らうんじ*茶王樹*南九十九里から

 高齢者のみなさん、
きょう一日をかえりみて、
 
からだ(体=健康)こころ(心=知識)ふるまい(行=技能)
この3つ をバランスよく
過ごせていますか。
●健康寿命を長くするための秘訣です●

樹下のお好きな椅子に座って ひとときおくつろぎください。
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  茶L 王 L 樹L 下L 丈人  堀L 内L 正L 範L
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樹蔭の語らい

++++++++++++++++++++2016・05・13
「世界最大の客船」引き渡し・・・フランス

世界第9位の海洋大国(領土は61位)である日本での快挙であってもいいのだが。
AFP=時事によると、建造期間3年4か月、重さ12万トン、幅は最高66m、全長362m(エッフェル塔より6m長い)、建造費10億ユーロ(1240億円)、16デッキ、乗客6360人、乗員2100人の収容が可能という。建造はフランスの造船会社STX(STX)が担当し、米国拠点のクルーズ会社ロイヤル・カリビアン・クルーズ(Royal Caribbean Cruises)へフランス西部サンナゼール(Saint-Nazaire)で12日、引き渡された。世界最大の客船の名は「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ(Harmony of the Seas)」
1400億円+でできるのなら、全長640mのスカイツリーは無理としても、展望デッキ350mより15m長い世界最大級のクルーズ船を、わが国で建造して、太平洋周行で運航する日がくるだろう。

++++++++++++++++++++2016・05・01
「月刊丈風」
2016年3・4合併号を発刊しました

「長寿をすべての国民が喜びの中で迎え・・

日また一日、“社会の高齢化”に尽力しておられるみなさんは、安倍政権になって三年余、この国が「高齢社会対策基本法」でめざした高齢社会の姿に向かっていないことに気づいていると思います。

20年前の1995年、阪神大震災とサリン事件のあった年の11月に、村山内閣は新世紀にむけて「長寿をすべての国民が喜びの中で迎え、高齢者が安心して暮らすことのできる社会」(前文)の形成をめざす「高齢社会対策基本法」を制定しました。本来なら20年の節目に当たる2015年には経緯を振り返り、成果を確かめ、将来を見据え直す行事が政府筋からあっていいはずですが、その気配は見られません。

折りしも昨年10月に安倍総理は「一億総活躍」をとなえて担当大臣を登場させましたが、オールジャパン経済社会にするために女性と若者に加えて高齢者参加を呼びかけることはしませんでした。それゆえ目標とする「新・三本の矢」も方向がばらばらで、これを「無的放矢」と申します。

まず①「GDP600兆円」には、高齢者が保っている技術や知識や資産を活かした「優良国産・地産品」によるエイジノミクス(高齢化経済)が必要、②「出生率1.8」には若い人への支援とともに祖父母世代による子育て環境づくりが必要、そして③「介護離職ゼロ」は当事者である高齢者の「助け合い」による敬老介護があって可能となります。

ですからめざすマトはひとつ、高齢者層の参加による「日本長寿社会」(世界が期待する先行モデル)づくりにあるのです。「成長力(青少年)+成熟力(中年)」に「円熟力(高年)」を加えた三世代力で支え合って創り出す「平成長寿社会」が、史上に新たな「一億総活躍社会」の姿なのです。それを可能にする民力は各地域に潜在しています。

一つひとつは水玉模様のように小さくとも、だれもが安心して生涯をすごせる「地域支え合い生活圏」の達成にむけて、高齢者みずからが存在感を示すこと。これから20年、お互いの「人生90年」への日また一日を、連携して「一億総活躍長寿社会」を創り出す歴史的事業に重ねること。自らの足元からしか将来は見えてこないのですから。

「7月参議院選」は「日本長寿社会グランドデザイン」を議論することのできる人物を全国から選出する機会となります。

さわやか福祉財団は、いま全社協、日生協などとともに「新地域支援構想」をかかげて、「助け合い」のしくみである「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」と「協議体」の設定に全力を投入して活動しています。傘寿に達した堀田力会長みずから月月火水木金金といった忙しさで全国の自治体に説いてまわっています。若い人が辛苦する横で毎日が日曜日で暮らすことが恥ずかしいと思うようなあたりまえの時世を迎えるために。

新生への模索をしている「高連協」へ、日本を代表する組織として関心をもちつづけている本誌からの提言を記しておきたい。①1999年設立の経緯から活動団体の連携を保ちつづけて一歩も引かないこと。「設立」世代をふくむ75歳~85歳+(後期高齢期)を引き連れて形成する「日本高齢社会」は国際的先行事例として重要。②若手の「団塊世代」を中心にした+65歳~75歳(前期高齢期)による「2025年対策」を見据えた活動は重要。③高齢準備期60~65歳を対象としたシニア・カレッジの運営と全国の高齢人材養成機関で用いる高齢者必携のテキスト(年版)の発行。④協議会として「新地域支援構想」を支援。⑤「団体正会員」のほかに「個人活動会員」を増やして組織を拡大する。ラグビーボール(団体理事会)をつないでゴールへ突進するのは優れた個人会員なのだから。(編集人記)

++++++++++++++++++++2016・02・10
「月刊丈風」
2016年1月号を発刊しました

「蜘蛛の糸」の犍陀多(かんだた)になるなかれ

「高齢者意識」については、多くの高齢者(65歳以上)は、定年が延びて年金が支給される「65歳から」と意識することはあっても、「人生90年」の幅で考えることはありませんでした。

☆『高齢社会対策大綱』(2011年・野田内閣改定)に明記された「人生65年」から「人生90年」へという唐突な25年の延伸と国民の意識とのズレこそがこの間の政治の側の対策不在であった証なのです。

★「長寿をすべての国民が喜びの中で迎え、高齢者が安心して暮らすことのできる社会」をめざした「高齢社会対策基本法」制定(1995年・村山内閣)、その対策指針である『高齢社会対策大綱』(1996年・橋本内閣)から20年になります。もし政治の側が「基本法」の趣意にそって「大綱」の指針を一年また一年たんねんに実践してきたなら、増えつづけてきた高齢者の意識と実人生は、「長寿を喜びの中で迎え、安心して暮らすことのできる社会」にむかって熟成した姿を実現していたと推察されます。

今世紀の一年一相の時期を含めて、政治リーダーにはこぞって対策延滞の責任があるといえます。65歳の高齢期に達したあとも国の要請に応じられる「高齢者意識」は未熟でありせいぜい半熟のままなのです。これまで「現役長生」型の暮らし方を選択してきた人なら、「人生90年」時代を「やっと来たか」と遅すぎた要請を率直に受け入れられるでしょう。しかし「人生65年」での「引退余生」を意識して、けっこう長かった現役時代のトップギアからミドルあるいはロウにまでギア・チェンジしてしまった多数の人びとにとっては、「いまさら何を」の思いがあるにちがいありません。

