和而不同
わじふどう
衆議院選挙に一〇余党が乱立し、それぞれに公約を掲げて、この国の将来を決定する政権獲得をめざすこととなった。
「和して同ぜず」は、君子(政治リーダー)の要諦とされてきた。「和」するけれども「不同」であるというのはどういうことか。
自分の主体的な立場や意見を保ちながら、相手の主体的な意見や立場を認めて「和」の姿を示すことにある。主要課題である脱原発、TPP、社会保障・財政、憲法、外交・防衛などでどういう「和」の姿をつくれるか。「附和雷同」では政権はつくれない。
前記のどの課題によって「和」の姿をつくるかでこの国の将来が決まる。重要でも国論を分断する脱原発やTPPではなく、国論を一つにし、国民の活力を呼び起こす課題は何なのか。国民みんなで形成し国際的にも先行する「長寿社会」(社会保障・財政)が「和」の基盤となるにふさわしいのだが。自分たちと後人のためにそれを掲げて訴える党と人物が見当たらない。
『論語「子路」』から