新しい「高齢社会対策大綱」の骨子案をみて

新しい「高齢社会対策大綱」の骨子案をみて
堀内正範
朝日新聞社社友 高連協オピニオン会員 web「月刊丈風」編集人
昨年(2011年)10月から10年ぶりに改定作業にはいっていた「高齢社会対策大綱」の骨子案ができて、内閣府高齢社会対策担当が意見募集をいたしました。(7月27日~8月5日)
骨子案ですから細部には未確定のところもあって整理までにはまだ間がある段階での公開となっています。それでも完成形としてのおおよその“樹形”は判断がつきます。
一瞥したところでは、前半の「目的及び基本的考え方」で、有識者が検討した「報告書」の趣意や他の意見(高連協1月12日「提言」など)を取り込んで、後半の「分野別の基本的施策」では前回の「大綱」の手直しがなされています。前回2001年の「大綱」がそのまま活かされるところが多いということは、内容が優れたものであることの半面で、実態として進捗が少なかったことの証でもあります。
「人生65年時代」から「人生90年時代」への高齢者意識の変革を期待し、元気な高齢者層の「社会参加」を要望しているところに内閣府高齢社会対策担当の構想力をみることができます。同じ時期に、高齢社会対策の「大綱」の見直しに関心を示さず、ありうべき「長寿社会」構想を論じることなく、「消費税増税」に終始している政治の側がいかに鈍感であり周回遅れであるかが際立つばかりです。
PDF原稿 !新しい「高齢社会対策大綱」骨子案20120806

勝手なことをるる申し上げました。(2012・8・6 堀内)