☆とはいえ、高齢者が3400万人、26%にまで達してなお増えつづける社会では、20年を越える「余生」に高いレベルの介護や医療を提供しつづけ、穏やかに終末を看取るという「社会保障」ができなくなることは、周辺を見、総体を考えれば、だれもが納得せざるをえないところです。そこで「自分だけはなんとか」と考える人が現われます。そのときから「格差」を認める思考過程に入ることになり、「温かな助け合い」の輪から抜け落ちることになるのに気づくことになります。

☆かつて大正七年に芥川龍之介が『赤い鳥』創刊号に書いた「蜘蛛の糸」の主人公、犍陀多の姿が思い出されます。お釈迦様のおいでになる極楽と対極の地獄というのは当時広がりつつあった「格差」の表現でしょう。極楽への一筋の糸にすがって「自分だけはなんとか」と考えたことで、犍陀多は助かることなく地獄へ落ちていきました。その後、芥川を襲い自死にいたらしめた「唯ぼんやりした不安」についてはここで論ずる場ではありませんが、その後の生きづらい時代を感性の鋭い芥川は予見していたことは確かです。

☆すべての高齢者が90歳まで生きられるわけもなく、願っても女性で半分、男性は5人にひとりですし、健康寿命は10年ほど短いことを考慮すれば、何がなんでもすべての人が「90歳・現役長生」の人生を前提にしてというのは酷な話ということになります。といって、みんながみんな「65歳・引退余生」人生を送りながら、「自分だけはなんとか」という思いで暮らすというのも罪な話です。酷でもなく罪でもない穏当な人生にならないものかというのが現代の犍陀多の悩みです。

++++++++++++++++++++2016・01・07
「月刊丈風」
2015年12月(年鑑)号を発刊しました

★「梅や喜寿いくさを語る母の居て」

戦後70年、いくさを不幸な記憶として胸の奥に秘めて語らなかった父母がいて、わが国の「戴白の老も干戈をみず」という長い平和が保たれてきました。いま語ろうとするのは、なぜでしょうか。終戦の日の天皇のおことばにも感じました。

★「長寿をすべての国民が喜びの中で迎え、高齢者が安心して暮らすことのできる社会」をめざした「高齢社会対策基本法」の制定は、阪神大震災とサリン事件があった1995年の11月(村山内閣)のことでした。それから20年。国民は長寿を喜びの中で迎え、高齢者は安心して暮らすことができているでしょうか。

☆この間、高齢化対策のうち介護・医療・年金といった「高齢者対策」は、財政のやりくりをしながらなんとか欧米並みの水準を確保してきましたが、高齢者の社会参加の意識の醸成・社会システムの創出・世代交流といったわが国が独自になすべき「高齢社会対策」は手つかずのままで延滞されつづけてきたのです。

★10月7日の内閣改造で、安倍総理は「一億総活躍」をとなえて担当大臣を登場させました。が、残念ながら「一億総活躍」を言い出した総理自身にも、そして担当の加藤大臣にも、現役の官僚にも、各地各界で地道な活動をしている「支え手の高齢者」の姿は見えていないようです。

☆「一億総活躍」を言う安倍総理は、3300万人余、4人にひとりに達した高齢者に特別に呼びかけて、「新三本の矢」への参加を訴えるべきではないですか。「青少年(成長力)+中年(成熟力)」に「高年(円熟力)」の三世代の力を合わせて、新たなオールエイジズの「一億総活躍社会」を目標にすべきです。

☆「一億総活躍国民会議」の15人の民間メンバーには、オールジャパン経済社会を議論するために高齢世代の代表を四、五人は加えるべきでした。たとえば1999年の「国際高齢者年」を機に連携して「高齢者憲章」をかかげて活動をつづける高連協の樋口恵子・堀田力両代表、環境イノベーションによる一歩進んだプラチナ社会を主導する小宮山宏元東大学長、「高齢社会対策大綱」を検討してきた清家篤慶応義塾大塾長、さまざまな実証実験(アクションリサーチ)を手がける東大高齢社会総合研究機構の秋山弘子特任教授といった方々の参加を得てご意見を聞くべきでしょう。

☆目標の「新三本の矢」(GDP600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロ)も方向がばらばらで「無的放矢」といわれてもしかたがありません。「GDP600兆円」は、高齢者が保っている技術や知識や資産を活かした「優良国産・地産品」によるエイジノミクス(高齢化経済)により、「出生率1.8」は祖父母世代の支援による子育て環境づくりで、そして「介護離職ゼロ」は当事者である高齢者同士の「助け合い」による敬老介護があってこそそれぞれ可能になります。

★一つひとつは水玉模様のように小さくとも、だれもが安心して生涯を過ごすことができる地域生活圏を形成する「新地域支援構想」が各自治体で模索されています。そうして形成される総体が「一億総活躍社会」です。ほんとうの「一億総活躍社会=平成長寿社会」を創り出す事業は、高齢者が足下の一歩から始めねばならないようです。

★一人ひとりが長寿を喜べる「日本長寿社会」の達成とアジアに住むだれもが等しく豊かさを享受できる「アジアの共生」は、ふたつながら平和の証であり、高齢者の課題であり、本誌の目標です。(編集人記)

++++++++++++++++++++2015・12・09
「月刊丈風」
2015年11月号を発刊しました

☆「長寿をすべての国民が喜びの中で迎え、高齢者が安心して暮らすことのできる社会」を掲げた「高齢社会対策基本法」の制定(1995年11月・村山内閣)から20年。そういう社会にむかっていますか。

この間、高齢化対策のうち年金・医療・介護といった「高齢者対策」はなんとか財政のやりくりをしながら進展をみましたが、社会意識の醸成・社会システムの創出・世代交流といった「高齢社会対策」は延滞しつづけてきました。

☆20年を機に、安倍内閣は3380万人、4人にひとりに達した高齢者に「一億総活躍社会」への参加を呼びかけて、目標「新・三本の矢」を訴えるべきではないですか。いまこそ「青少年(成長力)+中年(成熟力)+高年(円熟力)」の三世代が力を合わせて、史上新たなオールジャパン・オールエイジズの「一億総活躍社会」をめざすこと。

☆10月7日の内閣改造で、安倍総理は「一億総活躍」をとなえて担当大臣を登場させました。これまでの女性と若者の「成長力」に期待し優先してきたアベノミクスの先行きを懸念して「一億総活躍」を言い出した総理自身にも、そして担当の加藤大臣にも、残念ながら「成熟力+円熟力」を駆使して、各地各界で地道な活躍をしている「支え手の高齢者」の姿は見えていないようです。

