現代シニア用語today-「 社会保障制度改革国民会議」「平均余命」ほか

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 社会保障制度改革国民会議 平均余命  国際高齢者年(1999)   長寿時代のライフサイクル 他
 「和して同ぜず」(和而不同)
衆議院選挙に一〇余党が乱立し、それぞれの公約を掲げて、この国の将来を決定づける一つの政権をめざすこととなりました。こういう時、「和して同ぜず」(『論語「子路」』から)が、君子(政治リーダー)の要諦とされてきました。「和」するけれども「不同」であるというのはどういうことなのか。
自分の主体的な立場や意見を保ちながら、相手の主体的な意見や立場を認めて「和」の姿を示すことにあります。主要課題である原発、TPP、社会保障・財政、憲法、外交・防衛などでどういう「和」の姿をつくれるのか。もちろん「不和不同」で政権はつくれません。
どの課題によって「和」の姿をつくるかで、この国の将来が決まることになります。
重要でも国論を分断するような課題ではありません。国論を一つにし、国民の活力を呼び起こす課題は何なのかを正確に見極めることにあります。わたしは国民みんなが力を合わせて形成する「長寿社会」(社会保障・財政)の姿が「和」の基盤と考えています。ですから「不動」であり「不同」の政策としてそれを掲げている党と人物を選びます。それで自分たちと後人の将来がきまることになるからです。(二〇一二年一二月一日)
時流は「平成維新」、本流は「平成掘起」

この国の政治基盤が揺れています。マグニチュードはかなり大きい。

明治維新、大戦後に継ぐ今世紀初頭の「第三の国難」に立ち向かう変革者あるいは救済者として、憂国高齢議員が政治生命を賭けて国民にたちあがりを求めているし、地方首長・議員が市民に決起を促しています。既成政党の内部でも、もちろん市民の間でも議論は渦を巻いています。

しかし「三・一一大震災」後もなお多くの国民は、「そんなに深刻ぶることはない」「世の中はどうなっても自分は大丈夫」と思って暮らしているし、TV画面ではエンタテイナー(楽しませる人)が明るくバカ騒ぎをしているし、放射能を気にしながらも日々の食卓にモノを欠くこともない。気づかない人びとが気づいたときにしか時代は動きません。
二〇〇九年八月三〇日の衆院選では、女性高齢者層の動向(オカン・パワー)が左右したといわれます。
結果は「官僚主導から国民主導の政治へ」を訴えた民主党が圧勝し、四八〇議席のうち三〇八議席をえて「政権交代」をなしとげたのでした。が、その勢いの裏で何が際立ったかといえば、時代の変化に反応しない高齢オジン議員に替わって、三〇~四〇歳代の新人議員が数多く呼集されて国会内が若返ったことでした。
「小泉チルドレン」が「小沢ガールズ」に変衣変性したにせよ、選挙戦略としては「若年化」を演出したことに変わりはありません。また大敗した自民党内からも総裁選で「世代交代」が声高に叫ばれて、「政界の若年化」をさらに進めようとする気配も濃厚でした。
本稿は、若い人びとのなかに単純な「世代交代」を求める風潮がこれ以上に強まるのを憂慮しています。なぜなら高齢者層をないがしろにすることで、社会全体のパイを小さくしてしまうからであり、年長者に敬意をもたない社会が長つづきするはずがないからです。そしてそのことに若い人びとが気づきようがないからです。
「先輩のみなさんが先の大戦後に苦労して築いてくれた社会を安定させるために努めますから力を貸してください」
こういうふうに時代を広く読むことができる若手政治家なら、高齢者は求めに応じて支援に向かうでしょう。
時流は「平成維新」(橋下徹氏など)を中心のひとつにして動いていますが、本流(潮流)は高齢者ひとりひとりが保持・温存している知識・技術・経験・資産を駆使して、地域特性を掘り起こし再生する「地域再生・平成掘起」なのです。その活動が「みんな(三世代)が住みやすい生活圏の達成につながるからです。
そして何より人生の「尊厳」(dignity)を大切にして暮らしている高齢者は、これ以上に不安が増し、自分たちの肩身が狭くなるような社会を許すわけにはいかないでしょう。
「次の国政選挙はわれわれが左右します」と明確な意思表示(オジン+オトン・パワー)をして、高齢者の意思が活かせる代表を選び出すこと。頼れるオカン・パワーを合わせて三〇〇〇万人(票)の「衆志成城」のときなのです。
安心して暮らせる長寿社会をつくるために、もっともふさわしい候補に一票を投じること。それが地域基盤をつくり直し、国民主導の政治をさらに一歩進めることになるからです。今度こそ、まったなしの「日本長寿社会」のために「参加」せねばならないのです。 (まったなしの「日本長寿社会」への展開 二〇一二年三月一一日)