地域生涯学習大学校(案内)

地域生涯学習大学校(案内)
各地(自治体)の地域再生・創生のための高年者人材を養成する施設として全国各地に展開中です。リカレント学習や公民館生涯学習が個人の生きがいづくり中心なのに対して、六〇歳以上の全住民を対象にすることで、地域特性の再生・創生(まちづくり)の高齢人材や生涯にわたる学友づくりに重点があります。

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制作中]
地域生涯学習大学校一覧(案内)  
学校名 運営者 所在地 連絡先 創立 入学資格 経費 講座内容 卒業後のようす(共生のまちづくり参加) 特徴(堀内メモ)

悉皆調査ではありません。開設に参考になるよう特徴のあるものをご紹介しています。内容に変更がありますので、最新情報は運営者におたずねください。

[ 成田市生涯大学院 セミナー資料 ]
「人生100年」時代をどう生きる
新たに「三世代平等社会」をつくりながら
2023年11月24日(金)・28日(火)
講師 堀内正範 ほりうち まさのり
ジャーナリスト・朝日新聞社社友(元『知恵蔵』編集長)・高連協オピニオン会員

◎1 わたしのこと。本のこと。セミナーのこと。・自己紹介  ・「老人力」と「丈人力」(保持している潜在力) ・大丈夫」と「岳父」
・だれもが「七十古希」まで  ・高齢者社会と高齢化社会  ・「平和団塊」の歴史的役割
関連自著『丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」が国難を救う』(武田ランダムハウスジャパン 2010・7・1刊 1500円税別)
◎2「人生90(60+30)年+」の高年齢期に「三世代平等社会」をつくる
・いまは実感しづらい人生100歳(資料) ・世界トップで「高齢化社会」(高齢化率7%・1970年)→「高齢社会」(14%・1994年)→「超高齢社会」(21%・2007年)→高年世代(25%・2015年)が成立して、青少年成長期・中年成熟期・高年円熟期の「三世代長寿社会」を達成する
◎3 個人と家庭(くらし)
・高齢化時代のG型ライフサイクル  ・「平均寿命」「健康寿命」の男女差 ・賀寿期五歳層 ・「七十古希」から「百齢眉寿」へ ・近居・隣居より三世代同等同居
◎4 ものづくりと企業(しごと)
・MADE IN JAPAN  丈夫で長持ちする中級優良品 ・三種の神器  ・企業戦士 ・戦後復興・高度成長・九割中流  ・家庭に「百均商品」・会社に「非正規社員」 ・高齢者向け商品・サービス ・定年延長・生涯現役 ・毎日が日曜日 ・GDP5%・一人当たりGDP30位に
◎5 日本の「SDGs」(持続可能な開発目標)は四季のあるくらし
・双暦(西暦・農暦)に慣れる ・二十四節気 ・百季人生(高齢期人生) ・季節小物・床の間春秋・四季カレンダー ・自作秀逸五句  ・八方時刻  ・祭事・歳事・催事に参加・春夏秋冬の四季の特徴を活かして狭い国土を4倍に見せる
◎6 地方特性を活かすまちづくり(自給率の回復)
・均衡ある国土の発展(横並び)から特性ある地域の発展(横比べ) ・地産品で全国ブランド ・「地域包括支援センター」・「シルバー人材センター」・「生涯学習センター(生涯大学校)」 ・三世代交流会館  ・三世代四季型中心街  ・シニア生活圏(居場所・通い場所)
◎7 国民としてとともに市民として活動
・「高齢者対策」(介護・医療・福祉・年金)と「高齢社会対策」(意識・居場所・しくみづくり)・「高齢社会対策基本法」(1995年)と「高齢社会対策大綱」(1996年)からの成果・1999年「国際高齢者年」 ・国連高齢者5原則「自立・参加・ケア・自己実現・尊厳」
◎8 2047年「日本国憲法100年記念国際祝典」を主宰する
・世界61位の「領土小国」として国際的に何を誇りとしつづけるか ・和の「おもてなし」

