現代シニア用語事典-「賀寿期5歳層」のステージ

「賀寿期五歳層」のステージ
これは「長寿時代」をパイオニアとして暮らすための指針であり、本稿の創見のひとつである。知ると知らないとでは高齢期人生に雲泥の差が生じる。 本稿が提案している「長寿時代のライフサイクル」の「高年期」(60歳~)と「長命期」(80歳~)を、ひとつひとつの「五歳層」に分けて、その年齢階層らしく迎えて過ごす。なだらかな丘を同年層の仲間といっしょにゆっくりとマイペースでトレッキングするような爽快感があればいい。
「定年退職」のあとを「余生」と決めて、孤独な不安にも耐えて生きるのが男の美学というならそれでもよい。いつかは訪れる死はひとりのものだからだ。が、生き急ぐことはない。中年期のしごとがつらかったから遊んで暮らしたい、人間関係に疲れたからひとりになりたいという人の自由を奪うことなどできない。
先人は見定めえない人生の前方に次々に「賀寿」を設けて個人的長寿のプロセスを祝福して楽しんできた。いまも「何何先生の米寿の会」「おばあちゃんの卆寿の会」は個人の「賀寿の会」としてそれぞれに祝われている。しかし六〇歳以上の約三九〇〇万人の高年者が多くの仲間とともに暮らしているのだから、励まし合いながら百寿期を目ざすのもいいではないか。
還暦期(六〇歳~六九歳) 昭和二七年~昭和一八年
古希期(七〇歳~七四歳) 昭和一七年~昭和一三年
喜寿期(七五歳~七九歳) 昭和一二年~昭和八年
傘寿期(八〇歳~八四歳) 昭和七年~昭和三年
米寿期(八五歳~八九歳) 昭和二年~大正一二年
卆寿期(九〇歳~九四歳) 大正一一年~大正七年
白寿期(九五歳~九九歳) 大正六年~大正二年
百寿期(一〇〇歳以上)  大正元年以前
2011年は日野原重明さんが百寿期に達して話題になった。2012年は新藤兼人さんが到達したがゴールして亡くなった。卆寿期には瀬戸内寂聴・水木しげる・鶴見俊輔さんがいる。傘寿期には樋口恵子・堂本暁子・岸恵子さん、石原慎太郎・五木寛之・仲代達矢さんと多士済々。そして古希には小泉純一郎・小沢一郎・松方弘樹・松本幸四郎・青木功・尾上菊五郎さん。七〇歳になったからといって老成することはない。お仲間といっしょに人生の新たな出会いを楽しむ日々が待っているのである。