きょうの丈風memo
2023年(癸卯) 令和(後平成)5年9月25日
睦月如月弥生卯月皐月水無月文月葉月●長月神無月霜月師走
立秋8・8処暑8・23白露9・8秋分9・23●寒露10・8霜降
月齢91 日の出5:31 日の入り17:35 東京
年初から268日ー97日年末まで
丈風 日復一日 アクセス数 202671
= WEBの力を信じて =
史上初で国際的に先行事例となる(1945~)
「非核非軍事の国づくり まちづくり 人づくり」
昭和新憲法九条・高齢化率世界一で
「平和の100年・100年の人生」をめざして
青少年期(~30歳)・中年期(~60歳)・高年期(~90歳+)の
「三世代現役平等社会」を達成して
「地域生涯大学校」で高年期の知識・技術・友人を得て
「地域共生社会」(新たなモノ・居場所)を創り出す
[ 朝 の丈風 ]
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9月25日 カレンダー calendar・・・・・
藤ノ木古墳記念日(1985) 『今日新聞』(東京新聞)創刊(1884) 「帝国在郷軍人会令」公布(1936) 沢村栄治ノーヒット・ノーラン達成(1936) 全国地方銀行協会設立(1936) 世界労働組合連盟(WFTU)が発足(1945) トルーマン大統領が朝鮮戦争で原爆使用しないと表明(1950) 第二回世界仏教徒会議開催(1952・築地本願寺) 日本中央競馬会(JRA)による中央競馬開催(1954) 東名高速道路建設法公布(1960) 台風24・26号が上陸、26号で山梨県に被害(1965) ニクソン大統領がグアムでアジアでのアメリカの負担削減表明(1969) 田中角栄首相が中国訪問(1972) 「スター千一夜」放送終了(1981 6417回) 藤ノ木古墳で石室と家形石棺発掘(1985) 共産党宮本顕治議長引退(1997) 民主党鳩山由紀夫代表に(1999) 日本国際博覧会(愛・地球博)閉幕(2005) 去世 加藤土師萌(68・1968) 更科源蔵(81・1985) 奥村土牛(101・1990) 松尾和子(57・1992) 浪越徳治郎(94・2000) 夢路いとし(78・2003) 土井正三(67・2009) 石川忠雄(85・2007) 宝井馬琴(80・2015 6代目) wikipediaほかから
特集ニュース news・・・・・
・コロナ感染状況「全数把握」による死者(5月9日)は計7万4694人(+25人)。ワクチン接種(人口割合、7月18日) 第一回 80.9% 第二回 80.0% 第三回 68.7%。マスク着用は3月13日から個人判断に。5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行.。7月5日、日本医師会が「第9波になっている」との見解を示す
5月5日、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症1事態宣言」から約3年3カ月。世界で690万人以上が死亡
・ロシア軍のウクライナ侵攻と北方領土
2022年 2月24日、ロシアが「特別軍事作戦」と称してウクライナに侵攻。3月2日、国連特別総会(193カ国加盟)は軍撤退決議案を141カ国賛成で可決。3月23日、ゼレンスキー大統領が国会(オンライン)で日本に支援を訴え。ロシア軍が東部制圧へ。東部南部占領地4州で住民投票しロシア領に編入。10月7日、ウクライナ議会が北方領土はロシア占領の日本領土と確認する決議採択。12月21日、ゼレンスキー大統領が訪米。
2023年 2月20日、バイデン米大統領がキーウ電撃訪問
2月23日、国連総会(193カ国加盟)は、「ロシア軍の即時かつ無条件の撤退」を要求する決議案を141カ国の賛成で採択。反対はロシア、ベラルーシ、北朝鮮など7カ国、棄権は中国、インド、イラン、南アフリカなど32カ国
3月21日、岸田首相がインドのあとキーウを訪問
4月14日、ロシアは北方領土などへの「敵の上陸阻止」を想定した軍事演習を実施と発表
5月9日、「対独戦勝記念日」のプーチン演説.。祖国を守る「真の戦争」に貢献を訴え
5月19~21日、広島で先進国G7首脳会議 ゼレンスキー大統領が急遽参加
6月4日、「聖三位一体」をトレチャコフ美術館から救世主キリスト大聖堂に移して公開
6月10日、ゼレンスキー大統領、反転攻勢開始を認める
6月20日、ロシア下院は9月3日を「軍国主義日本に対する勝利と第2次大戦終結の日」とする法案を可決。9月3日、極東ユジノサハリンスクでの記念行事にメドベージェフ前大統領が参加
6月27日、プーチン政権に反抗したワグネル(民間軍事会社)のプリゴジンがベラルーシに。8月23日、自家用小型機が墜落して死亡。サンクトペテルブルク近郊のポロホフスコ霊園の父親の墓の隣に埋葬された
9月13日、金正恩総書記がロシアを訪れプーチン大統領と会談
9月20日、ゼレンスキー大統領が国連安保理でロシア批判
ニュース news・・・・・
2022年
7月8日、安倍晋三元首相が奈良市で参院選の街頭演説中に銃で撃たれ死去。67歳。
9月29日、日中国交正常化50周年の日(1972)。2023年8月12日は「日中平和友好条約」締結45周年に(1978)
10月3日、国会(第210臨時会)開会。12月10日、旧統一教会の被害者救済新法成立。閉会
10月22日、中国共産党20次大会が閉幕(10・16~)。習近平総書記が三期目に
11月17日、バンコクで3年ぶりの日中首脳会談
2023年
1月2日、「一般参賀」来訪者のコロナ感染を考慮し抽選により9000人が参賀
1月14日、日米首脳会談。「日米同盟についていっそう連携を確認ができた」と首相語る
1月23日、国会(第211回通常国会) が召集
3月7日、新型ロケット「H3」の打ち上げに失敗
3月10日、中国全人代(3・5~3・13)の全体会議で習近平国家主席を3選
3月14日、ノーベル文学賞作家大江健三郎氏が3月3日に去世、88歳
3月31日(現地)、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝(マイアミ)
3月28日、音楽家坂本龍一氏が去世、71歳
4月9日、23日、第20回統一地方選投開票。投票率低く「自民」苦戦、「維新」が躍進
5月19~21日、広島で先進国G7首脳会議 原爆資料館視察・慰霊碑献花 ゼレンスキー大統領が急遽参加
6月2日、2022年の出生数は77万747人で前年比で5%(4万875人)減。統計開始1899年以来初めて80万人以下に 厚生労働省
6月21日、国会(第211回通常国会)閉会
7月8日、安倍晋三一周忌法要が芝増上寺で
8月24日、福島第一原発の処理水海洋放出を開始.。中国が日本産海産物の輸入禁止に
9月13日、第2次岸田再改造内閣が発足
[ 昼の丈風 ]
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日本 [ 領土小国(面積62位)、海洋大国(排他的経済水域 EEZ 8位)、経済大国(GDP3位)、豊かさ中位国(国民一人当たりGDP30位)、人口大国(11位)、世界遺産大国(12位)、総貯蓄額大国(3位)、軍事費大国(10位)、女性国会議員小国(133位)、平均寿命大国(2位)、高齢化率大国(1位)] の国民・市民・人民として
*2023・9・18~
三つの高齢者記念日
わが国の高齢者は三つの高齢者記念日をもっています。
