丈人論-第1回「エキスポS65+」が開催される<1> 

◎わが国初のシニアの祭典「エキスポS65+」

元気シニアを対象とするわが国初の総合イベント「エキスポS65+」は、幕張メッセを会場として、11月15・16・17日の3日間、開催されました。

11月15日朝、晩秋の明るい陽ざしのなかを、ご夫婦で、グループで、お一人で会場へ急ぐ元気シニアのみなさんの姿がありました。幕張メッセまでの道のりを遠しとせず、各地から来場した高齢者のみなさんの参加によって、「エキスポS65+」は、1999年の「国際高齢者年」以来初めて、高齢先進国・日本の高齢者から、世界のそしてこれから高齢者になる人びとへの「日本高齢社会」形成にむけた具体的なメッセージとなりました。

初日10時からの開会式では、当イベント開催に強い期待を寄せる野田総理からの祝辞が披露されました。「団塊世代」が高齢者(65歳)に達する来年を前にして、10年ぶりに「高齢社会対策大綱」の見直しに着手し、検討にあたって総理が「高齢者の消費をどう活性化していくのか」を基本的な視点に加えるよう指示したことは前回に述べたとおりです。

開会式で披露された各界の方々からの祝辞を紹介しますと、ことし100歳になられた日野原(重明)さんは「75歳以上の高齢者(新老人)が今までやったことのないことに挑戦する」意義を述べられ、米寿の経済人品川(正治)さんは「悲惨な戦争を体験した国民として平和の尊さを次世代に伝承する」願いを訴えられ、学者の小宮山(宏)さんは「高齢社会のモデルをつくることが世界史的な貢献」と目標を示され、高連協両代表である樋口(恵子)さんは「人生100年の初代として力を尽くそう」と呼びかけ、堀田(力)さんは「この祭典が自分の生き方の道案内となること」に期待をかけておられます。これらは本イベントの指針として活かされることになるでしょう。

ひと足先に9時30分に開場した展示エリアでは、すでに来場者と出展社の若い社員とのやりとりで賑わっています。10時30分からはジャーナリスト鳥越(俊太郎)さんの基調講演「歳には、勝てる」、昭和女子大学長坂東(真理子)さんの「さびない人生」、俳人大串(章)さんの「秋の俳句を味わう」と3ステージに分かれて、語りあう広場「フォーラム」が始まりました。

わが国の高齢者が持つすぐれた知識、技術、健康そして資産がみずからのシニアライフに活かされることで、「日本高齢社会」は豊かな内容をもつことになります。そのための「エキスポS65+」が将来にむけて出立できたことを、開催に力を尽くした主催関係のみなさん、出展社、講演・出演者、ウオーク支援者そして趣旨に賛同して訪れたすべての来場者のみなさんとともに心から祝いたいと思います。

それとともに、さらに多くの高齢者に本イベントの趣旨が知られて、力を合わせて苗を穂とし、穂を実としていくよう努めることが何より大切であることを、会場のざわめきの中にいて強く感じたのでした。(次は12月5日)

「S65+」カンファレンス・スーパーバイザー
堀内正範