丈人論―「強い高齢社会」へのイベントづくり<6>―

エキスポS65+」のイベント内容が固まる  
「敬老の日」(9月19日)に発表された総務省推計では、「S65+」が対象とする65歳以上が2980万人に達して、来年は3000万人を超えるといいます。人口に占める割合が23・3%となり、わが国は世界最速で長寿時代を迎えています。にもかかわらず、しっかりした「高齢社会」形成への構想が示されているわけではありません。増えつづけている元気な高齢者が安心して暮らせる社会の姿がみえない。
そんななかで「エキスポS65+」は、具体的な目標と内容を掲げて、先陣ののろしをあげることになりました。11月・幕張メッセに、元気な65歳+の高齢者のみなさんが、さまざまな関心で集う「シニアの祭典!」。エグジビション、フォーラム、ウオーキングそれぞれの内容が固まり、来場者を沸かせるにちがいないいくつもの催しを展開しようとしています。
内容については「TOPページ」から、「エキスポS65+のご案内」へ。そこからさらに「展示ブース」へ、「語りあうフォーラム」へ、「未来都市MAKUHARIウオーク」へと内容は多彩に広がっていきます。集まった人みんなでイベントを盛り上げることによって、「高齢社会」の主人公としての存在感を示すことになります。
「知らなかった、こんなイベントがあるなんて!」 
そういって晩秋の3日間を、歩いて、語りあって、見て触って確かめて、1000円(割引利用)で楽しむことができるのが「幕張メッセ、シニアの祭典」なのです。会場内のゆったりとした「休憩コーナー」では、大戦後60年をかけてこの国を築きあげてきた者同士が、高齢期の人生をどう過ごすか、後人に何をどう残すかについて、親しく会話を交わす姿が見られるでしょう
健康の証として歩くことに関心をもつ人は、16日・17日両日のウオーキング(6コース)に参加することができます。16日には体操の早田卓次さんほか、17日には瀬古利彦さんほかの有名オリンピアンも参加する特別企画「オリンピック選手と一緒に歩こう」が行われます。
「シニアライフを語り合うフォーラム」は、15日~17日の3日間に30ステージを設けています。鳥越俊太郎、坂東真理子、服部幸應、半藤一利さんといった知名人の講演や、高齢者にとって身近な課題である「年金」「ライフプラン」「生涯学習」「NPO」「地域活動」などの談論の場や、フラ・フェスティバルやシニア・ファッションショーといった実演まで多彩にそろえています。高連協が特別協力していますので、樋口恵子、堀田力両代表が参加するフォーラムもあり、「高齢社会」に対する熱い議論が期待されます。
イベントの中心になる新製品やサービスの展示会場。将来のシニアマーケットを見通してさまざまな小売・製造企業が幅広く出展しており、暮らしの現場に配慮した衣・食・住・趣味・健康・備えといったエリアごとの各ブースでは、「造る者」と「使う者」が連日、暮らしに便利な日用品やサービスをめぐって熱心な論議を繰り広げることになります。生活意識の高い来場者からの要望は、新たな高齢者向け国産商品を産み出すきっかけになるに違いありません。
さあ、ここから何がはじまるか、注目です。「エキスポS65+」が「強い高齢社会」形成へのさきがけとなることは確かです。(次は10月25日)
「S65+」ジャーナル
堀内正範(カンファレンス・スーパーバイザー)