「月刊」丈風」2013年5月号

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「丈風」2013年5月号 pdf
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特集パラダイムシフトa
『現代シニア用語事典』分載7
編集月旦2013年5月号
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四字熟語-事半功倍

事半功倍
じはんこうばい

なすことは半分なのに成果が倍になることを「事半功倍」という。半分で倍だから四倍の功で一石四鳥。対比が際立つところが四字熟語の効用である。孟子がなんでこんな効率的な話をしたのか。原典では古人の営為と今とを比較してのことで、力半分でということではないようだ。得をすることばだからよく使われる。「費半功倍」もある。

化粧品の効能や補修塾の学習効果はわかりやすい。朝すっきりした頭でやれば「事半功倍」というのは清々しい。春節の期間に無料だった高速道路をいかに有効に使って帰郷するかで、TVからケイタイまでを駆使して情報を収集し、うまく移動できたのを喜んで「事半功倍」といっている。また中国固有の領土・釣魚島の奪回に、台湾と大陸(両岸)が手をむすんで艦艇を出し合おうという「事半功倍」となると何やら危険な「功倍」である。一方に力を尽くしても功が半分という「事倍功半」があって、これあっての「事半功倍」なら喜んではいられない。

『孟子「公孫丑上」』など

 

 

四字熟語-入郷随俗

入郷随俗
にゅうきょうずいぞく

T・S エリオットの詩集をミュージカル化した「キャッツ」(音楽劇「猫」)といえば、一九八一年にロンドン初演以来二六カ国三〇〇余都市を巡回しており、日本でも「劇団四季」が演じて親しい。中国でも人気で、昨年暮れからの北京公演では、開幕の歌「ジェリクルソング」(傑里科之歌)にいくつもの四字成語を巧みに織り込んだ演出が評判になっている。

エリオットの英詩の押韻による美しい語感も詩意も、直訳の歌詞で伝えるのはむずかしい。そこで伝来の四字成語を重ねることによってリズム感と意味合いとの「入郷随俗」(郷に入って俗に随う。その地の風俗習慣に随う)に成功したという。貴族猫の食譜には烤鴨や三十年ものの茅台酒も出てくる。

歌詞には、語尾がnの四字熟語「威風八面」(威風堂々として)「智勇双全」(智勇そろって)「詭計多端」(だましあって)「風雲变幻」(何が起きても)「左右逢源」(どっちみち同じ)ほかが散りばめられている。

『続伝灯録・七』など