緊急提案(請願)
増税法案採決とともに増収「長寿社会」構想を!
2012年8月10日
「消費税増税」法案が採択されました
わが国議会は、衆議院が平成24(2012)年6月26日に、参議院が8月10日に、「社会保障」の安定財源のためとして「消費税増税」法案の採決をおこないました。壇上で増税賛成の白票を投じたとき、国会議員のみなさんは、史上初・国際的に新たな「日本長寿社会(ここは三世代多重型社会)」のどんな姿を思い画いていたのでしょうか。既成3政党の合意にもかかわらず国民に安心感を与えないのは、実態解決への論議に乏しく、財政上のつじつま合わせを優先していたからにほかなりません。次の総選挙には政策の柱として明らかにすること。そのためには、2009年に高齢女性票(オカンパワー)が動向を左右したように、今度は高齢男性層の力(オトンパワー)が、この国の将来を左右する「長寿社会」にむけて発揮されるときを迎えます。
対策不在は「新世紀10年の失政」
「社会保障」についての身近な実感としては、先の大戦のあと辛苦して復興と発展に尽くした人びとの晩年の暮らしに手厚く報いる「社会保障」(「支えられる高齢者」への医療・介護・福祉)では成果を感じることができます。が、年ごとに増えていまや3000万人に達した高齢者(65歳以上)を体現者とする「日本長寿社会(ここは高齢社会)」への実感はありません。国にその構想がなく高齢者にその意識がない(あっても活かせない)のですから進展のしようがありません。
現役世代とともに、増えつづけるアクティブ・シニア(「支える高齢者」)層が加わった「三世代多重型社会」の充実による持続的な経済成長に対して無策であったこと、それを為政者は「新世紀10年の失政」として深く遠く省みたうえで国民に参画を呼びかけること。増税とともに「内需による増収」への展望を合わせ論じてはじめて国民は納得がいくことになります。
「長寿社会(高齢社会)」の体現者として
一方、国政の無策をいう高齢者は、新世紀の10年、「日本高齢社会」の体現者としてどういう過ごし方をしてきたでしょうか。1999年の「国際高齢者年」を機に、国連が21世紀の潮流として訴えた「高齢化社会」への対応、高齢者五原則「自立、参加、ケア、自己実現、尊厳」を、身をもって体現して暮らしてきたでしょうか。「長寿」として得た時間と居場所つまり「人生65年時代」から「人生90年時代」への25年間を、これまでつちかった知識・技術・資産を活用しながら地域・職域に新たな「モノと場としくみ」をこしらえて、「みんな(all ages)のための社会」(1999年の「国際高齢者年」に掲げた目標)をめざして活動しているでしょうか。高齢者の側の「自立、参加・・」のありようを顧みるときでもあります。
このまま推移すれば、「天災人禍の国難」に遭遇して苦闘を強いられている現役若手層から批判を浴び、高齢者への敬意が薄れ、“尊厳”を保って晩年を過ごすことができなくなります。
みんなが安心して暮らせる「日本長寿社会」構想を!
国会議員のみなさんは政策として、各地各界のリーダーの方々はそれぞれの立場で、そして一人ひとりの高齢者はみずからの暮らしの中で、「来日方長」(来たる日まさに長し)といえるような「長寿社会」構想を掲げて、日また一日、新しい時代の達成に向き合おうではありませんか。
*****提案者 堀内正範
朝日新聞社社友 高連協オピニオン会員 web「月刊丈風」https://jojin.jp/編集人
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