平分秋色
へいぶんしゅうしょく
昼夜がちょうど二分される秋分のころの穏やかな景観が「平分秋色」。それは春節に始まった農作業による一年の収穫の秋であり、「平分」は収穫した成果を平等に分け合って得ることに通じる。のちには農業だけではなく、商業上の利益や声望などもそれぞれが分け合って一半を得ることにいうようになった。
先人の残したさまざまな資産を収蔵している公立・民間の博物館が、互いに特徴のある収蔵品を出し合って優れた展覧会を催すのが「平分秋色」。また伝統あるサッカー戦などで、激しく勝敗を争いながらも引き分けた試合の熱闘を讃えて「平分秋色」がいわれる。ちかごろでは宴を盛り上げる白酒と葡萄酒の消費量が「平分秋色」になりつつあるという。
平和の下での半世紀余。わが国は先行して得た技術や人材や資金を投入して、途上諸国の人びとの暮らしの近代化に貢献してきた。アジア各地で「平分秋色」の成果が穏やかに共有されていると確信している。
李朴「中秋」など。