☆「一億総活躍国民会議」の15人の民間メンバーに、女優の菊池桃子さんが選ばれて話題になりましたが、オールジャパンの経済社会にするためには高齢世代の代表を四、五人は加えるべきでしょう。高連協の樋口恵子、堀田力両代表、プラチナ社会の小宮山宏元東大学長、「高齢社会対策大綱」改定した清家篤慶応義塾大塾長、東京大学高齢社会総合研究機構の秋山弘子特任教授などの参加なくして国民会議は成り立ちません。安倍総理と加藤大臣と現役官僚の視野にはいる人を集めて議論しても、「一億総活躍社会」の実現にむかう構想や提案は出てこないでしょう。

☆目標の「新三本の矢」(GDP600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロ)は方向がばらばらで「無的放矢」といわれてもしかたがありません。正しいマトはひとつ、高齢者参加による三世代協働の「日本長寿社会」(世界が期待する先行モデル)なのです。

☆「GDP600兆円」は、高齢者が保っている技術や知識や資産を活かした「優良国産・地産品」によるエイジノミクス(高齢化経済)で、「出生率1.8」は祖父母世代の支援による子育て環境づくりで、そして「介護離職ゼロ」は当事者である高齢者の「助け合い」による敬老介護で。

☆繰り返しますが、「成長力(青少年)+成熟力(中年)」に「円熟力(高年)」を加えた三世代力で支え合って創り出す「平成長寿社会」が、史上新たな「一億総活躍社会」なのです。

☆一つひとつは水玉模様のように小さくとも、だれもがどこでも安心して生涯をすごせる「地域生活圏=エイジング・イン・プレイス」構想を掲げて、各地各界の高齢者みずからが存在感を示すこと。その総体が「一億総活躍社会」です。その拠点のひとつとして烽火をあげたのが「月刊丈風」(丈風の会)です。みなさまと連携して、「一億総活躍社会=平成長寿社会」を創り出す歴史的事業に、お互いの「人生90年」の日また一日を重ねようではありませんか。

◎賛同していただけるお仲間へ「月刊丈風」の転送をお願いします。

++++++++++++++++++++2015・11・11
「月刊丈風」
2015年10月号を発刊しました

★[拝啓] 一億総活躍、女性活躍、拉致、少子化、男女共生社会・・高齢社会対策担当大臣 加藤勝信 先生

秋山如粧。

加藤先生におかれましては、去る10月7日の安倍内閣改造で、新たに設けられた「一億総活躍」担当大臣に就任され、同時にいくつもの重要な課題を担当されることになり、さぞご多用にお過ごしのことと推察いたします。

新たな「一億総活躍社会」の達成という呼びかけは、オールジャパン、オールエイジズによる体制の構築であり、当然のこと「3380万人、国民の4人にひとりに達した高齢者」(65歳以上)の社会参加を期待してのことと理解しております。

改めて申すまでもなく、わが国では「高齢社会対策基本法」(前文に「長寿をすべての国民が喜びの中で迎え、高齢者が安心して暮らすことのできる社会」の形成、基本理念として「国民が生涯にわたって就業その他の多様な社会的活動に参加する機会が確保される公正で活力ある社会」の構築を掲げる)が1995年11月に村山内閣によって制定されており、本年の11月は制定以来、節目の20年に当たります。本来ならば、内閣の呼びかけで、国民の関心が「高齢化経済社会」について高まる機会なのですが、その気配は見えません。

「高齢社会対策大綱」は、1996年に橋本内閣が閣議決定し、2001年に小泉内閣が改定し、2012年9月に「消費税」議論のさなかに、野田内閣によって11年ぶりの「大綱再改定」という経緯をたどっております。

☆この度の「一億総活躍」の呼びかけは、これまで女性・若者の「成長力」優先のアベノミクスによって後回し(温存)にされてきた高齢者層の「成熟力+円熟力」の取り込みによる活性化にあり、高齢者が保持している技術・知識・資産の活用によるオールジャパン経済社会を呼び起こす契機とするところにあると推察されます。

なぜなら新世紀15年のわが国の「高齢化対策」は、「支えられる者」という固定観念による「高齢者対策」(介護、医療、福祉、年金など)が主であり、高齢者意識の醸成、高齢者むけ製品や流通の開発支援、高年期に必要な知識や技能の習得、居場所づくり、世代交流といった「高齢社会対策」は延滞しつづけてきました。

したがって「一億総活躍社会」の実現を議論する「一億総活躍国民会議」の有識者には、オールジャパン経済社会にするために高齢世代の代表の参加が求められます。

担当の責任ある立場に就かれた加藤先生には、対策の15年延滞の経緯と実情を顧みて、「下流老人」「老後破産」といった現下の憂うべき現象に歯止めをかけ、世代を越えてみんなが安心して暮らせる「日本長寿社会=一億総活躍社会」を招来するために、指導力を発揮されることを期待いたします。  2015年10月15日 記

[ 敬具 ]

高齢化問題ジャーナリスト
堀内正範 「月刊丈風」編集人 朝日新聞社社友 元『知恵蔵』編集長 

 

++++++++++++++++++++2015・10・09
「月刊丈風」
2015年9月号を発刊しました

★戦後70年目の8月、「安倍談話」が出る前に「堀田談話」を聞いて置きたいと願って、堀田力さわやか福祉財団会長をお訪ねした。戦争をしない文明文化の世をつくるには、「男性が“命の感覚”をつくらないといけない」と堀田さんはいう。

☆戦う性である男たちは、国会で「安保法制」を論じて、平和を守るためといって戦場のさまざまな場面をとりあげたものの、そこに「命の感覚」はうかがえませんでした。

★「命」が細い一本の糸に託されているような危うい状態にあることを「命若懸糸」といいます(『敦煌変文集「大目乾連冥間救母変文」』など)。かつて大正7年に芥川龍之介が『赤い鳥』創刊号に書いた「蜘蛛の糸」の犍陀多(カンダタ)の姿が思い出されます。上記の原典では目乾連(モクケンレン)が地獄から母を救い出そうとするのですが、犍陀多のほうは蜘蛛の糸にすがって地獄をのがれて極楽へたどり着こうと喘ぎます。

天国と地獄というのは大正時代に格差が広がってゆく時代の表現だったのでしょう。そこで「自分だけは」と考えた犍陀多は地獄に落ちていきました。後に昭和になって自死する芥川がその後の生きづらい時代までを予見していたかは不確かですが。

☆平和を守る意思を示す国会前の集会で出会った人びと。家にいたたまれずやってきたアンポ世代の高年者と将来、産み育てる子どもたちの戦争での死を予見するがゆえの若い女性たち。その率直な行動に共感を覚えました。平和について戦いの現場しか語らなかった国会内の男たちに対峙する、産む性としての「命」への感覚が息づいていました。