9月15日は「老人の日」です。 厚労省が 9月15日での100歳以上の人口を発表しています。2023年は過去最多の9万2139人で女性が8万1603人、男性が1万536人。昨年から1613人増えました。女性の最高齢は大阪府柏原市の巽フサさんで116歳、男性の最高齢は千葉県館山市の薗部儀三郎さんで111歳。
9月第三月曜日(18日)は「国民の祝日・敬老の日」です。総務省推計(9月15日)での高齢者人口(65歳以上)は3623万人(前年より減) 女性2051万人 男性1572万人 高齢化率29.1%。80歳以上の割合が初めて10%を超えました。
10月1日は「国際高齢者デー」(1990年の国連総会で採択)です。国連は21世紀が平和のうちに経過し、国際的に増大する高齢世代が新たな社会を形成することを想定して1991年から実施しました。最速で高齢化がすすむわが国では、世代交流による共生社会の創出をめざす活動の成果を確認する日であるとともに、先行事例を国際発信する役割が期待されているのです。
*2023・9・4~9・11~
2千年紀キリスト教文明 vs 3千年紀中国文明
ChatGPTの“倫理”で世界がキリスト教文明化
9月初めにローマ教皇が信者数1500人というモンゴルを訪問しています。フランシスコ教皇は3日、首都ウランバートルでミサを行い、隣国の「中国国民への挨拶」として、1千万人ともいわれる中国のカトリック教徒に「良きキリスト教徒、良き市民であれ」というメッセージを送りました。中国外務省も4日、「バチカンとの関係改善に常に積極的な態度を持っている」と表明しました。が、国内でのキリスト教関係の祭事(クリスマスほか)や文字表現などには監視を強めています。
「初めに神(GOD)ありき」とする2千年紀のキリスト教文明に対する「初めに生命(天命)あり」とする3千年紀の中国文明の東西二文明の較立(対立でなく)が現代の大命題。IT事業の成果であるChat(チャット)GPTを支える“倫理”(現在のままでは世界がキリスト教文明化する)においても中国は「安身立命」の独自の”倫理”を導入するでしょう。
2千年紀を海外渡来の八百よろずの文物を“国風”に整えて「安心立命」につとめてきた日本は、両様のChat(チャット)GPT”倫理”を文明の成果として両用していくのでしょう。
*2023・8・21~8・28~
「下流老人」への支援給付金3万円
大正生まれ100歳の心意気
これから「100年人生」を迎える人のつぶやきより先に、いま「人生100年」に達した人びとの沈黙を。100歳ですから1923年・大正12年の生まれです。「大正生まれ」の人びとは、先の大戦の敗戦(戦禍)を1945年・昭和20年に20~34歳で迎えて、みんなして貧しさを分かち合い、亡くなった人や傷ついた人の分まで合わせて三人分も働いて、みんなして等しく豊かになろうとした人びと。自分のための貯蓄など考えもしなかった人びと。「九割中流」をなしとげて、やっとほっと安堵した大正人。
そんな戦後復興の功労者に対して、貯蓄がないゆえに「下流老人」と呼び「老後破産」と評するとはなんたること。「九割中流」の功労者を「下流老人」とはなんですか。戦禍のあと「ほどほどの赤字人生が男の生きざま(美学)」といった心意気で貯蓄するよりは周りの人びとへの心づかいにおカネを使った人びとに貯蓄がないのはあたり前。とくに中小企業の経営者にそういう人びとが多くいて、みんなの暮らしに差が生じないことを優先したからこそ、史上にまれな「九割中流」という平等社会(近似大同社会)がつくれたのです。史上にまれですから、後人にどういわれても自分の「人生100年」に誇りこそあれ後悔はないでしょう。国から贈られるメッキの銀杯が恥ずかしい純銀の人生なのです。
支援給付金3万円? 「下流老人」と呼ばれようと、一日300円でも生き抜く覚悟があり自負があり、ひもじさと貧しさからはじまって最後にまた貧しさとひもじさにもどる人生を、わが人生として受け容れて、いまさら国からの救済なんか求めない人びとなのです。それが「100年人生」を生きる「大正人」の覚悟なのです。
大正生まれ(100歳)へのオマージュ(賛辞)
大正生まれの男たちは「富国強兵」教育の下で育てられて、大陸や太平洋の戦場に送られて戦って命を落としました。生き残った男たちはこんどは「企業戦士」となって、死んだ者、傷ついた者の分まで働いたのでした。
女性たちは「良妻賢母」教育で育てられて、良妻として銃後をまもり、父や夫や兄弟を戦地で失い、戦後は賢母として子どもを養育し、戦禍の記憶を胸の奥深くに閉じこめて平和を支えてきました。その長寿は長期平和の礎です。子どものころに中国東北で「自ら生きよ」と棄民にされ、いままた年老いて一人暮らしで「自ら生きよ」と二度も放棄された人もいます。
憲法の平和条項に自衛隊を書きこむなどという、また戦争という事態を想定させる動きをみせる男たちに対して、生命を生み育てた女性の側からの告発として、「かあさんは許さない」と老母たちはいうのです。力をつくして戦後の復興・高度経済成長を成し遂げた「大正生まれ」の人たちは、1975年・昭和50年には50~64歳でした。
「大正生まれ」の歌 「大正生まれ」の歌は1976年にテイチクからレコードが出されています。作詞者の小林朗(こばやし・あきら)さんは大正14年生まれ。2009年2月2日に亡くなりました。
「大正生まれ」 小林朗作詞 大野正雄作曲
♪大正生まれの俺達は 明治の親父に育てられ
忠君愛国そのままに お国の為に働いて
みんなの為に死んでゆきゃ 日本男子の本懐と
覚悟は決めていた なぁお前…以下略
「大正生まれ(女性編)」の歌は1979年にテイチクからレコードが出されています。
「大正生まれ(女性編)」 小林朗作詞 大野正雄作曲
♪大正生まれのわたし達 明治の母に育てられ
勤労奉仕はあたりまえ 国防婦人のたすきがけ
みんなの為にとがんばった
これぞ大和撫子と 覚悟を決めていた ねぇあなた…以下略
*2023・8・14~
「戦没者追悼」のおことば
戦後平和期から新たな歴史的現在へ
「戦没者追悼」のおことばに上皇と新天皇の継続と相違をみることができます。
8月15日の「全国戦没者追悼式」での新天皇の「おことば」は、思いにおいても、ことばの継承においても、上皇の立場をしっかりと踏襲されてはいますが、上皇が「深い反省とともに」と体験と重ねていわれたところを、新天皇は「深い反省の上に立って」というご自分の意識での表現に替えておられます。 胸の奥に戦禍の記憶を留めている人びとは、岸田内閣の軍事費大幅増に戦後平和期から新たな歴史的現在へ、次の “戦間期”への転移にあることを感じ取っているのです。 日本国は歴史に学ぶことができず、毎年「戦没者追悼」のことばは重ねながらも、歴史を繰り返す軍国化への道を歩もうとしており、そのことに韓国は同じ日におこなう「光復節記念式典」で警戒をつよめているのです。 中国からは閣僚の靖国神社参拝への抗議を受けています。わが国は、自国の「戦没者追悼」とともに「歴史の深い反省」に立って、隣国とともに非軍事平和の国づくりの道を歩まねばならないのです。 8月15日は、本来は日中韓三国国民が同じ思いで年々その道程を確認して一年一歩ずつ近づく日にせねばならのです。
*2023・8・7~
マイナンバーカードと健康保険証
納得を得つつ表裏1枚化に
