「増税」は15年間の「高齢社会対策」不在のシワ寄せ

いま国政の場にいる政治家に言いたいこと。
国の財源安定のためには「増税」「歳出削減」「経済成長」の三要件を同時に議論する必要があります。当然のこと、「社会保障・税一体改革」(税改革)とともに「経済成長」による増収が見込める「日本長寿社会(≧高齢社会)」構想を論じるべきです。
焦点を絞れば「高齢社会政策」です。が、「高齢社会対策担当大臣」がだれかを知らず、「高齢社会対策大綱」の10年ぶりの見直し論議の推移を知らない議員(NHK日曜討論の出演者に聞いてほしい。NHKの解説委員もご存じないかも)が、「社会保障」を論じることに違和感を覚えます。
3000万人に達した高齢者(65歳以上)のうち7~8割の「支える高齢者」(長命の父母を支え、子どものローンを支え、孫の物品を支える)層の実態をみず、保持している知識・技術・資産の社会参加をもとめない「増税」先行の論議では、当事者である高齢者として何のメッセージも感じないし、支持のしようもないのです。
政界のリーダーは、1995年に「高齢社会対策基本法」を制定して以来、15年間の高齢社会対策の不在という「失政」を率直に認めて対処すること。そして高齢者のみなさんは、このままいくと、さまざまなシワ寄せが高齢者自身に押し寄せることを覚悟せねばならないのです。(2012・6・6)