四字熟語-狂花病葉

狂花病葉
きょうかびょうよう

狂い咲く花とわくら葉といえば風物として味わいがあり歌にもなるが、実は酒呑みが酔余に示す際立った二様の酔いざまのこと。「狂花」は、酔うにつれてまなじりを上げて大声で悪態を並べて騒ぐ者。一方の「病葉」は、酔うほどに暗鬱な表情になり瞼と口が重くなりついには寝入ってしまう者をいう。
世情不安でアルコール依存度が増せば「狂花病葉」もまた増えることとなる。ふたりで呑んだくれて、それぞれ「狂花」と「病葉」に極まってしまうと周りの者の手に負えない。
宴席を盛り上げるつもりで酒を注いで回った末に、「狂花病葉」を招いては幹事の準備不足。宴席を仕切る者は、みなの酒量と「狂花病葉」の程度にも通じていなければ。古来、酒席「行令飲酒」の場をしきるのが令伯(令官)の役で、さまざまな遊戯や罰酒のしかけ(酒令)を設けて飲酒を楽しんできた。その雅の極みが流水に杯を浮かべて即興の詩歌をつくる「曲水流觴」(觴はさかずき)である。
皇甫松『酔郷日月』など