<注> 報告書 「長寿社会における生涯学習の在り方について」(文科省生涯学習政策局)代表的な「生涯大学校」 兵庫県いなみ野学園・成田市生涯大学院・江戸川区人生大学・・

「人生100年」時代の初代として・・

2017年11月、衆院選後の「所信表明演説」で安倍晋三首相は、「人生100年時代を見据えた経済社会」への改革を訴えました。2018年6月には「人生100年時代構想会議」で「人づくり革命基本構想案」をまとめています。が、会議メンバーに高齢社会の実情がわかる有識者が参加していませんから、高齢者にとって納得できる提案になっていません。5年を経ても「高齢化」の成果を生まないのです。会議に参加した英国のリンダ・グラットン女史の『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』が話題になり、ベストセラーになりましたが。

高年期「人生90(60+30)年+」をどう過ごすかは、個人の努力(自助)によりますが、住民同士(互助)の助け合いや地域(共助)の支え合いや自治体によるさまざまな支援(公助)により充実度がちがってきます。これまでの「世代交代」にかえて「世代交流」によるすべての世代(all ages)が力を合わせた「地域共生社会」の創出が地域生活圏で競われています。

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・高齢化時代のG型ライフサイクル

青少年期  〇歳~二四歳  自己形成期       成長期
(二五歳~二九歳  バトンゾーン 選択期)
中年期  三〇歳~五四歳  労働参加・社会参加期  成長+成熟期
(五五歳~五九歳  パラレルゾーン 高年準備期・自立期)
高年期  六〇歳~八四歳  地域参加・自己実現期  成熟+円熟期
前期  六〇歳~七四歳  地域参加期       成熟期
後期  七五歳~八四歳(女性~八九歳)自己実現期 円熟期
長年期  八五歳(女性九〇歳)~   ケア・尊厳期 長命期 晨星期

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賀寿期五歳層の8ステージ (二〇二三年基準)

還暦期(六〇歳~六四歳) 昭和三四年~昭和三八年  還暦=六〇歳
禄寿期(六五歳~六九歳) 昭和二九年~昭和三三年  禄寿=六六歳
古希期(七〇歳~七四歳) 昭和二四年~昭和二八年  古希=七〇歳
喜寿期(七五歳~七九歳) 昭和一九年~昭和二三年  喜寿=七七歳
傘寿期(八〇歳~八四歳) 昭和一四年~昭和一八年  傘寿=八〇歳
米寿期(八五歳~八九歳) 昭和 九年~昭和一三年  米寿=八八歳
卆寿期(九〇歳~九四歳) 昭和 四年~昭和 八年  卆寿=九〇歳
白寿期(九五歳~九九歳) 昭和 元年~昭和 三年  白寿=九九歳
百寿期(一〇〇歳以上)  大正一四年以前      「百齢眉寿」

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・東洋の存在論は「生命 三身・空」(仏教)、西欧は「神 GOD」(一神教)
・体=からだ・健康 食べる・薬・サプリメント・休息・健康体操・有訴・・・・・疾病
・志=こころざし・知識 しゃべる・ことば・思う・見聞する・情報・文化・・・ 認知症
・行=ふるまい・技術 歩く・雑用をする・手づくり・芸能・技術・スポーツ・・・介護

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<注> *成田市生涯大学院の教養講座 ・書道・園芸・陶芸・油絵 ・体操 ・音楽

セミナー「人生100年時代の上手なすごし方

セミナー「人生100年時代の上手なすごし方」
!!!セミナー・丈人力のススメ
目次
世界に誇れる「長寿社会」がつくれるか
「大丈夫!」の気慨が「丈人力」
世界最速で史上初の「超高齢社会」に
国の「高齢社会対策」は10年の遅延
「日本高齢社会」は失敗モデルにむかう?
3000万高齢者の社会参加
主役は70歳代と「平和団塊」の世代
「水玉模様」の重なりが存在の形
大正生まれの人びとに感謝しよう
時代を映す流行歌の変遷
「100歳社会」は女性社会
高齢男性のアンチエイジング
「人生90年時代」をこう生きる
「長寿(高齢化)時代のライフサイクル」
新しい「高齢社会対策大綱」
「人生65年」から「人生100年」へ
余生ではなく「長命期」
ぎんさんのむすめさん4姉妹
「有訴」から「疾病」「認知症」「介護」へ
仲間と「賀寿期五歳層」を愉快に過ごす
賀寿期5歳層のステージ
「七十古希」から「百齢眉寿」へ
「古希期」「喜寿期」「傘寿期」の人びと
「健康・知識・技能」への配慮
「体志行の三つのカテゴリー」
地域生涯大学校の役割
「成田市生涯大学院」のこと
・成田市生涯大学院  セミナー資料
前向きに楽しく「人生100年時代」を暮らすために
・三世代年表 生年別の人口(男・女)、流行語、流行歌
制作・堀内正範