☆8月14日、戦後70年目の「首相談話」で、左右のプロンプターを交互に見ながら原稿を読んだ安倍首相。記者会見は「安倍談話」とはいえない「安倍朗読」(よく読めていて、新聞記事と合わせてみると、2カ所の読み落としと「手」と「力」と読み違えて「力を携えて」としたところくらい)でした。内容は近隣諸国への謝罪の文言が重ねられていて、戦禍から立ち上がって70年、この平和な日本を築き上げてきた国民を誇りとし、高齢の人びとをねぎらうことばが際立たなかったことが首相の意識の位置を表現しています。

☆戦後の復興と繁栄の功労者である高齢者のだれもが、後人に敬愛を受けて暮らし、国際的指針である「国連高齢者五原則」のひとつ、「尊厳」をもって人生を終われるのが「高齢社会」の姿です。少なくともその方向にむかっていることが、次の世代の人びとの安心感となります。それどころか、次の世代から「下流老人」がいわれ、「老後破産」がいわれて、若い世代への再生産が危惧されています。率直にいえば、高齢者の実人生がわからず解決策を示せない現役世代によって提起されてはいけない課題であり、同名の著作がベストセラーになってはいけないのです。――必死で働いてきたのにむくわれない老後――この共通したつぶやきは、両著にとどまるものではないでしょう。

★責任はだれに? 1995年の「高齢社会対策基本法」の制定いらい20年、こういう社会を呼び寄せてしまった政治リーダー・官僚であり、企業家、学者・研究者であり、マスコミ、そして活動家でしょう。絞れば高齢社会のしくみの全容を見渡せる立場にあり、その対策を講じることが務めであった歴代の高齢社会対策担当大臣であり首相です。

★『丈人力のススメ 人生90年をどう上手に踏破するか』は、「日本高齢社会」の20年の経緯を考察してきて、どうあるべきかの対策を提案する論考です。(「月刊丈風」編集月旦9月号)

++++++++++++++++++++2015・09・09
「月刊丈風」
2015年8月号を発刊しました

編集月旦 2015年8月号

★最近、『下流老人』がいわれ、『老後破産』がいわれ、「長寿という悪夢」とまで表される現象が起きており、上の同名の著作はともにベストセラーになっている。「日本高齢社会」は、このままでは国際的に先行する「高齢化国」として、後進高齢化国のモデル事例になるどころか、失敗事例になりかねない。そのことが露出してきたというべきか。続編が出されて上の著作がいくら売れても、そこから解決策は出てこないだろう。

☆まずタイトルにしている「老後破産」とはどういう境遇の高齢者をいうのか。

ひとり暮らしになった高齢者で、年収が生活保護水準を下回っていても生活保護を受けていない(受けられない)人で、預貯金の蓄えがないかすでに乏しく、年金だけでギリギリの生活をつづけている人。そして病気になったり介護が必要になったりすると、とたんに生活が破綻してしまう――こういう境遇におかれた高齢者を、番組(NHKスペシャル)のプロデューサーが「老後破産」と呼ぶことにしたという。ざっと200万人余がおり、増えつづけている。「長寿という悪夢」というサブタイトル(キャッチコピー)には、生きつづけることで追い詰められていく現実の苦しさ、厳しさ、虚しさがこめられている。

取材班は、ひとり暮らしの高齢者に何かが起きており、そして現場からしか議論が始まらないとして撮影にはいった。そういう関心で、さまざまな問題をかかえて「老後破産」寸前にある高齢者を選んで取材対象としている。――必死で働いてきたのにむくわれない老後――この共通したつぶやきは、200万人にとどまるものではないだろう。

☆率直にいえば、現役世代によって出版されてはいけない本であり、売れてはいけない本である。取材者が見定めえない解決法を、即刻、明示して対処すべきであろう。

★だれが? もちろんこういう社会を呼び寄せてしまった責任者である、政治リーダー・官僚であり、企業家、学者・研究者であり、マスコミ、そして活動家であろう。絞れば、高齢社会のしくみの全容を見渡せる立場にあり、1995年の「高齢社会対策基本法」いらい、20年にわたってその対策を講じてこなかった歴代の政治リーダー・官僚である。

★戦後七〇年の節目を迎えた二〇一五年八月、参議院での「安保法制」審議のさなか、一四日に安倍晋三総理の「戦後七〇年首相談話」が発表された。繰り返し述べて際立ったのは、周辺諸国への謝罪の文言で、戦禍から立ち上がって、この平和な日本を築き上げてきた国民を誇りとし、高齢の人びとをねぎらうことばが際立つことはなかった。敗戦後の悲惨な記憶をそれぞれの胸の奥に留めて、七〇年の平和を支えてきた国民に対して、まずは冒頭で熱く語りかけて始めるべきであったろう。

☆その功労者である高齢者のだれもが、後人に敬愛を受けて暮らし、国際的指針である「国連高齢者五原則」のひとつ、「尊厳」をもって人生を終われるのが「高齢社会」の姿である。少なくともその方向にむかっていることが、次の世代の人びとの安心感となる。ところがそれどころか、「下流老人」がいわれ、「老後破産」がいわれる。若い世代への再生産、この国は不幸の増幅を求めているかのようである。

★論考『人生90年をどう生きる』は、「日本高齢社会」の20年の経緯を見定め、そのありように警鐘をならし、どうすべきかを真摯に論じた“売れない”本である。

★一人ひとりが長寿を喜べる「日本長寿社会」(成長+成熟+円熟社会)の達成と、アジアに住むだれもが等しく豊かさを享受できる「アジアの共生」は、ふたつながら平和の証であり、高齢者の課題であり、本誌の目標です。(編集人 記)

++++++++++++++++++++2015・08・10
「月刊丈風」
2015年7月号を発刊しました

★7月15日、衆院特別委員会で「安保法制」の強行採決があって、夕方に国会正門前で市民の抗議集会が開かれました。いつもながらの団体幟も多くありましたが、「命」にかかわって参加している若い女性の姿が目立ちました。女性は歴史よりも本能的に「命」の将来に危険を感じとっているようです。参加者のなかに高齢の人たち、60年アンポ世代くらいの人が出てきていて、こちらは歴史の転回の萌芽を感じてのやむにやまれない衝動によるのでしょう。各党のリーダーが出て戦いを継続する演説をしていましたが、冷静に「命」の問題として心に響くことばを聞いて、納得の拍手をする場面はありませんでした。