本稿が先人の叡智から得て人生の有り様(よう)としているのが、「からだ(体)・こころ(心)・ふるまい(技)」という「三身存在論」(東洋哲学の存在論)です。よく観察すればこれ以外に人間存在はないのがわかります。だれの人生のプロセスにも順調に推移する正の時と思うにまかせない負の時があって、負の時の「からだ(医療)・こころ(認知症)・ふるまい(介護)」にかかわるのが「健康保険証」です。これはすでにだれもが頼りにして傍らにたいせつにしているカードです。無くするわけにいきません。順調に推移している正の時にかんする「戸籍・固定資産・車・教育・選挙・・」など、国はさまざまな国民のデータを管理していて、それらを一括してまとめようというのがマイナンバーカード。写真入りで本人確認をしようというのです。が、前述したようにマイナンバーカードと現行での健康保険証の一括化には国民にとって用途にも信頼にも違和感があるのです。ですから2枚体制ですすめて、広報と実用化によって納得を得つつ表裏1枚化に移行するといった構想の柔軟性が必要でしょう。逆では対策あれど構想見えずなのです。
*2023・7・16~7・31~
国連の中小国を代表する日本の役割
市民が支える国際協調
先の大戦のあと、勝利国と敗戦国とを問わずそれぞれに「戦禍」から学んだことを戦後(1945~)に活かせなければ、歴史は繰り返されることになります。それは「第三次世界大戦」と呼ばれることになる大惨劇であり、「第二次」大戦以後の「核」戦力の導入によって、犠牲者は“億人”に達するでしょう。戦火はささいなことに発端しますが、次第に拡大して戻りの道を失い、だれにも止められなくなり、行き着くところまで行って終わります。「第二次」大戦のあと、これまでの戦後70年は、「国際連合」がそれを避ける「国際協調」のしくみとしてなんとか機能してきましたが・・。
「米ソ冷戦期」(~1989)のあと、戦火を交えずに覇者となったアメリカを一極中心とするグローバル自由経済のもとで、開発途上の諸国は、いちじるしく発展をとげた「BRICS(新興5大国)」や後発発展途上国(グローバルサウスの国々)を含めて国連加盟は193カ国に達しています。これらの国々のそれぞれの発展を支援するのが安全保障理事会常任理事国(戦勝5カ国、ロシアも)で、紛争抑止のための軍事力を保持し、多様な発展のプロセスを保障する「拒否権」を付与されて、国際平和の維持につとめてきました。ときには対立しながらも。その重要な立場にあるロシアがウクライナに軍事侵攻したのですから、「国連」の平和維持のしくみの根幹への挑戦です。「冷戦」が戦火になろうとしているのです。
国連を通じて「日本」が独自の立場でできること。せねばならないこと。
先の大戦の敗戦国であり、「恒久平和」をめざす憲法を掲げて、安保理事会常任理事国のアメリカ軍の監視を受けながら、70年の実績をもつ「非軍事平和(専守防衛)」の国づくりをしてきたのが日本です。国民と「歴代首相たち+外務省」がつちかってきた戦後の「平和外交」は一貫しています。ロシアの軍事侵攻に反対する140カ国(G7・グローバルサウスの国々など)に呼びかけて、インドなどとともに代表国を形成して、「21世紀世界平和宣言」を起草し提案する立場を選ぶときでしょう。「戦禍」から学んだ「国際協調」を国民の創意として、中ロを含めた世界の平和指向の市民に訴えるべく。もちろん、米軍を支える米国内の「国際協調」勢力にたいしても。
この夏、海外の視察に出かける国会議員は、手分けして世界の中小国をまわり、国際平和につとめる日本と国連で協働するよう訴えるときでしょう。
*2023・7・10~
「非核非軍事平和」の国づくりを問う「解散」
「戦後世代(団塊を含む)」の長寿人生の役割
多様な異論を想定しつつ、暑熱の8月を前に「戦禍」を体験した高齢者のみなさんの立場から論旨を固めて記します。それが本稿の立場でもあるからです。先の世界大戦のあと、戦勝国も含めて国際紛争の解決に軍事力を用いないことを誓ったはずでした。広島・長崎の”核”の戦禍を体験した敗戦国日本は、人類の滅亡すら予感させる”核戦争”の再来を避けるために、その人類の悲願を託されて”九条”を持つ憲法を国是としたのでした。
5月19~21日の「G7広島サミット」に対する総括で、本稿は「非核平和」のみならず、戦後保持してきた「非軍事平和(専守防衛)」の国土づくりの継承を国民(市民)に問う「解散」を提案しています。新世紀20年余を「世代交流」ではなく「世代交代」を変革の原動力としてきた政界の現状(軍事力増強、「解散」にむけた政党間の場所とりゲーム)では実現がむずかしいことは明明白白ですが。
70年に及んで外の平和を内の戦禍によって”戦後平和期”として守ってきた高齢の人びとが去り、内の平和は外の軍事力によってしか守れないと考える若い人びとが増えて、”戦間期”を迎えようとしているといえるのです。
ですが、国の外の「国際協調」という国連が担ってきた世紀の潮流を見据えた外交としては、国際紛争を抑止するために軍事力を保持する安保理常任理事国(戦勝5カ国、ロシアも)のアメリカ軍の監視のもとで、多大な分担金を担いつつ、とくにアジアを代表する非常任理事国(12回目)として、日本は、多数の中小国(市民)の敬愛を受けてきたのです。いま2023~2024年の非常任理事国の期間に、中小国を束ねて説得し力づける「非軍事平和(専守防衛)の日本」を国づくりの実例しとして示すまたとない契機なのです。
全国の地域(選挙区)の三世代が平等の立場で参加して議論して総括して、軍事力増強・政党間の場所とりゲームを排して、「平和日本」の地域代表にふさわしい新たな代表者を国会に送り出して、「専守防衛」に徹する「日本平和宣言」を決議して高く掲げる・・。
その活動の芯になるのは、「戦禍」のあと貧しさと豊かさを等しく分け合い「一億総中流」を成し遂げ、企業と社会と家庭のために3人前の人生を送ってきた”戦後世代(団塊を含む)”の仲間たちでしょう。子や孫の暮らしを支えながら、高齢者の成熟した生活感性にふさわしい地域社会(モノやしくみ)を新たに構想し創出してゆくことになります。
一人ひとりが目標とする自己実現は、総体として「日本(人)のゆめ・夢・Dream 平和の100年・100年の人生」の達成となって、それを見て後人は次の時代の目標として引き継ぐのです。
*2023・7・1~
「多重標準」の日本文化を意識する
「和風ニッポン」は世界の歴史文化鉱脈
ところが毎朝、起きるとまず気になるのは、二刀流・大谷翔平(Shohei Ohotani)の結果なのです。3月31日(現地)マイアミでのWBCクラシック優勝いらいエンゼルスで好調を持続して、6月末に30ホームラン、7勝3敗、打撃3割台ですが、7月12日のオールスターまでは持続しそうです。野球(ベースボール)という日米共通の人気スポーツでのヒーローとしての大谷(Ohotani )を育てたのは地域(県)対抗の「甲子園」。スポーツでの「和風」という多重性の成果なのです。「文化の多重性」こそ日本民族の特質なのです。
なによりまず「日本語」。本稿の「漢字かなカナROMA字まじり」の日本語表記からしてその証です。こんな歴史を織り込んだ言語表現はほかに見当たりません。日本文化は外来の文化を撚り合わせて総合しています。世界遺産に登録された「和食」をはじめ和服も和風住宅も日常の暮らしの「和風」のありようは、国外からの技術・文化の長所を取り込んだ統合の成果を示しています。
「ニッポンは世界の文化鉱脈である」と本稿は臆せずにいいます。なぜそういえるかというと、はるかな遠い日に、東に向かった文化の波は漢・韓を通じて日本に達して開花し、西に向かった技術の波はローマ・西欧・北米を経てはるかに遠い日本に至って開化したと知れるからです。極東であり極西でもある日本にたどりついて開花・開化しなかった数多のものは、この島国のどこかに埋もれて蓄積されて、知られることなく文化鉱脈となって浅く深く横たわっているのです。そういえる理由は、わずかな特例のほか、この国から西へも東へも出ていった形跡がないからです。
