丈人論―「エキスポS65+ 第1回」を迎えて<2> ―

「エキスポS65+」は「最先端のモデル」をつくる 
千葉県初の宰相である野田佳彦総理は、15日の幕張メッセ「エキスポS65+」開会のときに祝辞を寄せてくれる手はずになっており、すでにイベントの情報はお手元に届いています。
野田総理は10月14日の朝、官邸でおこなわれた「高齢社会対策会議」(第20回)の席で、10年ぶりの「高齢社会対策大綱」の見直しにあたって、
「人類史上、前人未到のスピードで高齢化が進んでいると思いますが、悲観的になるのではなく高齢化社会にしっかり向き合って世界最先端のモデルを作っていくということが、大綱作りの基本的な考え方になると思います」
と前置きした上で、
「一つは、高齢者の居場所と出番をどう用意するか、二つ目は高齢者の孤立をどう防いでいくか、三つ目は現役時代からどう高齢期に備えができるのか、以上三つが基本的な視点ですが、あえてもう一つ付け加えるならば、高齢者の消費をどう活性化していくのか、ということも大事な視点だと思います」
と基本的な視点を提示しました。三つはすでに『高齢社会白書』にも述べられている内閣府の対策項目ですが、一つ付け加えて「高齢者の消費をどう活性化していくのか」といったとき、「S65+」が念頭にあったかもしれません。
「S65+ シニアの祭典」の立場からすれば、総理、まだそんな総論をいっているのですか、といいたいところです。「居場所と出番」を用意しているし、「孤立」を防ぐ集いであるし、「高年期の備え」を示そうというのですし、それに加えて「高齢者の消費をどう活性化していくのか」は、本イベントの中心課題なのですから。65歳以上の高齢者が健康であり、物心ともに暮らしが豊かになり、安心して過ごせることをめざして開催する初の総合イベントなのですから、「最先端のモデル」をつくることになります。
「S65+」こそ、総理が期待する高齢社会対策に沿う民間主導の総合イベントなのです。国・自治体の10年の対応の遅れがこの国の高齢者の人生を安心から遠くしているのです。1999年に全国展開した「国際高齢者年」の活動をまとめあげた総務庁高齢社会対策室のような太い動線をもつ組織がありませんし、何より首相直轄の内閣府に「専任」でかまえる高齢社会対策担当特任大臣がおりません。野田総理、これこそ検討すべき第一の基本的課題です。
65歳+のみなさんを迎えるメッセ会場の準備は整いつつあります。マラソンの瀬古さんとの8kmウオークもよし。鳥越さんのガンに勝つ生きざまや65歳新入生である坂東学長の品格ある講演を聴くもよし、樋口さん・堀田さんの白熱シニア公開討論会に参加するもよし。展示会場では宅配弁当の試食やサンプル・サプリのお試し、メディカルサポート、ヘアケア、無料健康相談、無料相続相談、無料最新健康機器の試用などなど、そのあと休憩コーナーで出会った同年の人と懐かしい思い出話に興じるもよし。多彩な出会いの場を用意した「シニアの祭典」の開会は眼の前まで迫っています。(次は11月15日) 
「S65+」ジャーナル
堀内正範(カンファレンス・スーパーバイザー)