☆平和な時代に暮らしていると、天寿を全うして生涯を終えることは、それほどむずかしいことではないように思われます。が、戦争に明け暮れしていた時代やそれが予測される時代には、安眠できることこそが理想の人生でした。長い平和がつづいて、「戴白の老も干戈をみず」(老人も戦争を知らない。北宋時代)というのは、歴史上でも稀有な時期といえます。それでも災害や事故に遭遇して、だれもが天年を尽くして穏やかに「寿終正寝」を迎えることはむずかしいのです。古来、長寿は上寿百二十歳、中寿百歳、下寿八十歳(孔頴達等『正義』など)といわれています。

★堀田力さわやか福祉財団会長は、「命」の感覚の進化が男性に必要であり、先進国はそういう戦わなくてすむ文明文化まで進歩しているといわれます。人口が減少する「少子化」は、命をたいせつにする意味で戦争を忌み嫌う意識と重なります。「命」の感覚に進化のない文明文化の失格者、戦争を言い軍備を言う男たち、戦う場しか論じられない政治家に、戦わないための「憲法」の文面をいじる資格はないでしょう。

★「長寿は平和の証である」と樋口恵子高齢社会をよくする会理事長は、内閣府主催の「高齢社会フォーラム」(7月31日)の基調講演で語りかけています。「わたしたち平和の証として、この人生90年、100年をしっかりと守りつづけ、いま戦後70年を迎えております」また「命が主人公であるということが平和の代名詞なのだ」とも。

★「高齢社会白書」の公開は有村担当大臣の記者発表がすべてだったのでしょう。記者から関連質問はありませんでした。年間の事業をまとめた「白書」の骨子が記者に伝わらずして一般の読者に伝わろうはずがありません。「白書」には、高齢化の状況 高齢化率 環境の現状と動向 家族と世帯 経済状況 健康・福祉・介護 就業 社会参加 生涯学習 生活環境 生きがい 一人暮らし 生活の不安 現在の楽しみ 人との付き合い 将来への準備 といった項目で、仔細な報告がなされているのですが。本号では、その中から本稿の関心で27点の統計表を選んで取り上げました。

★「平成26年簡易生命表」の概況(7月30日発表)は、男性の平均寿命が80.50 年、女性の平均寿命が86.83 年であったことを伝えています。もちろん女性は世界1です。男性は世界3位で、男女合わせて世界1は誇るべき成果です。

☆論考『丈人力のススメ』は、2015年版として全編を公開しています。(編集人 記)

+++++++++++++++++++2015・07・03
「月刊丈風」
2015年6月号を発刊しました

★人口推計「65歳以上の年齢別男女別人口表」では、ご自分がまだお若いこと、たくさんの仲間がいることに気づかれるでしょう。65歳以上の高齢者(史上初の高齢社会をつくる人びと)3300万人はほぼピラミッド型をしています。高齢期の60(65)歳から75歳は前期高年期=成熟期、75歳から90歳が後期高年期=円熟期。それからが長年期=達成期(余生)といっていいでしょう。もちろんこれは本稿の気ままな3分割ですから、それぞれご自分で高齢期を3つに割ってみて、ご本人が納得されればいいことです。

☆「三世代年表」は、人口ほかの修正をしたうえで掲載いたしました。昨年はすべての「団塊世代」の人びとが高齢者側に移り、今年は昭和20年生まれが古希・70歳に達し、大正14年生まれが卆寿・90歳に達します。ですから90歳代はすべて大正生まれの人びとです。

★人口減少によって896自治体の消滅可能性を予測した日本創成会議(増田寛也座長)が、こんどは急激な高齢化のために東京圏での医療・介護施設の不足が懸念されるので、全国41の受け入れ態勢のある地域をとりあげて「地方移住」を解決策とする提言をおこないました(6月4日)。現代版「うばすて」論といって斬り捨てるのは簡単ですが、若い世代の就労、結婚、子育てによる「地方創生」と合わせた高齢者参加による自治体の活性化をめざす「新地域支援構想」が本筋です。創成会議のいう「地方移住」では地方に新たな活力を生み出せません。

平易近人」(へいいきんじん)2015・06・10 「四字熟語の愉しみ」(円水社+)から

民衆とともに「同甘共苦」すること、群衆の中に入って親しくその心の声を聞くことを「平易近人」(巴金『随想録「二九」』など)といいます。もとは孔子も理想の政治家として慕った周公(姫旦)の治世の姿を、『史記「魯周公世家」』では「平易近民」と伝えています。「周公吐哺」というのは、周公は賢人が訪ねてくると口にしていたものを吐いてまで会ったことにいわれます。食事中なのでといって断るようでは、この「平易近民」の意味は理解できないでしょう。

「平易近民」は周恩来総理の風姿を周公旦と重ねて用いられていましたから、亡くなって以後の政治家には胡・温といった首脳に対しても遠慮して使わないようです。習近平主席の最近の著作も『平易近人 習近平的語言力量』というタイトルになっています。

「中国夢」で知られる女性歌手陳思思(全国政協委員)が、優美に平等と友愛の心を秘めて歌う「平易近人」が各地の大街小巷で歌われているようです。

 

++++++++++++++++++++2015・06・03
「月刊丈風」
2015年5月号を発刊しました

★前号では「高齢社会」へ警鐘を鳴らす手を休めて、春の鳥にちなんだ四字成語「鶯歌燕舞」をとりあげ、本誌が春季のごあいさつに用いている「春山如笑」(山笑うは季語に)について記しましたが、なおつづけます。

★鳥が深い谷から出て、高く大きな木に遷って巣を営むことを「幽谷より出でて、喬木に遷る」(『詩経「小雅・伐木」』)といい、「喬遷之喜」は遷ることをともに喜ぶ意味合いで用いられています。

☆新年度をむかえて、役職が高い地位に昇進した場合の「喬遷」はいいですが、遷るにしても「左遷」では迎えるほうもつらいところです。「喬遷」をまわりのみんなで祝って、遠くから「喬遷を望む」のは快い情景です。とくに会社が業界のトップに躍り出たりすれば社員みんなで「喬遷盛典」で祝うことになります。

★鳥は良い木を択んで住みつき巣をいとなみますが、良い鳥が木を択ぶ「良禽択木」(『三国演義「一四」』など)となると、賢能な人物が英明な君主を択んでつかえて大業をなすという意味合いで用いられています。後漢の創成期に光武帝劉秀につかえて名将として活躍した馬援は、「当今は君が臣を択ぶ世ではありませんぞ、臣もまた君を択ぶ世なのです」といって逆指名してつかえています。ごぞんじでしたか。この馬援の娘が太子劉荘の妃となり、倭の奴国王の遣いが都の洛陽に朝貢で訪れ、皇帝劉秀と謁見した際に、太子妃として出会っていたことが想定されるのです。

☆中国でいま木の側(企業)が優れた人材を確保するにあたって、「良禽択木」がいわれます。求められる「良禽」としての条件というのは、マネジメント能力や外国語でのコミュニケーション能力、専門分野でのプロフェショナル能力といったもので、この国で奇に出て笑いをとるエンタメ能力が優先するのとは異なるようです。