AI時代になって、いまや東方にも西方にもパーツ・アンノウン(知られざる地)はなくなりました。陸からも、海からも、空からも、最終便は着いてしまったのですから、もはや待っていても知られざる新しい波はどこからもやってこないのです。そんな外来文化の溜め込み状況は、日本人は見て、聞いて、触れていながら気づいていないのですが、国外から訪れた人びとは、「クール・ジャパン」として発見を楽しんでいるのです。
*2023・6・12~
「G7広島サミット」を総括する 2
先の世界大戦から学ぶべきもの
「非核平和」はいうまでもなく「非軍事平和」
核はいうまでもなく核なき軍事紛争もあってはならないこと。国際平和のための抑止力として武力を保持している国連の安保理常任理事国(戦勝5カ国)であるロシアによるウクライナ侵攻は断じて許してはならない暴挙ですが、ゼレンスキー大統領を迎えたG7のリーダーは、”不在の在”としてのロシアを説得できる外交的叡智を発揮して、紛争解決に当たる方途を論じるべきだったでしょう。まことに残念なことに、議長国日本の岸田首相には「反核平和」はあっても「非軍事平和」の構想がなく、「G7広島サミット」はゼレンスキー支援に終始したのでした。
軍事力増強は”平和の大地”であった日本各地での弾薬備蓄を現実化し、さっそくアメリカから火薬・弾薬供与の要請がなされるに及んでいるのです。
*2023・6・5~
国民(市民)が国をどう守るか
「非軍事平和」の国づくりを確認する「解散」が大義
多大な軍事費を先に決めて、のちに予算化するというやり方は戦前と変わらない手法です。歴史から学んで、「専守防衛」に徹して、77年にわたって”戦後平和”の国づくり(国民)・まちづくり(市民)・人づくり(個人)に専念してきた日本。ところがいま戦禍の体験のない首相と閣僚は、国民的議論を経ずに、平和で自由で民主主義の国を軍備増強によって守るという政策をとろうとしているのです。平和を守るどころか、軍備増強によって新たな”戦間期”に入ることになり、その先のステージは”戦前期”に・・。
岸田首相と閣僚は、決定の順序をまちがえているばかりか、先の世界大戦のあと「戦禍」を胸の奥深く体験として蔵しつづけた先人の思いを受け継げず、胸の中の平和の記憶を外の軍備によって守ろうとしているのです。本稿が掲載している 半藤一利氏と 藤井裕久氏による対話(後出)で、おふたりが憂慮していた国の姿です。
岸田内閣の独断を許すことなく、まず市民・個人として「非軍事平和」の国を守る意志・方途を固めて国論とし、そののちに国会で「専守防衛」のあり方・ 軍事力・軍事費を論じ、「国際平和への日本宣言」を発するのが、歴史に学んで歴史をつくる日本国民の叡智といえるでしょう。
5月19~21日の「 G7広島サミット」を終えたあと、党利党略を排して、国民の国防に対する意志を問う「解散」をすみやかに実施すべきでしょう。 閣議決定のみですすめている「軍事力増強」の方向に、民主主義を自得した一人ひとりの市民として、危うい国策に「NO」を突き付ける。これが民主主義を自得した市民の意思表示であり、大戦後に国際的に付託されている「世界平和維持」の意志を日本の市民が保持していることを国際的に発信することになるのです。平和を希求する世界の市民に、日本市民が将来への希望と安心を与えられる歴史的なチャンスなのです。「G7広島サミット」よりはるかに広く深く確かに。
2023・5・19~5・21
「G7広島サミット」を総括する 1
5・19 「G7首脳広島ビジョン」
国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のダニエル・ホグスタ暫定事務局長は、19日に発表された核軍縮に向けた声明「G7首脳広島ビジョン」について「新しい内容がなく期待外れ」と厳しく批判。「平和記念資料館や被爆者との面会で感じたことが声明に全く反映されていない」と指摘。「写真を撮って献花するだけでは意味がない」と嘆いた。(時事通信)
5・20 「ガンジーの胸像」がお披露目
「G7広島サミット」に招待されたインドのモディ首相は19日、広島に到着。20日朝、広島市平和公園そばにある元安川東側の河岸緑地を訪れました。首相が見守る中、インド独立の指導者ガンジーの胸像がお披露目されました。この胸像は「平和都市として知られ、不屈の精神で原爆から復興した広島市に」としてインド政府から広島市に贈られたもの。広島市松井一実市長は「ガンジーの胸像がこの地に設置できたことは、非常に象徴的なこと。人と人が仲よくなるきっかけになれば」とあいさつ。( RCC中国放送・日テレNEWS)
*2023・5・1~8~15~
「こども家庭庁」とともに「高齢社会庁」の設置を
国際的先行モデルの構想と形成へ
4月9日の「統一地方選挙」では、道府県議選の平均投票率が5割をきって44.02%で、過去最低に。その中で「維新」の躍進だけが際立つ結果になりました。これは何を意味しているのでしょうか。二つのこと、国政によりかかる地方自治体へ自治不在への不満、二大政党対決より現場の緊急課題を解決する実務政治への要求の現れといえます。
過日の「総選挙」でも、今般の「統一地方選挙」でも、「高齢化」は課題として取り上げられず、議論はありませんでした。4月の「こども家庭庁」の発足は喜ぶべきことですが、世紀初頭の「高齢社会庁」の設置を急がねばならないのです。「少子化」とともに「高齢化」は今世紀の重要な両翼のテーマなのですから。
孫育てに親世代とともに務めるとともに、自らの成熟した生活感性にふさわしい「高齢化社会」(モノやしくみ)を 新たに達成することが次世代のための新たな事業活動であるという逆転の思想(世代交代から世代交流へ)を潮流とすること。
1994年の「高齢社会対策基本法」(前文「長寿をすべての国民が喜びの中で迎え、高齢者が安心して暮らすことのできる社会の形成」)の制定から29年、1999年の「国際高齢者年」(テーマ「すべての世代のための社会をめざして」)から24年、高齢化率29.1%、平均寿命女性87・5、男性81.7というわが国は、国際的に「少子高齢化」社会の先行モデルの構想と形成への経緯が注目されているのです。
「世代交代」ではなく「世代交流」による自治体の特質を活かした「地域共生社会(生活圏)」の創出。その着実なプロセスが、「非軍事平和」のまちづくり・人づくりとして、各国の平和指向の市民に将来への安心感と希望を与える国際的な貢献になるのです。高齢化社会づくりによる「経済伸長」は急務です。
*2023・4・3~
「 先進的な高齢社会」を達成するための考察
欧州諸国に周回遅れの「日本社会の高齢化」
この新世紀の20年間、日本社会が「高齢化」に向かっているとはいえないことは実感していても、欧州先進諸国に「周回遅れ」と言われたらなぜ?と思う人は少なくないでしょう。
21世紀の国際的潮流が「高齢化」にあると見通した国連は、世紀末の10年を準備期間として、1999年を「国際高齢者年」(「すべての世代のための社会をめざして」がテーマ)とさだめて、各国に対応を求めました。
わが国も「1999国際高齢者年」には当時の総務庁を窓口にして、全国で1084の関連事業を展開して対応しました。そののちも医療・介護・福祉・年金など「高齢者個人に関する高齢化」対策では先進国としてそん色のないレベルを保持してきました。そして「社会の高齢化」についても同等レベルを保持して並走しようとしているのです。内閣府の「人生100年時代構想会議」にイギリスからリンダ・グラットン女史を議員に招聘して意見を聞いたりして。自国の高齢活動家をひとりも加えずに。
「高齢化率」29%+という人口比で4分の1を超えているのは日本だけ。2位のイタリアの23%+をはじめ、欧州の先進諸国は「高齢化」に関しては後進国なのです。ですからわが国はトップ集団から抜け出して、先行して独自の「社会の高齢化」を試行しつつ国際的事例を示さなければならない立場にあるのです。