地域生涯学習(シニア)大学校一覧(案内)   

各地(自治体)の地域再生・創生のための高年者人材を養成する施設として展開中。これまでの公民館活動やリカレント教育が個人の生きがいづくり中心なのに対して、地域の特性再生(まちづくり)や生涯の学友づくりに重点があります。
[制作中]地域生涯学習(シニア)大学校一覧(案内)
学校名 運営 所在地 連絡先 創立 入学資格 経費 講座内容 卒業後のようす(まちづくり参加) 特徴(堀内メモ)

地域生涯学習(シニア)大学校 調査研究

調査研究企画案
地域再生・発展の力は「地域大学校」の推進にある。
(仮)全国地域生涯学習大学校の現状と将来
長い期間にわたる「横並びの平等」の施策によって、全国の自治体レベルでの比較でみて際立って異なる分野は少ないが、そのなかで例外ともいえるのが「高齢者に対する生涯教育の実施」の分野である。
「生涯学習(生きがい教育)」が行われていない自治体はない。しかしこのレベルのものはあるとはいえない。なぜならそれは個人の「生きがい」に属する成果であって、社会を変える(新しくする)成果ではないからである。自治体が域内多数者の拠出する税金を、「個人の生きがい」に投ずるのは応急的な措置であって、本来その活動は民間に任せるべきことである。自治体が参画する以上、その成果は「地域社会」の発展に寄与するものでなければならない。そういう基本的意味合いにおいて、際立った差が生じている。
では比較の上で進んだ自治体といえるのはどこか。
現況では兵庫県をあげることができる。ご存じのように、県主導官民協働の「いなみ野学園」はひとつの実施例であるとともに、モデルあるいはシンボル的な存在といっていいだろう。その40年にわたる経緯(プロセス)は、健常な県民高齢者に社会参画のための知識や技術や生涯にわたる“学友”を提供してきた成功例を示している。
兵庫県「いなみ野学園」の実例に学ぶ
細部の検討は別の機会に譲るが、注目すべき点は「専門学科」の設定にある。この「専門学科」(「基礎学科」というところもある)と全員共通の「教養講座」のありようが上記した成果に関連してくるからである。
「いなみ野学園」には、健康福祉科、文化科、園芸科、陶芸科の「4つの専門学科」がある。実際の細部は大切だが、ここではモデルとしての一般性の面から整理してみたい。
・「健康福祉学科」―健康でありたい高齢者がもっている関心と暮らし方に含めて、福祉を組み込む。卒業生は健常な高齢者として体の弱い仲間たちとの交流、ボランテイア(支援)活動にも積極的に参加する。学んだ知識は、自分のためとともに社会的にも活かされる。それが本来の意味での「生きがい」となる。
・「文化学科」―郷土の歴史、伝統、文化を心ゆくまで学ぶことで豊かな内面的な満足を得るとともに“学友”を得て、卒業生はそれぞれの地元の歴史や伝統(行事)を研究し守っていくことになる。
・「園芸学科」―自分の家の庭の草花や果樹についての知識や技術を学ぶことに始まり、隣近所・公園など「緑のまちづくり」に繋がっていく。卒業生が多くなるほど街の緑が大事にされるようになる。
・「陶芸学科」―手作り技術が得意な人たちが実作をしたり関係する作品・意匠の集積にあたることで、自分と地域の人びとの暮らしを豊かにすることになる。
実際には「4つの専門科目」だが、論理的な整理では、手作り技術の内・外ということで、「園芸・陶芸学科」とすれば、すべての高齢者が関心をもつ「からだ(体)・健康」「こころ(心・志)・知識・目標」「ふるまい(技)・技術」の3範疇(学科)になる。
官民協働の運営主体を構成する
全国各地の「生涯学習大学校」の現場で、それぞれの学科で「専門講座」を学び、さまざまな「教養講座」を学んだ高齢者が、これまでのコミュニティと重なりながら新たな「地域高齢者コミュニティ」を成立させることになる。この地域活動のありようが「社会の高齢化」であり、総体的にみた姿が「日本高齢社会」であり、国が政策として期待する「個性ある地域の発展」となる。年々増加する健常(健丈)な高齢者の社会参画なしには、安心した「高齢期」も安定した「地域社会」もありえない。
まずは全国的レベルでの自治体の現状把握を行うことが必要だろう。その上で官民協働の運営主体を構成し、地域の特性を加味したカリキュラムを構成し、地域社会の発展に寄与する人材の養成を行う「地域生涯学習大学校」が設立される。これは明治期小学校・昭和期中学校に次ぐ公的教育改革として指向されねばならない。その設立の遅速は、地域発展の差となるだろう。            2011・11・28 記
地域生涯学習大学校推進会議 代表 堀内正範 
 

