樹大招風
じゅだいしょうふう
樹が大きくなれば風を招くというのは、実見する風景である。能力が目立ったり、事業が順調に成長したりすると、目標にされたり嫉妬されたりして風あたりも強くなる。そういう時節には気を引き締めなければならない。
途上大国の中国は「樹大招風」期にあるというのが、中国外交の認識であり、国際世論が「中国脅威論」という風にならないよう警戒と配慮がなされている。
一方で軍事的には「中国脅威論」は自衛戦力として容認される。艦船発射型対空ミサイル(海紅旗9A)や大陸間弾道ミサイル(東風41)の展開や「北斗」衛星の稼働などは「樹大招風」の実態として、アメリカの世界戦略に対抗するからだ。それで人民の安寧が確保されるのかどうか。
そのはざまで「日米安保」でアメリカの軍事戦略に加担する安倍外交で、わが国民の安心は担保されるのか。樹下に憩える国づくりは容易ではない。が、大地に根づいた人同士の交流と信頼には揺るぎがない。
『西遊記「三三回」』など