それをせずに並走した20年、「周回遅れ」の現状を露呈しているのです。「世代交代」による社会の「若者・女性化」、高齢者対応のモノやしくみの不在、労働力の欠如、一人当たりGDP20位以下という国際的評価に現れています。
ご記憶にあるように、世紀初頭の日本社会の改革は全員参加の「 世代交流」には向かわずに、「世代交代」の嵐が政界を中心に各界に吹きまくったために、「若者・女性化」が潮流になりました。高齢者が培って保持してきた技術・知識・経験・人脈・資産といった潜在力は活かされてきませんでした。「社会の高齢化」事業は潮流とはならず、なんとか先人の尽力で底流はしているのです。この20年に高齢人材の潜在力を活かすことができれば、労働力移動と経済伸長が保持できて、一人当たりGDPが20位以下という 停滞を生じることはなかったのです。日本の急激な凋落などありえないのです。
*2023・3・27~
統一地方選での選択は
国に「NO」をいう市民の意志表示
4年に一度おこなわれる「統一地方選挙」は、1947年の第1回には同日に100%の自治体で実施されたのでしたが、20回目の今年の「統一率」は3割を切るようです。ですから4月9日と4月23日に選挙にゆく有権者は限られることになりますが、とはいえ、国に対する自治体の意志は十分に表現できます。国が閣議決定のみですすめている「軍事力増強・非平和」の方向に「NO」を突き付けることができるはずです。これが民主主義を自得した一人ひとりの市民の意思表示であり、国と異なる「平和保持」の意志を市民が保持していることを国際的に発信することになるのです。中露を含めて世界中の平和を希求する市民に日本市民が将来への安心を与えられるのです。「G7広島サミット」よりはるかに広く深く確かに。
岸田首相は強く「非核」は言いますが、「軍事力増強」については自分からは言いません。軍事費を減らすならともかく、増大して「平和」が守れるわけがないからです。わが国の各地に爆薬を貯蔵することなどあってはならないことです。先人が70年にわたって固めてきた「平和」の大地に弾薬を貯蔵するなど、絶対にあってはならないことなのです。そのための予算など通すことはできません。
「非核宣言自治体」は全国で1600を超え、その宣言文には「非核」とともに「恒久平和」の実現を謳っています。それを確認する機会が今回の統一地方選挙。
*2023・3・6~13~
「戦火の犠牲」になった300万人の人びとの
心火がこの国の前途を示してくれている
日本の新型ロケット「H3」は3月7日、再打ち上げにも失敗し、爆破司令を出して空中で爆破しました。先端技術の国際的信頼へのダメージは計りしれませんが、その上にいま日本の歴史的・国際的誇りである「非軍事・平和の国づくり」の灯火まで消そうとしているのです。
「戦火の犠牲」になった300万人余の先人のあるべき人生を偲びつつ、全土の戦禍を引き受けて、みんなで営々として積み上げてきた戦後復興・高度成長・一億総中流の遺産を、保持し伸長することなく浪費してしまったといえる安倍政権と軍事力増強をすすめるその後継内閣をどうして評価できるでしょう。去世していった先人の心火によってこの国の前途を示してくれているのです。それが「非軍事・平和」の国づくり(国民として)・まちづくり(市民として)・人づくり(個人として)です。後人としてこれだけは守らねばならないのです。
[ 晩 の丈風 ]
・*・*・*・*・*・
文温の絆 いまを時めく四字熟語 五日復一語
「路人皆知」(ろじんかいち)
路ゆく人だれもが知っていること
「路人皆知」(ろじんかいち)
路ゆく人だれもが知っている「路人皆知」(『三国志「魏書・少帝紀高貴郷公伝」』から)という成語は、三国時代に魏帝曹髦(そうぼう、曹丕の孫)が、実権を奪って帝位をねらう大将軍司馬昭を討つときの「司馬昭之心、路人皆知」に由来します。子の司馬炎(司馬懿の孫)が晋朝をたてる基礎固めを公然と行ったことから陰謀家の野心を形容する際に用いられています。
最近の米日韓軍事連携や台湾への介入、人権問題、経済的威圧、敵基地攻撃力や尖閣領有などは中国敵視の内政干渉であるとして、中国政府はこの「路人皆知」といって批判しています。子どもたちは尖閣の日本領有をこの成語の解説事例として教えられているのです。「広島G7サミット」への反応は、中国を中傷し内政に乱暴に干渉している」として反論。「強烈な不満と断固とした反対」を表明、大使を呼んで日本政府に「厳正な申し入れ」をすることに。
広島ばかりか日本全国の市民の「路人皆知」が原爆のない世界平和であることを、どうしたら両国の市民が共有できるのでしょうか。 (連載「web円水社+」から)
未公開トーク
追悼:半藤一利・藤井裕久 対話
国家の品格は「平和」を守ること
歴史探検家と政界顧問が憂慮する「平和から新戦間期へ」の萌芽
半藤 一利(はんどう かずとし)1930・5・21~2021・1・12 90歳
藤井 裕久(ふじい ひろひさ)1932・6・24~2022・7・10 90歳
緊急公開 半藤・藤井対話本文 ダウンロード
ともに胸の奥に深く「戦禍」を蔵しつづけた 半藤一利氏(1930昭和5年~2021令和3年)と 藤井裕久氏(1932昭和7年~2022令和4年)による対話は、近代史、現代政治、戦争と平和、憲法百年、国家の品格まで、亡羊を求めて多岐にわたりました。わが国の今を読み解く示唆に満ちています。穏やかな「浦霞」の薫香をかよわせて酔余問答は大学時代のボート(半藤)と野球(藤井)にまで及びました。(2018・6・5 芝白金台・藤井裕久事務所にて)
国際協調の潮目がまたアメリカから反転
藤井 アメリカにばかりに頼っていて逃げられたらどうするのか。北東アジアの平和は中国・ロシアも含めて成り立っているという認識がほしい。
半藤 アメリカは損をしてまで世界のリードをとる必要はない。アメリカ・オンリーでいこうと国際協調から引いたときに、世界中がわが国オンリーで保護貿易になっちゃって、その影響でウオール街の暴落が起きたんです。
藤井 そうです。歴史的に第一次大戦のあとに似ている。単純には言いにくいけれど、米英仏に後進国の日独が反発して戦争を起こしているんです。
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記事・月曜掲載・日々更新・・・
*2023・2・20~27~
「非軍事平和の国づくり」を
戦争を知らない首相が放棄する
2022年2月24日にロシア(プーチン大統領)が「特別軍事作戦」と称してウクライナ(ゼレンスキー大統領)に侵攻。あれから1年。その間に、事態は解決に向かわずに世界規模での影響という悪化の状況にあります。
日本(岸田首相)にも種々の影響が及んでいますが、なかでも重要なのが「非軍事平和の国づくり」変容への圧力です。
先の大戦(敗戦)によってこの国の焦土に残された戦禍を引き受けて、70年余に及んで営々として築き上げてきた「非軍事平和の国づくり」を、戦争を知らない首相の判断(独断)で変容させてしまうことなど許されません。後進的民主主義国という立場で真摯に”戦争の歴史”に学べば、とってはならない対処法であり、やってはならない暴挙なのです。
*2023・2・13~
四季の風物と国民の「おもてなし」が
世界平和への常日ごろの貢献
終戦(敗戦)のあと70年間、反省をこめて国是としてきた「非軍事・平和」は、国連設立の趣意に従って、戦争勝利国アメリカに”軍国化”を監視されながら、国民が支持しこしらえてきた国の姿の礎です。
