美意延年
びいえんねん
情意がのびやかであればみずからの人生を楽しめるばかりでなく、周囲のみんなの歓びも合わせることができ、寿命を延ばすことができるというのが「美意延年」である。新年にふさわしい賀辞のひとつ。
思えばこの国でみんなが長寿を得たのも、長らく大きな震災も戦災もなく、誰もが等しくよく働いて衣食足りた日々を楽しんで過ごしてきたからだろう。
安徽省亳州市譙城は、曹操のというより「鶴髪童顔」で百寿をすごした神医華佗の故郷であり、千年白酒・薬材の郷ともいわれる。
汚染源がなく空気も水も清らかで、みんなよく働いたから身体は丈夫、性格は朗らかで楽観的、素食だが多種類をとって早寝早起き。武術もさかんで太極拳、舞刀、健美体操なども暮らしに欠かせない。区政府も尊老、愛老、助老活動に熱心で、百歳になると毎月三〇〇元の健康保健金がもらえる。中国老年学会が「中国長寿の郷」に認定したのも納得がいく「美意延年」の息づく城市である。
『荀子「致仕」』から