掩耳盗鈴
えんじとうれい
「耳を掩いて鈴を盗む」というのは、盗もうとした鈴(鐘)が音をたてたので聞かれるのを恐れて自分の耳をふさいで実行したというもの。だれにも知られている自己欺瞞にいう。古くは鐘だったが、現今は「掩耳盗鈴」でよく使われる。 日本政府が「尖閣国有化」をしておいて中国と交渉する態度もその例とされる。
この「故事成語」を子どもたちが古装を身につけて寸劇として演じていた。いま各地で七歳から一四歳の小中学生が出演者となって「中国成語故事」(一千集)の撮影に臨んでいる。五年余をかけて撮影して全国のTV局から放送し、伝統文化教育の補助教材として出版されるという。
先人がなした事跡(故事)を後人が人生の糧として記憶し記録し用いてきた「故事成語」は、漢字の特徴を活かして四字に整えられており、歴史文化の精髄なのである。中国の子どもたちは小学校教材で二八〇項目、中学校教材で四六〇項目ほどの「故事成語」を学んでいる。
沈徳符『万暦野穫編二』など