「反撃能力(敵基地攻撃能力)」とは何ということでしょう。平和に徹するこの国を攻めてくる敵基地がどこにあるのでしょう。大戦戦勝国はアメリカだけではなく、中国もロシアも戦後の国際的希望である「平和日本」を守る責任があるのです。「専守防衛」を逸脱するような軍備増強と多大な軍事費増については岸田内閣の意向がズルズルと既成事実化される公算が大きいのです。多大な軍事費を先に決めてのちに予算化するというやり方は戦前と変わらず、決定の順序をまちがえているのです。緊急にどうすべきか。岸田内閣の独断を許さず、解散をして国民の国を守る意志を確かめ、そののちに国会で軍事力・軍事費を論ずるのが、歴史に学び歴史をつくる叡智といえるでしょう。
野党と与党内の平和保持勢力と党派に属さない人びとが立ち上がり、マスコミを巻き込んで新たな潮流を起こす時なのです。後世の人びとが、われわれの姿を見ているのです。
戦禍を体感・記憶している高齢者が「昭和の歴史」から学び、「兵役」を知らない若者が国を守る「公役」として何をしたらいいのかを議論して、何兆円もの軍事力増強のための増税など必要としない国づくりを確認すること。地元民の創見・総意を託して新たな代表を国会に送ること。そのプロセスと結果なら、国連の多くの国々の市民も賛同し支持してくれるでしょう。これが国際平和への日本市民の貢献です。とくに安保理常任理事国はそういう平和への意志・活動を支え推進しなければならない立場にあるのです。
わが国に、しごとで、会議で、観光で、留学でおとずれる人たちは、四季折り折りの美しい風物と平和で平等で分け隔てのない「おもてなし」に満ち足りて再来を約して帰るのです。そういう国でありつづけたい。
*2023・2・6~
「施政方針演説」から
岸田総理の「施政方針演説」(1月23日)から次の3点につきコメントをいたします。
1 軍事力増強・軍事費増大
昨年らい岸田首相は、2023年のG7(被爆地ヒロシマで開催)議長国として、2023年から2年つとめる国連安保理非常任理事国の立場で、民主主義国の結束を呼びかけて「国際平和」外交を精力的につづけてきました。大戦後の日本国民が70年にわたって支持し、歴代の外相+外務省が貫いてきた「非軍事・平和の国づくり」を、いまこそ国際世論とせねばならないときです。安倍氏もその点では外交の一貫性を保持してきました。
ところが岸田首相は「非軍事」という日本の国際的評価を変えようとしているのです。国際平和への外交力を支え裏付けとなる軍事力強化であり、民主主義諸国の賛同は得られているというのです。
ここで“総理”として見定めねばならないのは、隣国の中ソ途上大国の動向です。その反応を黙視して、国際協調のバイデン政権下とはいえ自衛隊の「(敵基地)反撃能力」の所持で米軍に一体化し、軍事費の歴史的増額を訪米して約束しています。岸田首相は「日米同盟についていっそう連携を強く確認することができた」と「自鳴得意 」に誇っているのです。が、このまま進めば、岸田氏は戦後平和期の日本を新たな“戦間期”に引き込んだ首相となるのです。「非軍事・平和の国ニッポン」の明日を決めるのは、「非軍事・平和の国づくり」に徹してきた国民の創見・総意以外にありません。
2 インフレ率を上回る賃上げ
新世紀20年を現状維持が精いっぱいで、実質業務での収益に乏しく、地を這うようなゼロ成長で経過してきた日本企業が、どうやったらインフレ率を上回る賃上げができるというのでしょう。実現不能な要請であることは当事者ならずともわかること。企業が賃上げを優先して諸物価を上昇させればインフレがさらに進行するのはあきらかです。ここでも判断をまちがえているのです。若者・女性による成長力(アベノミクス)に頼るだけでなく、知識・技術・資産・人脈・労働余力を保持する高年世代に呼びかけて、その潜在力を活かした「地域共生社会」づくりの内需による伸長力(エイジノミクス)によって経済の活性化をはからねばならないのです。この発想の転回こそが、世界ダントツの「高齢化」を成し遂げた日本が指向し実現させねばならない「ジャパン・ファースト」の国際的役割なのです。
3 異次元の少子化対策
「少子高齢化」という現実をみずに「少子化」だけをとりあげる政策では「子そだて」課題の解決にはならないのです。「子そだて」に格差を生じるだけ。これも「地域共生社会」づくりのテーマとして、子どもたちと同じ地域で暮らす高齢者(祖父母)の力を合わせて家族・地域で取り組まなければ根本的な解決にならないのです。本稿が年来提案し憂慮しているように、「高齢社会庁」と「こども家庭庁」は同時進行すべき両翼の課題なのです。
*2022・12・26~
「ニッポンの夢」は
どこにも敵をつくらない国づくり
◆外国が日本を攻撃しようとした場合に、その国のミサイル基地などに打撃を与える能力を自衛隊がもつことに賛成ですか、という質問を『朝日新聞』が12月中旬(17日、18日)に実施した世論調査でしています。相手の領域内を直接攻撃するいわゆる「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有にかんする質問です。世論調査として成立しているとはいえ、これほど深刻で多岐にわたる影響をもつテーマをわずか1000余のサンプルで結論を得ることなどできないのですが。
これに対する答えでは、男女別では男性は賛成66%反対29%で、女性は賛成47%反対47%でした。年齢別に見た場合では、18~29歳は賛成65%反対32%で、70歳以上は賛成51%反対41%でした。ここで注意すべき傾向がふたつあります。ひとつは「平和ぼけ」か、戦禍・戦後のきびしい暮らしや安保闘争・学園紛争を体験している高齢層で賛成が上回っていること。もうひとつは若者の3人に2人が賛成だということです。戦争の記憶がなく、兵役を知らず、武器に触れた経験もない「平和づけ」の若者たちが、将来の「平和」への不安を解消するために、自分が担う意識をもたずに現実的な軍事力増強を選んでいること。軍事力を増強せずに「平和」を保持する後人として育っていないという経緯です。高齢者を越える「保有反対」が若者にあってこそ将来の「平和」は確保されるのですから。
・・・・・・・・・・・
質問の趣旨からいって、外国(隣国)との関係の悪化を想定してのもので、回答者は北朝鮮・中国・ロシアを仮想敵として答えたのでしょう。前記の若者の答えに見るとおり、70年間の「平和日本」は世代伝承として平和指向の後人を育てられなかったというのが現実です。
本稿がここで指摘したいのは、マスコミは多く触れていませんが、本当の相手はアメリカだということなのです。民主主義の擁護を声高に語りつつ軍事力増強という自衛隊の「米軍との一体化」と軍需産業への資金注入が隠密裏に進行していくのです。大戦後、日本の軍国化を監視してきた戦勝国アメリカの変化に気づかなければならないのです。短くは指摘しずらいのですが、アメリカ軍を支えているのはアメリカ国民であり、その「国際協調」のリーダーとしての強い国論でした。それが「アメリカ・ファースト」という横波を受けて揺らいでいるのです。
超1000兆円の債務を積み重ねたうえに、将来、何千何万ともしれない戦死者を生じる軍国化に踏み出す政権を、国民は静観してやりすごすことはないでしょう。新世紀20年の現在、「世代交代」の末に、長期的視野に立って“歴史的現在”(のちに歴史が証明する)を見通せる政治家がいなくなっているのです。言い過ぎないように言いますと、戦前の経験から学んで、マスコミ・野党、学生・無党派層の人びなどがいっせいに声をあげないと、歴史は繰り返されることになります。わが国が戦前の経験から学べず、国際的に他国もまた学べなければ、戦争の歴史は繰り返されることになります。想像もつかない限りなく大きな犠牲を払って。(2022・12・26)
