活動趣旨の改定(2011年5月)

半世紀余をかけて築いたすべてを一瞬にして奪い去った「天災」、そして放射能汚染という想定外の「人禍」。
みんなが等しく長寿を喜びあえる「日本
高齢社会」の創出をめざしていたわたしたちは、みんなが等しく労苦を分け合って、人生二度目の復興にも立ち向かうことになりました。同じ思いのみなさんとともに、ここに「日本丈人の会」を設けて活動を推進いたします。
<小注:「丈人」というのは「老人」(とくに内向的余生型)におさまらない社会参加型の高齢健丈者> 

 表向きのエンタテイメント(楽しませること)によって薄皮一枚の華やかさに覆われていますが、わが国がいま「第三の国難」にあることはたしかです。先の大戦の戦禍のあと、辛苦して「第二の国難」を乗り越えてきたプロセスを知っている高齢者が、いまのままこの難局を座視・黙止したままでいたのでは乗り切れません。

 わたくしは一介のジャーナリストでしかありませんが、この10年間を見定めてきて将来を展望する立場から、『日本型高齢社会』(昨年7月)を刊行して、高齢健丈者が保っている知識や技術や資産が穏やかに参加する「本格的な高齢社会」(三世代多重型社会)を提案しました。大震災後の日常性の回復のしかた(ジャーナリズムとくにTV)は納得しかねます。この国(われわれが築いてきた社会)自体が崩壊しかねません。
  史上にまれな長寿社会に生きてきて、いま高齢者(60歳以上で約4000万人)になっているわれわれは、このたびの「3・11東日本大震災」に遭遇して、「天災人禍」という災禍からの復興に務めるという史上にまれな役割を担おうとしています。さまざまな理由で全員参画はムリとしても、三人にふたりの健丈な仲間(丈人層)が、「東日本大震災」からの再生と復興に当たる被災地の高齢者を支援するとともに、みんなが等しく長寿を喜びあい、安心して暮らせる「日本高齢社会」を達成すること。それは先人が残してくれた「平和憲法」のもとでの世界にまれな「平和時代の証」です。 
 思いのほか早く、さまざまな社会的負担が高齢者の暮らしに迫ってくることが想定されます。現状のままでいれば「強い社会保障」政策の後退や大増税を覚悟せねばなりません。高齢者が力をあわせて、まず高齢者自身が暮らしやすく、そして青少年・中年・高年者がそれぞれの場で心おきなく過ごせる「本格的な高齢社会」(三世代多重型社会)の形成にむかって活動を進めることが必要であり、それは国際的な責務でもあります。 
 ここで課題はいっそう重くなったのですが、「高齢社会」の形成と「大震災」からの再生・復興とを結んだ場所から、小さくとも具体的な活動を進めることといたしました。わたしはジャーナリストとしての立場から「警世(警醒)の言」を発する役割をつづけなければと考えています。そのために活動する「丈人の会」の趣旨をご理解のうえ、参画・支援・応援をお願いいたします。
2011・5・20 
南九十九里」にて 堀内正範 記 
[活動趣旨]
◎「老人」(余生型)よりも「丈人」(社会参加型。後注1)を意識して暮らすこと。(生活意識の改革)
◎協力して高齢者が暮らしやすい「地域生活圏」や「地域文化圏」を形成すること。そこで必要とする「モノ」の製造を企業に要請し、「場」を自治体に要請する。(地域社会活動への参画)
  自治体に官民協働による「地域生涯(シニア)大学校」を設置する。(高齢者のための広域生活圏の形成)
◎内閣府に「高齢政策担当特命大臣」(専任)の設置を要請する。(本格的な日本高齢社会をつくるために国への要請) 

**********                 **********
[参考図書]
この10年の高齢化対策の不在を観察してまとめた「警世の書」
丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」(後注2)が国難を救う
(堀内正範著 2010・7・1 1500円・税別 武田ランダムハウスジャパン)
をぜひご覧ください。
**********                 ********** 

[お願い]

会費・活動報告 
会費は上の趣旨に賛同して活動に参画し、支援し、応援してくださるみなさんにお願いしています。
一律とせず随意とし、 参画会員・ススメの先人福沢諭吉幣1+  支援会員・樋口一葉幣1  
応援会員・野口英世幣2 を設けますが、会費なしの会員と異なる特典はありません。
会員のみなさんには適時「活動報告」をお送りします。

 

