高年世代の人びとが、それぞれに座り心地がよいイスをわが家に据える。家庭内の「モノと場の高年化」の拠点として存在感のある「マイ・チェア」として、家の内と外、国中どこにでも座り心地のよいイスが据えられていたら、立ち疲れることもないし、「譲られない優先席」などいらない。各地にチェア工房が形成され、毎年の「チェア・コンペ」には、各国から腕よりの職人がやってきて技を競いあう。21世紀末の高年者たちは、先々代、先代が使い込んだ「マイ・チェア」に腰を据えて、日ごろ愉快な座談が楽しめれば、世紀初頭の先人に感謝するだろう。(実例・設計図・工房)