*2022・12・19~
「安保関連3文書」のようにすすむなら
「戦後平和期」は新たな「戦間期」に
「戦後日本の安保転換」(『朝日新聞』2022年12月17日朝刊)という見出しを前にして、早送りテープのようにではなく、ピチパチ跳ねる油滴のようにして、胸の奥に鎮まっていた切れ切れの「戦後」の映像や音声が次々に跳び出してきました。「戦争」の記憶をもつ人なら同じような反応を起こしたことでしょう。
それにしても77年ものあいだ先人が努めて保ってきた「戦後日本の安保」の態様が変わろうとするとき、世情はどうしてこんなに静かなのでしょう。かつて将来の日本のために「60年安保闘争」を体験した高齢者は「平和ぼけ」したのでしょうか、兵役を知らない若者は「平和づけ」で、振り子がむかう対極にあたる「戦争」の実態が不確かなためでしょうか。動きはじめたら、もうだれにも戻せないのです。
「安保関連3文書」のようにすすむなら、この国の「戦後平和」は新たな「戦間期」にはいることになります。310万人という犠牲者を出して、大戦後に軍備を放棄し、戦勝国(国連安保理常任理事国)であるアメリカによる軍国化への監視下にあって、「平和国家」づくりに徹した日本を、世界の多くの中小国は評価しているはずです。観光で、会議で、留学で、しごとで訪れる人びとは、平和で平等で四季の風物の美しい日本の「おもてなし」に満足して再来を願って帰るのです。そういう国でありつづけたい。
「国民の決意」は、「敵」を想定し「敵基地攻撃能力」を保持して抑止力を強めるといった軍備増強ではなく、敵をつくらず、友好交流し、専守防衛(国土保全)に努めて「非軍事平和の国づくり」に徹することにあるでしょう。
岸田首相は、ヒロシマ選出の議員としてG7を成功させたいなら、保守派の支持を期待して党総裁でありつづけようとするのではなく、国民の要望をしっかり受け止めて、来年の地方選に勝って与党の基盤を強くすることが本筋でしょう。
*2022・12・5~12~
70年つづいた「専守防衛」が
わが国への国際的評価をつくった
防衛費を減らすならともかく、防衛費を大幅に増やして平和を守ることなどできません。何兆円もの資金が、平和で豊かな暮らしを支える車や家電や教育・・といった分野から軍需産業へと重心を移すことになるからです。
敵をつくらないわが国が「仮想敵」を想定して対抗する措置として、軍備を増強することになれば、やがては軍と少数の関連大企業が国民の目の届かないところで癒着して、自己増殖していきます。使用不能の米ソの核弾頭所有がその事例です。産業ですから使えるものは消耗(局地戦争)させて新しく置き換えていきます。防衛費増を望んでいる企業の事情を熟知している政治家が、「仮想敵」の脅威を声高に言いつのって実現させようとしているのです。
「軍備増強」にかんするあまりにも露骨な動きを3点取り上げておきます。
1 EU諸国と同じ2%という基準に合わせてはならないこと。先の敗戦後に戦力の放棄を憲法に記して、干戈を見ずに70年余りを過ごしてきた日本。それと複雑な事情のある欧州とでは、平和を守る姿勢に大きな差があって当然なのです。
2 実態を究明し、国民に対してていねいな説明もなしにまず資金ありきは論外なこと。とりわけ無理強いして賃上げを要請している企業にさらに法人税での増税などありえない。すでに超1000兆円という国債も、これ以上の発行による後代への押し付けはむり。子育てや高齢者医療での出費増も迫ります。自衛力の増強は一内閣の拙速な判断ではなく巧遅をいわれても国民に問うのが国づくりの基本です。
3 ヒロシマとの違い。原爆被災者の尽力で、国際的な平和運動の聖地となったヒロシマ。そこでの来年のG7で、軍事費大幅増をおこなった政権がどう国際平和へのメッセージを発信できるのでしょうか。観光で、会議で、留学で、しごとでこの国にやってくる人びとは、軍事増強をせずに自衛ができる国と知って、平和と風物と分け隔てのない「おもてなし」を満喫して帰っていくのです。国際的な評判を崩すことがあってはならないのです。
来年2023年から2年間、わが国は国連安保理事会の「非常任理事国」を務めます。国連は設立以来の機能からいって、「戦後平和」が新たな戦前に向かうことを許すわけにはいかないのです。日本(とドイツ)や他の途上諸国の軍国化を監視し、国際平和を守るのは、アメリカだけではなく、5戦勝国(安保理常任理事国)はどこもその責務を負う立場にあります。「非軍事・平和の日本」を守る責務を、隣国である中国やロシアも負う立場にあるのです。それを確認し、世界の中小諸国の「非軍事・平和日本」への賛同と支持を固める外交を展開する、これこそがアジアを代表して非常任理事国を務める日本の独自の重要な国際的任務なのです。2022・12・12
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*2022・11・21~28~
新世紀20年に際立つ劣化(国際比較)
G7どころかG20もあやうい現実
日々の暮らしで気づくことはないのですが、新世紀20年のあいだにわが国が国際比較で渋滞・劣化しているいくつかの問題点を指摘してみます。
・国民一人あたりのGDP GDP国別比較では米中についで3位を保持していますが、国民一人当たりのGDPでは27位(2021年)で、上向く気配がありません。増えつづける高齢者がコロナで閑居し、保持している技術・知識・資産・人脈などを「経済伸長」(経済成長)に活かせなかったことが大きな理由なのです。
・技能劣化 「技能五輪国際大会」(第45回、ロシアのカザン、2019年8月)には62か国・地域の1348人が参加、56職種の競技が行われ、日本は42職種に48人が参加し、情報ネットワーク施工、産業機械組立てで金メダル2個(国別7位)、銀3個、銅6個、敢闘賞17個でした。56職種で金メダル2個で技術立国といえるでしょうか。工業高校・農業高校の充実をはからず、大学進学の教育に偏っている。
・知能劣化 「世界大学ランキング」(英誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション2022年版)によると、99カ国・地域の1662校のうち東京大学35位(昨年36位)、京都大学61位(昨年54位)にランクイン。アジアでは北京大学・清華大学16位、シンガポール国立大学21位、香港大学30位、ソウル大学54位に。レベルの高い学術国家の評価は得られていないようです。風潮としての”愛痴化(バカ化)”が助長していなければいいのですが。
・食料受給率 カロリーベースの食料自給率は38%。飼料自給率は25%。生産額ベースの食料自給率63%。飼料輸入額や原料輸入額が増加すると生産額ベースの食料自給率は低下します。世界中に広がる「わが国ファースト」の影響を受ける前に、すみやかに食料自給率を回復する必要があります。製品を輸出して食品を輸入する”飽食の時代”は終わっているのです。2022・11・21
*2022・10・31~11・7~
100年の先を見通す中国
あすの展望が見えない日本
焦点距離の短いレンズで日本の現状を見ている人びとには、遠景のような中国の100年先の姿を望み見ることはできないでしょう。これまでの100年の経緯を確認し、第二の100年に向かおう 、と習近平総書記は、全党、全国の各民族人民、同志に呼びかけているのです。(10月16日、「中国共産党20次全国代表大会」報告)
中国の歴史はおよそ300年をつないだ断代史
中華文明の智恵の結晶(10古語)
