四字熟語-濫竽充数

濫竽充数
らんうじゅうすう

成語の意味は、竽(竹製の管楽器)の合奏者の中にうまく吹けない者が混じっているというもの。
斉の宣王は竽の合奏を聞くのを好んだ。三百人の吹き手を集めて合奏させたという。そこで南郭先生が吹き手を集めて演奏したところ王は喜んで、国費で楽員を抱えた。南郭先生は吹き手ではないが吹奏者から慕われていただろう。問題は宣王が死んで湣王が立ち、個々の演奏を好んだことにある。そこで演奏者として実力のない南郭先生が去ったのはいうまでもない。
この成語はさまざまな意味合いでよく使われる。無能なのにいい地位にいる、実力以上の待遇や声価をえている、全員のレベルを乱している・・もちろん手ぬき品やニセのブランド品などモノにも言われる。
楽団がいい演奏をするには、全体の調整を図る指揮者やコンサートマスターが必要である。後者は演奏の名手だが、必要な指示を出していた南郭先生は指揮者に近い役割をしていたという解釈はあっていい。

『韓非子「内儲説上」』から