事務局 堀内正範 ほりうちまさのり
e-mail mhori888@ybb.ne.jp
Tel&Fax 0475-42-5673
keitai  090-4136-7811
hp「日本丈人の会 日本丈風の会」https://jojin.jp/ 
blog「茶王樹・南九十九里から」 https://jojin.jp
〒299-4301 千葉県長生郡一宮町一宮9340-8
 <後注>
1 「丈人」「丈人力」とは・・ 
わが国の「高齢社会」を体現している高齢健丈者のみなさんを励ますことばとして、「老人」に対比して「丈人」と呼ぶことに納得がえられるように思います。「老人」と呼ばれて違和感を感じるとき、「老人と呼ばれるにはまだ間がある」と感じるとき、「丈人」と呼んでみてください。納得できるみなさんが「丈人」です。古典には「四体勤め、五穀分かつ」(身体を使って労働をし、五穀を収穫する)ことをよしとする老者として現れます(『論語「微子篇」』)。高齢者を「老人」(とくに余生型)にくくってしまうと、本格的な高齢社会を形成していく当事者が見えなくなってしまうからです。
 ここでは古語の意味合いを援用して、それぞれの活動によって、これまで積み上げてきた知識や技術やさまざまな能力をどこまでも発展・熟達・深化させようとして働く力、ふつふつと涌いて出る強い生活力あるいは生命力を、「丈人力」(jojin-ryoku)と呼んでいます。 多数の健丈高齢者の丈人力によって「日本高齢社会」は達成にむかいます。
2 「平和団塊」とは・・
先の大戦後に生まれた昭和22年~24年の約700万人の人びとを、「団塊世代」(堺屋太一さんの同名書から)と呼び、教育や就職や商品開発・販売などの場での社会的影響が語られてきました。ここでは先の戦争の惨禍のあと、ご両親によって平和裏に生きることを託されて育てられた戦後生まれのみなさんを「平和団塊」(昭和21年~25年生まれ。約1000万人)の人びとと呼ぶことで、平和期がつづいたわが国の「高齢社会」の体現者としての位置づけをしています。
 それは先人が願いとした「日本国憲法」の平和主義とともにふたつながら平和の証であり、百年の計として21世紀の日本を輝かせる歴史的モニュメントであるからです。前人未到の「日本型高齢社会」の形成は、そのプロセスを含めて国際的にも注目され達成が期待されています。 
「日本丈人の会」「日本丈風の会」とは・・
「日本丈人の会」 高齢者が暮らしやすい社会をつくるための日常的なふたつの目標は、ひとつは個人としてもつ「高年者意識」(丈人意識)の成熟、もうひとつは暮らしの場での「社会の高年化」の達成です。つまり高年期にある人びとが「高年者意識」を共有しながら、「社会の高年化」をめざして「モノと場としくみ」を創出することにあります。ふたつの目標にむかってどこまで参画するかは個々人の随意ですが、その活動に身を投じることは、かけがえのない高年期の人生に果断な選択をすることになり、日また一日の成果の差は歴然としたものになるでしょう。
「日本丈風の会」わが国が幸運といえるのは、大戦後の民主主義の根つきを証明してみせた「六○年安保闘争」(いま70歳代に)や「七○年大学紛争」(いま60歳代に)といった噴出期をふくむ草の根の市民・大衆運動を体験し、その後の人生経験をふまえて柔軟な思考と行動を自得した多くのアクティブ・シニアを有していることです。「日本丈風の会」は、「社会の高年化」を意識して活動している人が中心の団体や高齢者向け用品をつくっている企業など、うるおいのある生活圏や文化圏を形成し、将来の国際基準のひとつになる「日本型高齢社会」を達成する活動に参画している団体が参加する会として想定しています。  
「地域生涯(シニア)大学校推進会議」とは・・
 市町村合併の大義のひとつは「地域を愛する人材」の養成にありました。「明治の大合併」のときにはわが村の「村立尋常小学校」が設立され、「昭和の大合併」のときにはわが町の「町立新制中学校」が合併のシンボルとして設立されました。しかし今回の「平成の大合併」にあたって、国も新市も何の構想も示しませんでした。
 地域の風土や産業、伝統・歴史、高齢期にかんする知識を学ぶとともに、長い高年期をともに過ごす仲間を得る機会を提供する公立の「地域生涯大学校」が要請されています。人材や活動の情報をプールするとともに、なにより地域で暮らす高年者が「まちづくり」の新たな目標を得る機会となるからです。地域特性を加味した独自の内容で構成したカリキュラムをもつ「地域生涯大学校」で、60歳をすぎた高年者が2~3年ほど修学することで、「まちづくり」でも多くの人材を生むことになります。設立の遅延は将来の自治体の発展に差を生むでしょう。「地域生涯大学校推進会議」では全国の実例を集めて整理し発信いたします。優れた実例やご意見をお寄せください。

**********
堀内正範 ほりうちまさのり
昭和13(1938)年11月1日、東京都渋谷区生まれ。終戦の年に小学1年生。都立両国高校、早稲田大学文学部卒業。朝日新聞社社友。元『知恵蔵』編集長。55歳で早期退社して中国中原の古都洛陽へ。洛陽外国語学院外籍教授を経て同学院日本学研究中心研究員。国際龍門石窟研究保護学会本部顧問。日本山東省文化交流委員会委員。「S65+」カンファレンス・スーパーバイザー。
著書:『洛陽発「中原歴史文物」案内』(新評論)、『中国名言紀行・中原の大地と人語』(文春新書)、『人生を豊かにする四字熟語』(ランダムハウス講談社)、『丈人のススメ 日本型高齢社会 「平和団塊」が国難を救う』(武田ランダムハウスジャパン)など。日中友好協会紙『日本と中国』に「平和の絆・友好都市ものがたり」「四字成語ものがたり」を連載。千葉県一宮町在住。地元南十九里浜の自然を守る住民活動にも参加。
E-mail mhori888@ybb.ne.jp
Tel & Fax 0475-42-5673
keitai 090-4136-7811
hp「日本丈人の会 日本丈風の会」https://jojin.jp/ 
blog「茶王樹・南九十九里から」 https://jojin.jp
〒299-4301    千葉県長生郡一宮町一宮9340-8