!!!応募「平和の証」稿pdf
「高齢社会」の達成が「平和国家」の証
灯火管制の下で。
子どもの目に焼きついた戦争の鮮明な光景がある。その夜、灯火管制でうす暗い家の中が急にざわめいて、大人たちがみんな二階に駆けあがり、物干しや道路側の雨戸を細くあけて夜空を見上げた。わたしも雨戸の隙間からおそるおそる夜空を見上げた。何本かの探照灯に照らし出されたB29。迫っていく日本の戦闘機。高射砲弾の煙と音。子どもの目で距離感は測りようもなかったが、B29はゆうゆうと東京の上空を横切っていった。覗き見たあと、ひとり取り残されたわたしを振るわせていたのは、恐れではなく、ひそかに知った敗北感のようなものだった。軍歌を歌い、兵隊ごっこをし、戦闘機を画いて、強国ニッポンを信じていたのに。・・・・・・・