現代の「人民共和」の国家体制300年の歴程を、およそ考察することができるのです。その「史不絶書」の観点からすると、紆余曲折はありながらも毛沢東、鄧小平、習近平期の3つの経緯は、その初期に当たるとみているのです。これから100年の盛期に向かって、伝統を活かして、偉大なる中国の復興(「民為邦本」、中国特色社会主義)を実現しようというのです。
そのために活かす中華文明の智恵の結晶(10古語)として、「天下為公」「民為邦本」「為政以徳」「任人唯賢」「天人合一」「自強不息」「厚徳載物」「講信修睦」「親仁善隣」とともに「革故鼎新」をとりあげています。故(ふる)きを革(あらた)めて新たに鼎(たて)る「革故鼎新」(『周易「雑卦」』から)ことではじめて具現化されるからです。
唐王朝の初期にも叫ばれて大唐盛世を現出し、近代にも『新青年』第一巻第一期 に掲げられています。「日進月歩」より速い「日新月異」の勢いですから、だれにもその姿は定かではありませんが、確実にありつづけるのです。
「革故鼎新」を掲げて「前無古人」の事業を展開する中国と「親仁善隣」の立場で、日本としては今後100年を付き合う覚悟をせねばならないのです。
どう付き合うか。長期的にみると定見を持たずに外来の”良きもの”を移入して”和風”に仕立てて活用してきた日本が、中国(2000年の)、ロシア(300年の)、アメリカ(200年の)という隣接3大国と向き合って、短・中期的に全容を見渡して、対立を解消するような平和外交がどこまで可能かということ。
どうすべきか。コロナ禍対応では後手にまわり、旧統一協会問題で政権基盤をゆさぶられ、後人にツケをまわす超1000兆円の負債を積み上げた現政権にはとても不可能なこと。無党派層も参加し、街なかで「大隠」している長老や「山中宰相」の達見にも耳をかたむけ、「世代交代」ではなく「世代交流」に努めて、国民が持つ潜在力を発揮して国政を根本から築きなおす改革の正念場なのではないでしょうか。
制定70年を迎えた憲法の全国民参加による論議は今そのときの到来というべきでしょう。本当の「黄金三年」を迎えるために、「解散」もふくめて、野党やマスコミはその風をあおる役目を果たすときなのです。2022・10・31
・・・・・・・・・・・
*2022・10・17~24~
安倍元首相の「国葬」のあり方が
「国際平和へのメッセージ」に
歴史的国家的セレモニーである「国葬」として、安倍晋三元首相の葬儀は、 “ヒロシマ” がそうであるように、日本からの「国際平和へのメッセージ」を発現する舞台となりえたのでしょうか。
繰り返して述べていますが、国際平和を守る役割の国連で、戦争を回避するための軍事力と「恒久的権限(拒否権)」を付与されているのが国連安保理常任理事国(戦勝5カ国)です。あろうことか、その立場にあるロシアによる武力侵攻というゆゆしき事象に直面しているのです。
ここでこそ今、平和国家の「新事例」を実現している日本からの「国際平和へのメッセージ」は重要であり、とくに来年から安保理非常任理事国を務める日本にとっては外交信条でもあるのです。
・・・・・・・・・・・
ところが葬儀を主宰する岸田首相は、その根幹である”国民的総意”の形成を考慮せず、個人的見解を優先して「国葬」としたことで、「国葬でないほうがよかった」という国民の過半の評価を生じることになりました。際立って賛成が反対を上回っていた30代以下の若年層までが支持を減らしてしまったことで、安倍政治の継承や憲法論議、岸田政権(黄金三年)の存続への影響は避けられないでしょう。
日本国民と「歴代首相+外務省」が
つちかってきた戦後の「平和外交」
安倍氏が「地球儀を俯瞰する外交」を自負して訪れた国・地域は80、のべ176に及ぶといいます。これは日本国民と「歴代首相たち+外務省」がつちかってきた戦後の「平和外交」のラインに重なる実績として評価できるもの。
「軍事力なき国」に暮らす国民と「平和・自由・立憲・民主」をめざす政界の諸会派が、合わせて「恒久平和の国づくり」への賛同と共有の場としての「国葬」に参集できれば、「日本国と日本国民」への敬意の表現として訪れる世界の国々の代表に「国際平和へのメッセージ」は納得されたでしょう。
大局観に立った首相のリーダーシップのもとで国民的総意を形成して、「成熟した民主主義国」での「国葬」でありえたならば、一歩すすんだ姿を発現する歴史的国家的パフォーマンスとなりえたのです。
この一点に政治生命をかける政治家岸田文雄の言動が国論を左右する局面として注目されたのです。残念ながら新局面は開かれず、岸田政権(黄金三年?)はありえなくなりました。「国葬」にあらざる「国葬」ゆえに、遺骨をかかえて右往左往している昭恵夫人の姿は痛々しいかぎりです。 2022・10・17
再録 「10月1日 国際高齢者デー」
「三世代平等長寿社会の日」宣言 日本丈風の会
平和裏に迎える「高齢化」を21世紀の国際的潮流と見通した国連は、20世紀末の1999年を「国際高齢者年」とし、10月1日を「国際高齢者デー」と定めて、世界の高齢者が自立して「すべての世代のための社会をめざして (towards a society for all ages)」の活動に参加するよう呼びかけました。
わが国も当時の総務庁を中心にして、自治体や民間団体が参加して、全国で1084件の事業を実施しています。
その日から20年余、この間に際立ったことといえば、世代交代、GDP・賃金の停滞、非正規社員化、日用品の劣化、格差の定着、”愛痴”化(バカ化)も・・などでした。
「高齢化」で先行するわが国(高齢化率29.1%)には、「高齢社会」の国際的モデル事例が期待されているのです。ですが、高齢者の潜在力(知識・技術・資産・人脈・・など)を活かせず、現状はその達成に向かっているといえません。
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政府の高齢化対策としては、「医療・介護・福祉・年金」といった「高齢者(ケア)対策」においては、欧米と比較しつつ成果を収めてきました。
しかしどこにも先例がない「高齢社会(参加)対策」については、基本構想として「高齢社会対策基本法」(1995年に村山内閣が制定)を掲げて、対策内容としては「高齢社会対策大綱}(1996年に橋本内閣が閣議決定、5年ごとに見直し)を検討していても、実現する「高年世代」(アクティブシニア)が広範に登場するまでは進展をみませんでした。
この間20年余、未萌の姿を模索しながら活動した先人は、将来を憂慮しつつ去っていきました。惜別の声が聞こえます。
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これからの20年、世界最速で高齢化率25% (65歳以上の人口4分の1に、2013年) に達したわが国は、青少年世代、中年世代とともに第三の現役である「高年世代」を成立させて、平和を保持するとともに、潜在力(知識・技術・資産・人脈・・など)を活かして新たな「高齢社会」(モノ・サービス・しごと・しくみ・居場所・住環境・移動・高齢社会庁・・など)を創出し、世代交流、GDP伸長、賃金安定、正社員化、日用品地産化、格差是正、文化熟成に向かわねばならないのです。
一人ひとつの人生をかけて。
細目:略 2019年10月1日~2022年10月1日
国連の「高齢者五原則」は 自立・参加・ケア・自己実現・尊厳 20191001~20221001
上の宣言にご賛同のうえお仲間に転送してください。一人ひとつの人生でどれほどのことが可能かは知れませんが、小さくとも水玉模様のように重なり広がれば・・
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