四字熟語-各有千秋

かくゆうせんしゅう

「千秋」は千年のこと。「各(おのおの)に千秋有り」というのは、ひとつひとつの物事あるいはひとりひとりの人生にはそれぞれ久遠の流伝があると理解すること。なにごとも探っていくと遠い淵源にたどりつく。

漢の李陵の「与蘇武三首」には、それぞれ天の一隅にあってもはや友人として再び遇えない「三載(三年)は千秋となる」と、重い「千秋」が詠われている。李白や杜甫の「千古絶唱」というべき詩などは時代が明解で、「名流各有千秋あり」ということになる。無名であるわたしたちの人生も、それぞれ千年の来歴をたどりながら現在がある。
三国時代の英傑、曹操・劉備・孫権の違いを「各有千秋」というなどは語感として素直に理解できる。

 しかし現代漢語としては「各有千秋」の意味は軽い。存在価値の違いあるいは特徴や特色ほどの意味合いで軽く広く使われている。こそどろの手法の違いや中年女性の短髪の特徴、車の外観の特色なども「各有千秋」なのである。

趙翼「瓯北誌鈔・絶句」など