★「喬遷之喜」とも「良禽択木」ともかかわりない高齢期の「成熟+円熟」期のわれわれが味わいとする四字成語に「冰心玉壺」があります。終生変わることのない友情の証として、氷のような澄明な心を玉の壷に入れておくことを「冰心玉壺」(王昌齢「芙蓉楼送辛漸詩」から)といいます。唐の詩人王昌齢が長江沿いのいまの鎮江から都の洛陽へゆく辛漸に、「一片の冰心玉壺に在り」の詩句を託したことからで、「一片冰心」あるいは単に「冰壺」ともいいます。ただし現代の「冰壺」は冬季スポーツで人気のカーリングのことです。

☆友を思う「冰心」は今も昔も変わりありませんが、現代の「玉壺」はパソコン(個人電能)でしょうか。フォルダ(文件挟)に澄明な心で生涯付き合える友人の名前とメール(電子郵件)が保管してあり、さらに一片また一片と増えていくようすに例えられそうです。中国ではスマートフォン(知能手機)の広告に「一片冰心在玉壺」をみます。

☆「政冷経熱」から「政冷経冷」までいわれる当今ですが、「文温」は底流しています。

★「65歳以上の年齢別男女別人口表」のご自分の生年に印をつけてみてください。まだお若いことに気づくでしょう。人口推計では、4人に1人の65歳以上の高齢者(史上初の高齢社会をつくる人びと)3300万人はほぼピラミッド型をしています。65歳から75歳は成熟+円熟期、75歳から85歳が円熟期(女性はすでに90歳に)。それからが達成期(余生)といっていいでしょう。もちろんご本人の納得がすべてですが。

★一人ひとりが長寿を喜べる「日本長寿社会」の達成とアジアに住むだれもが等しく豊かさを享受できる「アジアの共生」は、ふたつながら平和の証であり、高齢者の課題であり、本誌の目標です。(編集人 記)

++++++++++++++++++++2015・05・10
「月刊丈風」2015年4月号を発刊しました

春山如笑 5日・清明  20日・穀雨

★鳥にちなんでは「鶯歌燕舞」が、樹木にかんしては「桃紅柳緑」という四字成語があります。ことしの春、どれかに出合いましたか。わたしは新世紀このかた15年、この国の高齢社会に警鐘を鳴らしながら(少時、手を休めて)、新たな春に希いを託して「鶯歌燕舞」を確認しています。本誌が春季のごあいさつに用いている「春山如笑」(山笑うは季語)には、温潤な陽気にうながされて、生きものがそれぞれに活動をはじめるようすが「笑う」ということばにとどめられていて、おおらかな気分になれます。

☆お気づきのように、本誌の掲載記事はあわただしく月ごとに入れ替えはしていません。月を経て新たな動きがあれば再掲しています。3分冊季刊誌に近いスタイルです。

★4月17日に、総務省統計局が昨年10月1日現在の人口推計を公表しました。4人に1人の65歳以上の高齢者(史上初の高齢社会の体現者)は3300万人に、割合は26%になっています。ここ数年は年間200万人が増えて100万人ほどが離世しますから、同じく4人に1人といっても“若い高齢者”が増えていることになります。

☆といって、定年になって、ほどほどの貯蓄をつくって年金にありついて、「やれやれ、これから自由の身」と思って、社会参加を閉ざして「「定年余生」のスタートをきる。これが社会的デフレーション(萎縮)で、経済的デフレーションはその一面の表現です。

☆「65歳以上の年齢別男女別人口表」のご自分の生年に印をつけてみてください。まだ若いことに気づくでしょう。と同時に「定年余生」ではとても生き切れない長い高齢期であることにも。いずれは背筋をのばした「現役長生」という意識への移行が必要です。

☆高連協の全国アンケートによれば、高齢者の97%までが「社会参加」を必要としています。内向きに自分、家族、親族、学友、同僚にかかわりを閉ざさず、地域デビューやテーマでの参加に一歩を踏み出して、「共生・共助の文化圏」での自己実現を図ること。

☆各自治体に「生活支援コーディネーター」が置かれ、地域高齢者による「協議体」が動きだします。地域デビューのチャンスです。高連協代表でもある堀田力さわやか福祉財団会長は、新地域支援構想会議のリーダーとして新地域支援構想の制定に尽力し、全国の自治体をまわって、「助け合い」のしくみづくりに力走しておられます。講演やあいさつでわかりやすく政策の変更について解説されています。また地域でどんなかかわりが持てるかについては、『新地域支援 助け合い活動創出ブック』(さわやか福祉財団)でていねいに解き明かしてくれています。25年後の「定年余生」を恥ずかしくしないために。

★RISTEXの「高齢社会のデザイン」(3年間・15プロジェクト)は、お互いに情報を交換し合いながら、着実な「実装」の成果を生んでいます。各所の成果を集積するリソースセンターは、国際的貢献が想定されています。

★月刊丈風」の広域化の手始めとして、千葉県のみなさんに「丈風」を送らせていただきます。千葉県には「房総長寿社会憲章」(房総長寿社会憲章1992年)があります。世界十指にはいる海洋国家であるわが国の、太平洋ダイヤモンド・リングの一画にある千葉県の、大洋に面した南九十九里の一角から、「日本長寿社会」達成にむけた烽火のひとつを掲げます。

★一人ひとりが長寿を喜べる「日本長寿社会」の達成とアジアに住むだれもが等しく豊かさを享受できる「アジアの共生」は、ふたつながら平和の証であり、高齢者の課題であり、本誌の目標です。(編集人 記)

編集月旦 2015年4月号より

 

++++++++++++++++++++2015・04・11
「月刊丈風」2015年3月号を発刊しました

春山如笑 6日・啓蟄  21日・春分

★各地各界の敬愛するみなさまへ
高齢者が「成熟+円熟力で歴史をつくる」現場を睹(み)る者として 記

春山如笑。
迷惑mailに紛れて、mail迷惑にならないことを祈りつつ。

☆海洋国家(世界十指に入る)である日本の、環太平洋ダイヤモンド・リングの一画である千葉県の、南九十九里の一角から、全国各地で「一盤散沙」(いちばんさんさ・大皿の上に散らした砂のようにばらばら)さながらに、自立・孤立してNPO活動や高齢社会活動をつづけておられるみなさまに訴えます。

☆新世紀になって15年、綿密には1999年の「国際高齢者年」から、やや厳密には1995年の「高齢社会対策基本法」制定から20年。わが国の歴代首相・担当大臣・国会議員を含めて政治リーダーは、介護・医療・認知症といった支えられる側だけで高齢者をとらえて、支え手となってきている高齢者層の存在と役割に理解を示すことができませんでした。

