2010年は年金の不正受給が相次いであかるみに出た。
そのなかでも最たるものは、1978年に亡くなった父親を生きているように装い、111歳の2010年8月に白骨となっていたことを確認されるまで、父親が受けていた公立学校共済組合の遺族共済年金を受給しつづけていたというもの。父親は加藤宗現といい、長女の真子は詐欺罪で訴えられていたが、年末に81歳で死亡したため、2011年2月2日の初公判は公訴棄却となった。同様の手口による不正受給は各地でみられた。ここでは「ミイラ年金受給」か「白骨年金受給」と呼びたい。その背後には高齢者所在不明問題があり、さらにその背後には高齢者を敬う(敬老)という自然な心の発動を阻害する時代の風潮がある。