四字熟語-挙棋不定

挙棋不定
きょきふてい

将棋や囲碁の駒や碁石を手にして打とうして挙げたものの、迷いが生じて決めかねているのが「挙棋不定」。よく見かける情景である。しかし挙げた駒は打たねばならない。プロ棋士の場合は持ち時間が決められ、最後は秒読みによって急かされることになる。

囲碁は日中韓が同ルールで「世界囲碁名人争覇戦」がおこなわれる。一方、盤上が戦場であり駒が戦力である将棋と象棋は、ゲーム(智力運動)とはいえ「闘い」への意識の違いを表現している。将棋の王将は自陣から出て応戦するが、象棋の帥将は自陣中央の城から動かない。将棋の駒は敵陣に至ると裏返って成り金になる。象棋の駒はチェスと同様に捕えられれば盤上から消えるが、将棋の駒は相手方の持ち駒になって残る。この戦場での人道主義は将棋の特徴であろう。

TPP交渉での日本の態度は「挙棋不定」であり、内閣支持率では民主・自民両党が二〇%で「挙棋不定」の有権者が四〇%である。次の一手はわからない。

『左伝「襄公二五年」』など