★高連協「高齢者の社会参画に関する調査」の「定年退職後の社会参画の必要性」という設問には97%が「必要」と答えています。そのうちで「収入のある仕事」を望んでいる人(43%)の多いこと、「アベノミクス」で生活が「苦しくなった」(33%と答えているあたりに、年金生活者の実感が示されています。何より格差容認の社会で高齢者の将来に展望がないことに、静かな深いためいきを聞くことができます。

☆この高齢社会のグランドデザインがない「多岐亡羊」(たきぼうよう・枝道が多いために逃げた羊を見失う)ともいうべき失政15年は、4人にひとりに達したわが国の高齢者の実人生に決定的な萎縮(デフレーション)と目標の欠如をもたらしています。にもかかわらず安倍総理は「女性と若者」に呼びかけていて、地方創生(地域の課題解決)においても「知識・技術・資産」の三本の矢を保持している「支え手の高齢者」を軽視・無視しつづけています。自治体が高齢者参加の環境をつくる前に「エンディングノート」を配布するなどは、あってはならない自滅行政です。

☆もはやこれ以上に高齢者を無視、高齢期人生を軽視されるわけにはいきません。

★史上初の「人生90年」時代を迎えて、高齢期25年(65~90歳)を体現して暮らしているわたしたちは、「引退余生」ではなく、「現役長生」の“丈人力”を活かして、みずからの手で居場所である「地域生活圏」(エイジング・イン・プレイス)の形成を成し遂げねばなりませんし、新たなふるさと創生をめざす若い人びととの協働で「成長+成熟+円熟」力を発揮して達成するオールジャパン、オールエイジズの「日本長寿社会」構想を高く掲げて、存在感を示さねばならないでしょう。

☆いまこそ散砂のように自立・孤立ではなく、水玉模様のように輝く小さな活動の輪を連携して、だれもが暮らしやすい地域にするために、各所で同時に足下の一歩を踏み出しましょう。「生活支援コーディネーター」を支える高齢者協議体(会)の形成はいまその好機にあります。(3月号・ 編集月旦より)

++++++++++++++++++++2015・03・08
「月刊丈風」2015年2月号を発刊しました

冬山如睡 4日・立春  19日・雨水

★新世紀の国際的な潮流は「高齢化」といわれてすでに15年目、わが国は年々増えつづける高齢者が安心して暮らせる「日本高齢社会」の達成に向かっているとはとてもいえません。その間、高齢化」は世界一の速さですすんで、「団塊の世代」700万人を迎え入れて、高齢者(65歳以上)は4人にひとり、3200万人にまで達しています。

☆にもかかわらず、「大義なき」師走総選挙(12月14日投票)では、「高齢社会」は公約にも議論にものぼりませんでした。自民党は291議席を得るという「したたかな大勝利」によって安倍政権は継続しますから、これまでどおり女性・若者を優遇、高齢者の実人生を軽視した政策がつづくことになります。

☆安倍総理は年頭所感でも、2月12日の施政方針演説でも、「経済のデフレーション(萎縮)」を脱け出す成長力を女性と若者の参加に求めて、高齢者は経済の好循環の当事者として期待されないまま。これでは格差が広まり、女性・若者の志向と活動が目立つ世相のうらで、高齢者への敬意は急速に衰落していくことになります。

★「人口減少」がクローズアップされて、2040年までに896自治体が消滅という増田(寛也)レポートの衝撃もあって、安倍内閣は「地方創生」を重要政策として、「ひと、まち、しごと創生本部」を発足させました。「人口急減・超高齢化」というわが国が直面するテーマに対して、①若い世代の就労・結婚・子育てでの希望の実現、②「東京一極集中」の歯止め、③地域の特性に即した地域課題の解決という三つを提案しています。三つの視点のうち①の実行者として、若い世代だけを取り上げて、若者の地方へのリターンを中心に置いていることに異和があります。

☆新世紀15年、歴代の首相にせよ、担当大臣にせよ、政治リーダーの決定的な欠落は、増加とともに若い人の支え手となってきている高齢者の存在と役割を理解していないことにあります。地域の課題解決のための「知識・技術・資産の三本の矢」を保持しているのは、「支え手の高齢者」です。地域の特性を知っている高齢者(・地識人)に出動を要請すべきときではないですか。

☆長い高齢期25年(65~90歳)を過ごす居場所や仲間づくり、モノづくりといった「ふるさと生活圏」の形成へ意欲をもつ高齢者と、それを継承し新たなふるさとの創生をめざす熱意をもつ若い人びとの両翼の働きがないと地域は飛び立てないのです。

★「新地域支援構想」を掲げて全国の自治体をまわって「高齢者の地域参加」を呼びかけておられる堀田力さわやか福祉財団会長は、お互いに温かく助け合う「共生・共助の文化」を提案しておられます。地域の「高齢者協議体」活動に参加して、仲間や後人に敬愛されながら「人生90年」を精いっぱいに生きる。できるかぎりの支援をおこなう。それはいずれの日にか介護や医療で自分にもどってくる共助支援です。

★「アベノミクス」の成長力の主体者が女性と若者なら、「エイジノミクス」の成熟・円熟力の主体者は高齢者です。1995年の「高齢社会対策基本法」制定から20年、介護・医療とともに必要だった社会対策の欠落という失政を埋めて、「日本長寿社会」を世界の成功モデルとすべく烽火をあげたのが、わが「月刊丈風」であり、経済的イノベーションをめざす「エイジノミクス研究会」(東京)です。日本の将来に明るい展望を示すべく議論を展開しています。「月刊丈風」編集月旦 2015年2月号から

++++++++++++++++++++2015・02・03
「月刊丈風」2015年1月号を発刊しました

冬山如睡 6日・小寒  20日・大寒

編集月旦 2015年1月号から

★世界で十指にはいる海洋大国である日本。環太平洋P・Pのダイヤモンド・リングの一画である千葉県の南九十九里で迎えた初日の出です。ことしは水平線からとはいかず雲間からの初光となりました。

☆新世紀に入ってすでに15年目、毎年、ここで初日に祈って、増えつづける高齢者が生き生きと暮らせる「高齢社会」の形成を訴えてきました。その間、この国の「高齢化」は世界一の速さですすんで、「団塊の世代」を迎え入れて、高齢者人口(65歳以上)は4人にひとり、3200万人に達しています。

★にもかかわらず、「大羲なき」師走総選挙(12月14日投票)では、「高齢社会」は公約にも議論にもなりませんでした。結果、48%の得票(有権者の25%で2552万票)の自民党が291議席を得るという「したたかな大勝利」に。