地域生涯学習(シニア)大学校推進会議 [趣旨]

地域生涯学習(シニア)大学校推進会議 [趣旨]   

 これまでの市町村合併の大義のひとつは「地域を愛する人材」の養成にありました。
明治の大合併」のときにはわが村の「村立尋常小学校」が設立されて村民の教育にあたり、「昭和の大合併」のときにはわが町の「町立新制中学校」が合併のシンボルとして設立されました。しかし今回の「平成の大合併」にあたって、全国の新しい市は人材養成の「市立大学校」をつくり(れ)ませんでした。肝心の文部科学省にそういう構想がなかったということができます。それでも先駆的に市(県)立「地域生涯学習(シニア)大学校」(呼称はさまざまです)が設立されて、地域発展の人材を養成している自治体もあります。
いま地域発展のための知識や技術を習得するのは年少者ではなく六〇歳をすぎた高年者です。これまでに得た知識や経験に重ねて(を生かして)、60歳からの先行き長い高年期人生を過ごすために新たな知識や技術を習得することになります。
熟年学生のみなさんは、地域の自然・風土や歴史・伝統文化を知り、物産や伝統工芸の技術を習い、高齢期にかんする健康や福祉などの知識を身につけるとともに、高年期をともに過ごす仲間を得ることになります。
「地域(市立)生涯学習大学校」は、地域特有のカリキュラムを構成することで、地域特性の息づくまちづくり事業に参画する人材を養成する施設として新たな歴史を刻むことになります。「地域生涯学習(シニア)大学校」設立の遅速は、みんなが安心して暮らせるはまちの発展に差を生むことは確かです。
自治体あるいは官民協働で設立する「地域生涯学習(シニア)大学校」は、地域の高齢者にかんする情報や活動のようすを集積し、地域の発展に寄与する人材を養成する施設です。「地域生涯学習(シニア)大学校推進会議」では、全国の実例を集めて整理し、発信いたします。最新で、正確で、お互いの活動に参考になるような情報源をめざしますので、具体的な実例やご意見をお寄せください。
2011・12  堀内正範 ほりうちまさのり  
事務局
Tel & Fax 0475-42-5673
E-mail mhori888@ybb.ne.jp
keitai 090-4136-7811
web「日本丈風の会」(http:/jojin.jp)
〒299-4301 千葉県長生郡一宮町一宮9340-8

兵庫県いなみ野学園 高齢者大学講座(4年制)

