丈人論―「強い高齢社会」へのイベントづくり<3>―

◎素敵なシニアライフを語り合う広場
「エキスポS65+」の三つのイベントのうち、スポーツイベント「未来都市MAKUHARIウオーク」については前回触れましたので、今回は内容がほぼ固まった交流イベント「素敵なシニアライフを語り合う広場」について、そして次回には9月13日に「出店社説明会」(東京フォーラム)をおこなった「総合展示会」についてお伝えすることといたします。
「語り合う広場」については、こう考えていただけたらと思います。だれもが激動の戦後昭和期を含む65年+を無事に過ごしてきて、いまはその間に得た友人や親族とそれとなく付き合っている。が、長年培ってきた知識や技術を活かせる場があればそうしたい。そういう社会参加を願っている多くのみなさんが集まって、長寿社会が直面している課題について自在に語り合う。そのためにさまざまなテーマの30余ステージが用意されています。(詳細は素敵なシニアライフを語り合う広場欄に。3日間通しで入場割引1000円)
一日目は、著名キャスター鳥越(俊太郎)さんの基調講演「歳には、勝てる」、『女性の品格』の著作もある坂東(真理子)さんの「さびない人生」、そして日本の先をゆく「元気な上海の高齢者」の暮らしぶりを馬(利中)さんが報告します。談論の場としては、「地域で支え合うシニア」では地域実践者のみなさんが問題を提起、「長寿社会のパイオニア」では元気な女性代表の樋口(恵子)さん、堂本(暁子)さん、渥美(雅子)さんが鼎談。ほかに「年金」や「ライフプラン」を考えたり、「健康食品」の選び方、「健康体操」の実技指導、きものを仕立てなおしたファッションショー「いよよ華やぐ」など。
二日目は、「じょうずな孫の撮り方」(沼田早苗さん)、「福祉用具の使い方」「デジタル機器の使いこなし」など実用のステージも。談論の場としては「生涯学習を楽しむ」「定年後の生き方」「NPOの今後」そしてフォーラム最大の「シニアの公開討論会」(堀田力さんほか)とつづきます。「食のトークステージ」(服部幸應さん)や「昭和とはどういう時代だったか」(半藤一利さん)も聴きのがせません。
 三日目は「三世代交流」にも配慮して、「次世代を育てる」では王選手を育てた荒川(博)さんが登場、「おもちゃの世界」「いけばなの実演・技芸ひとすじ」、「伝統がはぐくむ小江戸さわら」「住みよい街―江戸川区」からの報告、「70歳のワークライフバランス」「シニア世代のための住宅」、そして「フラ・フェスティバル」を楽しみながらのフィナーレに。
 語り合いの場は、ステージばかりではありません。あちらこちらに設けられた休憩所ではもちろん、さわれる・えらべる・つながれるがテーマの展示ブースでは、さまざまな談論の輪が繰り広げられることでしょう。だれもが昭和時代の哀楽をともにしてきた仲間ですから、分け隔てない会話が展開されるにちがいありません。そこからあすの「素敵なシニアライフ」の糧をつかむことができる。そういう愉快な予感がしています。(次は9月25日)
「S65+」ジャーナル 
堀内正範(本社カンファレンス・スーパーバイザー)