☆安倍総理は、ことしの年頭所感でも、これまでの施政方針・所信表明演説のなかでも、「経済のデフレーション(萎縮)」を脱け出す成長力を、女性と若者の参加に求めていますが、高齢者は経済の好循環の当事者として期待されないまま無視されて、格差が広まり強まる世相のうらで、急速に高齢者への敬意は衰落(フェードアウト)しています。

★2040年までに896自治体が消滅という増田(寛也)レポートの衝撃もあって、安倍内閣は「地方創生」をめざして、「ひと、まち、しごと創生本部」を発足させました。「人口急減・超高齢化」というわが国が直面するテーマに対し、①若い世代の就労・結婚・子育てでの希望の実現、②「東京一極集中」の歯止め、③地域の特性に即した地域課題の解決という三つを提案しています。とくに農業の再生・創生を掲げています。

☆三つの視点のうち①の実行者として若い世代だけを取り上げて、若者の地方へのリターンを中心にしていることに異和があります。首相にせよ、担当大臣にせよ、政治の側のリーダーの新世紀15年の決定的な欠落は、次第に若い人の支え手となってきている高齢者の存在と役割を理解していないことにあります。地域の課題解決のための「知識・技術・資産の三本の矢」を保持しているのは、「支え手の高齢者」です。地域の特性を知っている高齢者のみなさん(・地識人)に出動を要請すべきときではないですか。

☆長い高齢期25年(65~90歳)を過ごす居場所や仲間づくり、モノづくりといった「ふるさと生活圏」の形成へ意欲をもつ高齢者のみなさんと、それを継承し新たにふるさとを創生する熱意をもつ若い人びとの両翼の働きがないと地域は飛び立てないのです。

☆全国の自治体をまわって「高齢者の地域参加」を呼びかけておられる堀田力さわやか福祉財団会長は、お互いに温かく助け合う「共生・共助の文化」を提案しておられます。暮らしの場で仲間や後人に敬愛されながら「人生90年」を精いっぱいに生きる。さまざまな地域活動に参加して、できるかぎりの支援をおこなう。それはいずれの日にか介護・医療で自分にもどってくる共助支援です。

★「統一地方選挙」では、世代交代を叫ぶ若い候補ばかりでなく、高齢議員への激励と推薦が必要です。特性を活かした地域づくりに経験が欠かせないからです。

★一人ひとりが長寿を喜べる「日本長寿社会」の達成とアジアに住むだれもが等しく豊かさを享受できる「アジアの共生」は、ふたつながら平和の証であり日本高齢者の課題であり本誌の目標です。(編集人 記)

++++++++++++++++++++2015・01・10
「月刊丈風」12月号を発刊しました

2014年12月号  冬山如睡 7日・大雪  22日・冬至

★大義なき「アベノミクス解散」による師走総選挙(12月14日投票)がおこなわれて、戦後70年を前にして課題山積なのに戦後最低の投票率(52.6%)で終わりました。支持が半数に届かない48%の得票(有権者の25%で2552万票)の自民党が2人減らしながらも291議席を得るという「したたかな大勝利」の結果、安倍政権が継続することになりました。

☆これまでの施政方針・所信表明演説のなかで、安倍首相は「経済のデフレーション(萎縮)」を脱却する成長力を女性と若者に繰り返し要請していますが、経済の好循環の当事者として期待されない高齢者は無視されて何の恩恵も受けず、格差が強まる世相のうらで高齢者への敬意は急速に衰落(フェードアウト)していきます。

☆今回の総選挙でも公約・争点として議論された課題に、「高齢社会」はありませんでした。「社会保障」の実態を論じないままで消費税の数字だけが動いていきます。

★安倍内閣は、9月に石破(茂)氏を地方創生相に起用して、「ひと、まち、しごと創生本部」を発足させました。「人口急減・超高齢化」というわが国が直面する大きな課題に対し、政府一体となって取り組み、自律的で持続的な地域社会を創生しようと呼びかけて設立したものです。そのための三つの視点は、①若い世代の就労・結婚・子育てでの希望の実現、②「東京一極集中」の歯止め、③地域の特性に即した地域課題の解決だといいます。

☆三つの視点のうち①の実行者として若い世代だけを取り上げて、若者の地方へのリターンを中心にしていることに異和があります。首相にせよ、担当大臣にせよ、政治の側のリーダーの決定的な欠落は、若い人の支え手となる高齢者の存在と役割を理解していないことにあります。地域の課題解決のための「知識・技術・資産の三本の矢」を保持しているのは、「支え手の高齢者」のみなさんです。地域の特性を知っている高齢者のみなさんに出動を要請すべきときではないですか。

☆長い高齢期25年(65~90歳)を過ごす「エイジング・イン・プレイス」での居場所や仲間づくりといった「ふるさと生活圏」の再生へ意欲をもつ高齢者のみなさんと、それを継承し新たにふるさとを創生する熱意をもつ若い人びとの両翼の働きがないと地域は飛び立てないのです。

☆全国の自治体をまわって高齢者の地域参加を呼びかけておられる堀田力「さわやか福祉財団」会長は、お互いに温かく助け合う「共生・共助の文化」の形成を提案しています。暮らしの場で、老いて介護を受け、医療を受け、最後は施設完結型(病院)ではなく地域や自宅で終末のときを迎える。後人に敬愛されながら「人生90年」時代を仲間たちとともに精いっぱいに生きる。元気なうちはさまざまな地域活動に参加して、できるかぎりの支援をおこなう。それはいずれの日にか自分にもどってくる共助支援です。それに対して、「・地閉症」のまま暮らして、いずれの日にか「医療・介護」のときだけは地域のやっかいになろうというのでは、やはり「恥ずかしい人生」となるでしょう。(編集月旦より)

 

 


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天をも摩する
・茶王樹・ の下で
高年期人生のひとときを
お好みの場所の椅子に腰を据えて
*ゆっくりとおくつろぎください。*
鳥たちのさえずりを聞き、 聞くともなく
仲間の声に耳を傾け
 、ときに談論に 加わる。
 さまざまなお茶の味わいをたのしみながら、
高年期の暮らしを支える愛用品 や新しい製品のこと、
地域・職域でのすぐれた活動の さまざまなありようなど
● 高年期の人生と高年化社会の成果に関して語り合う ●
長寿であることの日々が安心であり、明日に生きがいを感じ、
後人には「みずからがその木陰に憩うことのない樹を植える」。
共有して愉快なご意見・有用なご提案をぜひどうぞ。
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らうんじ・茶王樹・南九十九里から
樹下丈人
堀内 正範
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樹蔭の語らい

らうんじ・2014年7月~2014年12月

らうんじ・2014年1月~6月

らうんじ・2013年7月~12月

らうんじ・2013年1月~6月

らうんじ・2012年7月~12月

らうんじ・2012年1月~6月