◎兵庫県いなみ野学園 高齢者大学講座(4年制)
○運営 財団法人兵庫県生きがい創造協会
○所在地 兵庫県加古川市平岡町新在家902-3
○連絡先 tel079-424-3342 fax079-424-3475
○創立 1969年
○入学資格 60歳以上の県内在住者 大学院(2年制)
○経費 入学金6000円 学習費・教材費50000円
○課目・学科 4 年間30回・1日180分
○専門講座4 健康づくり学科100 文化学科100 園芸学科100 陶芸学科40
○教養講座 伝統行事 そろばん 遺言と相続 認知症 介護 地域文化遺産 ・・
○クラブ活動 自治会のもとに30余のクラブが活動。囲碁、園芸、絵画、華道、ゲートボール、コーラス、ゴルフ、茶道、探訪、詩吟、写真、手芸、書道、水墨画、短歌、ダンス、テニス、能面、俳句、舞踊、民謡、盆栽、謡曲(仕舞)、歌謡曲、表装、英会話、手描き友禅、将棋、川柳、インターネット、グラウンド・ゴルフ、太極拳など。
○卒業後のようす 2万人が活動。地域支部が地域活動をおこなっている。
○特徴(堀内) 1999年の「国際高齢者年」に、高齢者大学の草分けとして、「いなみ野宣言」をおこなっている。
1 高齢期に対する自己及び社会一般の意識改革に努めます。
2 心身ともに健康で、自立した生活づくりに努めます。
3 新たな自己発見、自己実現をめざし、社会に貢献するよう努めます。
4 地域の人と自然との共生に努めます。
5 英知を集め、21世紀へ夢と希望をもって行動します。
学校教育と社会教育の良さをとりいれて、卒業後に自分のためとまちづくりに活かす工夫。「健康福祉」は自分の健康と周囲の人の福祉に、「文化」は自分の知的関心を満たすとともに地域の伝統や歴史を活かしてまちを豊かにし、「園芸」は自分の庭や植栽から地域の緑のまちづくりに。「陶芸」は日用品の制作と手作り技術の継承と、卒業生が多くなれば、それだけ市民が充実し、まちづくりの人材が増すというカリキュラムの組み方からは学ぶべきところが多い。

成田市生涯大学院 (3年制)

○運営 成田市教育委員会
○所在地 成田市囲護台1385-6 成田市生涯大学校
○連絡先 0476-20-3339
○創立 1978(昭和53)年に成田市老人大学院として開講し、2001(平成13)年に生涯大学院と改称
○入学資格 市内に住む60歳以上の人。各学年100人
○経費 教材費など実費を除けば無料
○課目・学科 6
○専門講座6 書道 園芸 陶芸 油絵 体操 音楽
○教養講座 ○課外活動 グラウンド・ゴルフ大会 学園祭 広報誌「すえひろ」 書道・陶芸・油絵展
年間教養講座を25講座、専門講座を15講座 そのほか学園祭や作品発表展
○卒業後のようす 1200人の卒業生
○特徴(堀内) 社会環境の変化に順応していく能力を再開発するための学習機会を提供して、高齢者が大切な社会の担い手として、その豊かな能力を地域社会の向上のために生かすことによる新たな生きがいの創造を促すことを目的とする。市民の高齢期の生きがいを高める施設として設置されたあと、より広くより深く学べるように講座内容の充実につとめてきた。専門講座は芸術分野を中心にしているが、教養講座は自分史の書き方、心に響く話し方、相続税について、地球環境の現在、野生生物と自然、薬の副作用、調理実習、手話を学ぶなど高年者のニーズに応えている。

シマネスクくにびき学園(島根県高齢大学校)

