈な高年者は、民主党の公約であるはずの
「高齢者の方々を年齢で差別する後期高齢者医療制度については廃止・・」
を即座に実施するよう、志をひとつにして迫らなければなりません。5000万人による「衆志成城」です。
「無血平成維新」のキイは、「日本高年者」が持っているのですから。(茶王樹主人)
政不在・官主導で生じた現実
民主党は鳩山首相さえも
「高齢化はさておき少子化だけは」という言い方をして、
「少子・高齢化」一体での解決を軽視している。
マニフェストをみても「高齢者」は社会保障レベルで語られており、
「日本高齢社会」のグランドデザインを構想し提案するといった
将来あるべき姿への契機すらみえない。
残念ながら有力政党に期待をかけることはできない。
新世紀の潮流である「高齢化」にそなえるよう国連が訴えた
1999年の「国際高齢者年」から10年、仔細に観察・考察してきた
「日本社会の高年化」にかんする課題は30余にもなるが、
ここで、その中から官僚主導で生じた現実とのズレが際立つ課題を、
「政権交代」時の戦略として緊急に取り組むよう提案としたい。
ちなみにこの一〇月一日は、10周年目の 「国際高齢者の日」 である。
●少子化特任大臣を置いてなぜ高齢化特任大臣が置けないのか。
(内閣府。「少子・高齢化対策」は少子化重視)
●次世代育成に祖父母の「孫育て」は不要なのか。
(厚労省。「次世代育成支援」で無視される祖父母)
●合併は「地方分権+生活圏拡大+少子・高齢化」が課題だったが。
(総務省。「高齢化対策」は健丈な高年者の自立・自尊の意識による参画がない)
●地域開発の人材育成は高年者を対象とすべき。
(文科省。「公立高年大学校」のすすめ)
●あまりに乏しい「国際高齢者年十周年」の成果の海外発信。
(外務省。国連が期待した「先進国型高齢社会(日本モデル)」は未形成)
●わが家三代の暮らしが引き継げる住宅を。
(国交省。「三世代同等同居」住宅が未来型)
「政権交代」の衆院選をおえて
先の衆院選(2009・8・30)では
官僚主導から政治(国民)主導による
「政権交代」
を訴えた民主党が大勝利した。
それにより際立つことになったのは、30~40歳代の
新人議員の動きであり、政治家の若手しろうと化でもある。
しかし成立した鳩山内閣は平均年齢が60歳を越えていて
麻生内閣より高年であるとともに安定した布陣が評価され、
それをとやかくいう若がえり推進派はいないようだ。
歴史的な大敗北をした自民党でも新総裁選出にあたって
若手筋から派閥領袖の主導を排する「世代交代」が声高に叫ばれ
「政界の若年化」がいっそうすすむ気配が濃厚になっている。
しかし高年層の支持を受けた谷垣さんが選ばれることに落ち着くだろう。
繰り返すが、重要なのは年齢ではない。
長い経験と思索によって練り上げた独自の将来像をもち
それをみんなが共有する姿にできるような独自の表現力のある人物を
地域や分野の代表として政界に送り込むべきなのだ。
「たなぼた」といわれるような拙速な手法で候補者を出す政党に
この国の将来が左右されるのはいいとはいえない。
次の国政選挙である来年の参議院選を選挙民として注目しよう。
とくに自民党陣営は優れた人物が落選議員や二世のなかにもいるだろうが、
新たに広く求めて選挙民が地域の代表としてふさわしい人材の
発掘に力をつくして来年の参議院選挙に臨むべきであろう。
すでに候補ありきという姿勢では勝てないし、
なにより時代を動かす力にはなりえないからだ。
そんな野党なら不要であり、再興はむずかしい。
後期高齢者の医療費
なお高齢化が進むから当然、
後期高齢者(75歳~)の医療費は増大する。
その費用をだれが負担するのか。
「高年化社会」で国民全体の理解が得られるしくみは、
最後まで国が負担するというものだろう。
安心して長寿をまっとうできること。
けっしてその逆であってはならない。
75歳を過ぎて複数の病気にかかったり、
治療が長期にわたってしまうようなら、
早期の死を覚悟せよというのが、
新たに創設された国の医療制度の方向である。
75歳以上を対象とした
独立の 「後期高齢者医療制度」がそれ。
平成20年4月から実施されることになった。
どう言いつくろってみても、
国庫負担(5割)と現役世代支援(4割)の負担をいい
長寿を求めるなら、住んでいる家を担保にし、
個人資産を売り払ってせよというものなのである。
それがあるならいいが、
国のために尽くし、身銭を切って社会貢献をしてきた
75歳以上の善良な高年者には、
いささかつらすぎる方向なのである。