 
◎シマネスクくにびき学園(島根県高齢大学校)(2年制)
○運営 島根県社会福祉協議会シマネスクくにびき学園
○所在地 273-8501 松江市東津田町1741番地3 いきいきプラザ島根
○連絡先 tel 047―460-6311 fax 047-460-6312
○創立 1983年、老人大学校を開校。2004年、ふなばし市民大学校として開校
○入学資格 満60歳以上の島根県在住者
○経費 入学金10,000円。授業料 18,000円。
○講座内容 4学科 東校・西校
社会文化科(東部25・西部20人)、園芸科(東部25・西部20人)、陶芸科(東部25・西部20人)、健康福祉科(東部25・西部20人)、合計東部校100人、西部80人。
○総合講座 地域活動、健康づくり、レクリエーション、介護予防、地域の身近な話題(県政、時事問題等)、学生親睦交流など。
○専門講座 社会文化科 身近な出雲・石見地方の歴史、民俗、文化、芸術、宗教等について講義だけでなく現地見学も交えて学ぶ。 園芸科 草花、野菜、果樹、庭の手入れ等についての基礎的な知識や技術を実習を交えて学ぶ。 陶芸科 陶芸についての基礎的な知識や技術を実習により様々な陶器を作製することにより学ぶ。 健康福祉科 ニュースポーツやレクリエーションなどの実習を交えて健康、介護、地域福祉、ボランティア等について学ぶ。
○クラブ活動(同好会活動)  うたごえ・水墨画・囲碁・卓球・書道・庭園探訪。
○学友会活動 学園生活をより豊かに、交流を深めるため、全学生をもって、学友会を組織し、修学旅行・研修旅行・学園祭・スポーツ大会等の自治活動を展開。
○卒業後のようす 約3100人。
○特徴・評価(堀内) 「日本一の田舎づくり」をめざす島根県にとって高齢者大学校の卒業生は貴重な人材である。豊富な経験と技術を持つ高齢者が、4学科それぞれの幅広い知識や新たな仲間を得ることにより、生きがいのある生活を営むとともに、地域活動の担い手となる。4学科のバランスもよく、個人の知識や能力を向上させて地域社会の発展に寄与する人材の養成に応えている。

明石市立高齢者大学校あかねが丘学園

◎明石市立高齢者大学校あかねが丘学園(3年制)
○運営 明石市立高齢者大学校あかねが丘学園
○所在地 673-0962 兵庫県明石市松が丘5-7-1
○連絡先 tel 078―918-5415 fax 
○創立 1981年、2年制として開校。1983年、4年制に。2000年、小学校(廃校)に移転。2002年から3年制。2009年、西分校(二見町東二見)開校。
○入学資格 60歳以上の市内在住者。
○経費 年額15,000円。ほかに実習費、障害保険代、学生自治、クラブ会費。 
○課目・学科 週1回35日以内。
本校 景観園芸30 生活福祉30 ふるさとコミュニティ40 音楽交流25、健康スポーツ交流50 (5コース165人。修業3年) 西分校 健康科学35 陶芸文化16 (2コース51人。修業2年)
○専門講座 
<本校> 景観園芸コース 園芸の基礎知識と技能の習得、景観デザイン、自然環境の保護などについて学び、園芸を通した世代間交流や地域交流、まちづくりへの参加参画の体験・実践。<地域活動実践例>幼稚園や小学校、施設の花壇作りを通した交流、自然観察会の開催。
生活ふくしコース 福祉に関わる理念、衣食住や環境など生活の諸問題、障害の理解と支援などを学び、生活文化の質の向上や福祉のまちづくりに取り組む。<地域活動実践例>子育て支援活動、高齢者施設利用者との交流、環境保護活動。
ふるさとコミュニティコース 明石の人物、歴史、地理、文化、自然環境などを学び、地域資源として活用。また地域課題を研究し、地域、関係機関とネットワークを結び、コミュニティを育てる方法を学ぶ。<地域活動実践例>遊びや文化の伝承を中心にした世代間交流、史跡ガイド、明石の環境調査、地域の安全パトロール。
音楽交流コース 音楽の基礎知識、リズム練習、声楽、器楽など、技術の習得を行ないながら、音楽を通した世代間交流、地域交流を企画実践する力を養う。楽器はリコーダーとキーボードを中心に学び、合奏では各自の得意な楽器を担当。<地域活動実践例>幼稚園、小学校や福祉施設で歌や楽器演奏を中心にした交流、地域イベントの主催または出演。
健康スポーツ交流コース  健康づくりの基礎理論、運動やゲームのしかたと指導法、イベントの運営方法などを講義と実習を合わせて学ぶ。周囲の人達や地域の健康づくりに指導的役割を果たし、地域交流・世代間交流の輪を広げる。<地域活動実践例>軽スポーツやゲーム、遊びなどを通した交流会の開催、健康づくりのスポーツや知識を普及・指導。
<西分校> 健康科学コース 健康づくりのための基礎理論と、体操やニュースポーツの実習、地域交流などに役立つゲームなどを学ぶ。さらにこれらを応用したイベントの運営や指導法を身につける。<地域活動実践例>軽スポーツやゲーム、遊びなどを通した交流会の開催、健康づくりのスポーツや知識を普及・指導。
陶芸文化コース 陶芸技術を習得するとともに、陶芸に関連する地域の歴史や文化など社会的なつながりを考察。また、これらを地域に発信するための手法を学ぶ。<地域活動実践例>市民、親子などを対象にした陶芸教室、視覚障害者作陶補助、チャリティバザールの開催。 
あかねが丘学園ボランティア会 社会福祉協議会や学校、福祉施設など、関係機関からの要望に応じて、ふれあい活動、イベント開催の支援、伝承活動、クリーン活動などをするほか、常設の6グループが、定期的に市内の福祉施設、病院、総合福祉センターなどで活動している。
○卒業後のようす あかねが丘OBボランティア協議会 卒業生の約80のボランティアグループが活動している。卒業後は地域社会でネットワークを広げながら、さらに実践力をのばせるよう活動の継続支援を行う。卒業生は学んだことを活かし地域の中で活躍しており、それが学園の誇りとなっている。卒業生は約3000人。
○特徴・評価(堀内) ボランティア活動、地域交流や世代間交流、自治会活動など、地域づくりに活躍する人材の育成を目標に学習を行う。これまでの長年の経験と知識にさらに磨きをかけ、気の合う仲間を見つけ、一緒に学んだ仲間と「地域デビュー」をめざすというのが目標。1・2学年では知識・技能の習得と仲間づくりに重点を置き、3学年で各自が選んだテーマでグループをつくり、卒業とともに地域活動を実践している。上記したように、在学中から社会活動の実践が組み込まれており、「まちづくり」のための大学校としての成果は際立っている。

姫路市好古学園大学校(4年制)

◎姫路市好古学園大学校(4年制)
○運営 姫路市交流振興局好古学園大学校
○所在地 〒670-0081 姫路市田寺東2-2-1
○連絡先 tel 079―297-3363 fax 079-297-7996
○創立 1970年8月に姫路市立老人大学好古学園として開校。2004年4月に名称変更。
○入学資格 60歳以上。市外の人にも門戸を開放。1学年600人。
○経費 授業料は徴収しない。市外の人は年額6000円。
○課目・学科 7学科 4年制。大学院 2年 
 園芸科 陶芸科 書道科 史学科 美術科 手芸科 音楽科 
○専門講座 
 園芸科 庭木の手入れ、野菜園芸、果樹園芸、山野草・草花園芸、盆栽の手入れ、水石の観賞。 陶芸科 手捻り、成型、素焼、楽焼、硬焼、釉薬づくり、その他全般。
書道科 漢字・かなの古典臨書、創作及び鑑賞、実用書。 史学科 古代、中世、近世、現代に至る日本史及び世界史・地方史、民俗学。 美術科・洋画 油絵(デッサン、クロッキー、淡彩)木彫 彫刻と鑑賞。 手芸科 木目込み人形、押し絵、手編み、押し花、グラスアート等、手芸全般。 音楽科 歌唱、器楽(鍵盤ハーモニカ)、鑑賞、楽典。○クラブ活動 水彩画 民謡 詩吟 俳句 民踊 ダンス 川柳 カメラ 謡曲 華道 ハイキング ゲートボール 大正琴 囲碁・将棋 
○卒業後のようす 
○特徴・評価(堀内) 高齢者に生涯学習の場を提供し、知識や教養、技能を深めてもらうため。生きがいの創造 生涯学習の機会と場の提供 地域社会活動への参加(設立趣旨)。市外の人にも開放している。歴史の古く4年制なので、生きがいのための生涯学習の場となっている。2010年に「創立四十周年記念式典」をおこなった。自治体の施設としては全国の先駆けて開設した。